FC大阪の本拠地問題、東大阪市と再協定締結 花園第2に新スタジアム建設も、近藤祐輔社長「Jリーグ仕様のものではない」
2024年12月23日(月)20時15分 スポーツ報知
契約書を持ったまま写真撮影に臨んだFC大阪・近藤祐輔社長(左)と野田義和・東大阪市長(カメラ・森口登生)
J3のFC大阪は23日、東大阪市と再協定を締結したと発表した。本拠地の花園ラグビー場第2グラウンド(花園第2)に新スタジアムを建設し、市に寄付するという内容だ。
J3参入2季目で6位だったFC大阪は今季、花園第2グラウンドをホームスタジアムとしていた。19年11月末にその花園第2に新スタジアム建設、市への寄付を条件に市と協定を締結。第2グラウンドは工事中、という前提でラグビーの試合を優先しながら花園第1グラウンドを暫定の本拠地として戦ってきた。しかし、当時JFLだったクラブの資金集めや、コロナ禍で部品の価格高騰などが起因し、工事着工を断念。現在も工事は進んでおらず、東大阪市と再び協議する運びとなった。
FC大阪の近藤祐輔代表取締役社長は「協定書を締結しながら行動が伴わなかった事に対して、市民の皆様、ならびに関係者の皆様、サッカー関係者の皆様、市議会の皆様、いろいろな方にご迷惑をおかけしたことを改めて謝罪申し上げます」とわび、「観客席も老朽化していますし、現在もラグビー場として使われているので少しでも早く改修することが我々が一番やらなければいけないこと」とした。
再協定を結んだ条件としては花園第2を観客席5000と電光掲示板を有するスタジアムに再建し、28年3月末までに東大阪市へ寄付するというもの。野田義和市長は「善意でご寄付をいただくという形ですので、我々は待たせていただいた。ありがたくお受けするという立場を取っていたわけですが、様々な理由もあり、これ以上待てないので、事実上この件についてFC大阪との協議は本日が最後。これをしっかり実行していただく」と強調した。期限までに完了できなければ花園第1をホームスタジアムと認めないという項目もある。あくまで完成させる前提での項目と前置きした上で、「(完了できなければ)東大阪市としてはホームタウン、スポーツグラウンドとしての継続をする気はない」と断言。直近の判断基準には「来年6月に、Jリーグに出す書類、手続きがあると聞いている。6月までに間違いなく具体的な進捗、行動を半年以内に求めたものを提示いただく」と25年6月に設定した。これに対して近藤社長は「もうすでに調査は終わっているので、計画は6月までには必ず出せる状態が作れる」と毅然(きぜん)とした態度で答えた。
FC大阪が主となって作られる新スタジアムだが、近藤社長は「Jリーグ仕様のものではない」とした。19年に結んだ協定を基づき、観客席は5000席だが、メインスタンドの方角などもまだ決まっていない。Jリーグのスタジアムとして機能するのかという点に関しては「Jリーグに確認してみなければ分からない」と言及。続けて、「寄付に関しては一度した約束を果たすという事の方が責任として大きい。決して我々の利益のために動いている訳ではない」と主張した。Jリーグに対応するかという点に関して野田市長は「寄付行為が終わった第2グラウンドでJの試合ができるかということは東大阪市が関与することではない。FC大阪のホームグラウンドはあくまで第2。第2グラウンドでJの試合ができないから、全ての試合を花園第1で行うことはあり得ない」と断言した。
27日に開幕する全国高校ラグビー大会でも使用される花園第2。来年度以降の大会への影響も懸念されるが、野田市長は「高校ラグビーへの影響はない形での工事の進行は条件付き。あり得ない」とあくまでもラグビーの試合が最優先だという姿勢を再度示した。今後の試合会場に近藤社長は「現在第2をホームにしている中、暫定的に第1グラウンドを使用させていただいている。その流れは変わらずにできるようにしていきたい。完成後はまた東大阪市様と協議をした上で進めていきたい」と市と連携をとりながら進めていく方針を示した。