ダカールラリー:55歳のカルロス・サインツ、2018年大会を最後に現役引退を示唆

2017年12月26日(火)14時39分 AUTOSPORT web

 ダカールラリーで大会3連覇を狙うプジョースポールで、ワークスドライバーを務めるカルロス・サインツが、2018年大会を最後に現役から退き、プロフェッショナルのキャリアを終える意志を表明した。


 2018年大会に向け新型モデル『プジョー3008DKR Maxi』を投入するものの、その後は活動の主軸をWorldRX世界ラリークロス選手権にシフトすることを表明しているプジョースポールは、今大会を最後にクロスカントリーラリーのプログラムを終了すると宣言している。


 2度のWRC世界ラリー選手権チャンピオンであり、2010年大会のダカール覇者でもあるサインツは、プジョーのダカール復帰に際してワークスドライバーとして契約。しかしその後は、2018年大会で撤退するプジョー以外に、現時点ではプロドライバーとしてのいかなるオファーも受けていないと語った。


「2018年大会では、プジョーのラリーレイド復帰後最後となる勝利を自らの手で挙げることを心から望んでいる」とサインツ。


「それ(オファーがないこと)は確かだが、今は1月6日にスタートして無事にイベントを走りきり、プジョーと喜びを分かち合うことしか考えていない。それまでは他のことを考えることはないよ」


「私はすでに55歳になるし、キャリアを終えるときが近づいていることは理解している。だが、今はダカールのことだけを考えたい。最後の1戦になることを考えるより、勝つことだけを望んでいるんだ」


「1月を終えて将来のことを考える時が来た場合、どんなオプションが存在するかは想像もつかない。ダカールに新たに興味を示しているマニュファクチャラーがいるとは聞いていないし、唯一のワークスであるミニは、私にはコンタクトして来ていないからね」

WRC時代には、トヨタ、スバル、シトロエンなどでワークスドライバーを務め、そのマシン開発能力から”優勝請負人”と呼ばれた
同じ名を持つ息子、カルロス・サインツJr.をF1ドライバーにまで育て上げた

1990年、1992年とトヨタ・セリカGT-FOUR(ST-165、ST-185)で世界チャンピオンに。スペイン人初、日本車初の快挙となった


 現在、プジョーは“ダカールを知り尽くした男”ステファン・ペテランセルとともに大会連覇を果たしており、最後の1戦となる2018年大会で3連覇を狙う状況だが、サインツは2015年大会で大クラッシュを経験。16年大会はリードしながらもギヤボックストラブルに泣くなど、いまだプジョーとともにポディウムの頂点はおろかイベントの完走すら果たせていない。


「私はつねに勝つために走っているが、今回はもう少し忍耐強くなるべきだろうね。私がダカールで勝った時はステージ制覇は最小限だった。ステージで勝つと、翌日には先頭を走るというリスクを負うことにもなる。だから戦略が重要なんだ、とくに次の大会はね。忍耐することは、私にとってはしんどいことなんだけどね」と、苦笑いのサインツ。


 もちろん、この最終2018年大会もプジョースポールはサインツ、ペテランセルに加え、セバスチャン・ローブ、シリル・デプレの強力なドライバー布陣で挑むこととなる。


「私にはとても強力で素晴らしい3人のチームメイトがいる。ペテランセルは豊富な経験を持っていて、つねに優勝争いを前提に走るドライバーだ。またローブもダカール3年目で、勝つための経験値は充分に蓄えたと言えるだろう」


 サインツはまた、TOYOTA GAZOO Racing南アフリカのファクトリー支援を受ける“ダブル・ダカール・チャンピオン”のナッサー・アル-アティヤも優勝候補のひとりに挙げたものの、バギータイプの新型マシン『ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー』を投入するX-Raidに関しては、ミッコ・ヒルボネンの能力をもってしても、初年度から優勝戦線に加わるのは厳しいだろう、との予想を口にした。


「ニューモデルで大会を制するのは、本当に至難の技だ。もちろん、彼らの実力と(元WRCタイトルコンテンダーの)ミッコの腕を持ってすれば、いくつかのステージを勝ち獲ることは可能だろう」

主戦場をダカールラリーに移して以降も、VWトゥアレグを勝てるマシンに仕上げ、プジョー移籍後もその任務を全うしている
2017年を通じて、さまざまなイベントでテストが続けられてきた『プジョー3008DKR Maxi』
3年連続クラッシュの汚名を返上し、プジョーとともにダカール制覇を成し遂げられるか


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