フィギュア宇野昌磨が不透明選考に喝!羽生結弦も救われた「あいまい基準」を問題視

2022年12月27日(火)11時27分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 新エースは黙っていられなかった。

 フィギュアスケートの世界王者、宇野昌磨が全日本選手権で圧勝した。2位に40点近い大差をつける貫禄の滑りで、来年3月の世界選手権(埼玉)出場切符を手にした。

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 宇野の表情が怒りに変わったのは男子フリー終了後、世界選手権の日本代表メンバー発表の席上だった。会見の冒頭で「選考基準っていうのはどういったものか、僕にはよく分からないけれど、あまりうれしく思えない部分もある」と不満を漏らし、珍しく感情的になった。

 真意は明かさなかったが、同じランビエール・コーチに師事する島田高志郎が宇野に次ぐ全日本2位に入りながら、代表に落選したことが引き金かもしれない。結果的に、女子12位が代表に選ばれ、男子2位が選ばれない矛盾。不透明な選考基準にこれまで泣かされた人たちの思いも背負うかのように、公の場で苦言を呈した。

【世界選手権の日本代表(全日本成績)】
◆男子
宇野昌磨(全日本1位)
山本草太(全日本5位)
友野一希(全日本3位)

◆女子
坂本花織(全日本1位)
三原舞依(全日本2位)
渡辺倫果(全日本12位)

◆ペア
三浦璃来、木原龍一組(欠場)

◆アイスダンス
村元哉中、高橋大輔組(全日本1位)

 代表選考基準について日本スケート連盟の竹内洋輔強化部長は、全日本の位置づけは最終選考会であって「一発勝負」の場ではないと説明。宇野の発言については「具体的にどのへんが不満か把握できていないところもある。基準はシーズンが始まる前に掲示して、全日本の後に決めている」などと補足した。

 連盟が公表している選考基準によると、男子3枠のうち、全日本選手権の優勝者が1人目にまず決定。2人目は全日本2、3位、GPファイナル上位2人、国際スケート連盟公認大会の今季スコア上位3人の中から総合的に選考。3人目は、ここまで候補に挙がった選手から総合的に判断すると明記されている。

『総合的に判断』というあいまいさを残すのは、実績のある選手を救済するためでもある。過去には五輪で連覇した羽生結弦に『適用』されたことがある。17年、右足首を負傷した羽生は五輪選考会を兼ねた全日本を欠場。特例の救済措置で五輪代表に選ばれると、2大会連続金メダルを獲得した。

 羽生のプロ転向後、宇野はフィギュア界のトップとして引っ張る立場。選考基準の明確化を問題提起しただけでなく、選考方法が現場の選手に周知されていない状況も、今後の課題として伝える形になった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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