2024/25シーズン序盤で期待を裏切った欧州7選手
2024年12月28日(土)14時0分 FOOTBALL TRIBE
2024年夏の移籍市場でセリエAのユべントス、ラ・リーガのレアル・マドリード、プレミアリーグのマンチェスター・シティに加入した選手たちが、2024/25シーズンも折り返し地点を迎える今、期待を大きく裏切る結果に終わりつつある。
毎年のように移籍市場では巨額の資金が動き、多くの契約が成立している。しかし、理想的に見えた契約であっても、現実には期待外れに終わる場合もある。それは今夏も例外ではなく、一部のクラブは痛い目にあったようだ。
夏には“成功”と見られた移籍のうち、12月16日時点では期待を裏切る結果に終わっている欧州リーグの7選手を紹介しよう。年末から調子を上げ、新年には評価を覆すことを期待したい。
イルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)
マンチェスター・シティが一度手放した選手を再び獲得することは珍しいが、2016年から2023年まで在籍したドイツ人MFイルカイ・ギュンドアンは、スペインのバルセロナへ移籍してからわずか1シーズン後にシティに復帰した。無償での獲得は「掘り出し物」のように思えたが、たった1年で彼がどこまで衰えたのだろうか?残念ながらその答えは「かなり」である。
シティに復帰して以来、ギュンドアンは以前のような優雅さを失い、動きが重くなった印象がある。MFロドリ不在の中盤を補う役割が影響しているのかもしれないが、ロドリの状況に関係なく、そのパフォーマンスは期待外れだ。シティ全体の不調も相まって、この契約は、時を経るほどに失敗だったように見える。
ドウグラス・ルイス(ユベントス)
2023/24シーズンのアストン・ビラでMFドウグラス・ルイスは間違いなくワールドクラスのミッドフィールダーとして活躍しており、ユべントスへの移籍は理にかなった選択と考えられていた。しかし、ユベントスでのスタートは予想外に鈍く、移籍前では考えられなかった結果となっている。
26歳のルイスは、チアゴ・モッタ監督の下での適応に苦戦しており、これまで全大会での出場時間はわずか342分にとどまっている。小さな怪我による影響もあり、十分なフィットネスを維持できず、セリエAでの先発出場もわずか2試合に過ぎない。この期待の大きかった移籍が失敗とみなされる前に、状況が好転することを願うばかりだ。
キリアン・エムバペ(レアル・マドリード)
フランスのパリ・サンジェルマン(PSG)からようやくレアル・マドリードへの移籍を果たしたFWキリアン・エムバペだが、ここまでのところ期待外れといわざるを得ない。
移籍後初の公式戦となったUEFAスーパーカップのアタランタ戦(2-0)でゴールを決めたものの、新天地で存在感を発揮するまでには大いに苦戦した。12月16日時点では全大会で12ゴール、そのうち9ゴールがラ・リーガでのものだが、ゴールは断続的であり、ペナルティを外したり、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の重要な試合では影が薄い状態が続いている。
それでも、12月11日に行われたCLアタランタ戦(3-2)で勝利を決定づけたゴールは、復調の兆しを感じさせた。彼の能力に疑いの余地はないが、そのスター性や移籍時の期待を考えると、現時点では失敗と評価されても致し方ないのかもしれない。
ジョアン・パリーニャ(バイエルン・ミュンヘン)
フラムにいたMFジョアン・パリーニャの獲得交渉は長引き少々混乱も見られたが、バイエルン・ミュンヘンは2023年夏の破談を経て、2024年夏に1年越しに獲得に成功。移籍金4,740万ポンド(約93億8,595万円)で加入し、チームに安定感をもたらすことが期待されていたが、ヴァンサン・コンパニ監督の下で適応に苦しんでいる。
前出のドウグラス・ルイスと同様に、出場時間の減少や怪我の影響でバイエルンでのスタートは順調とはいえず、チームへ貢献するのに苦戦しているように映る。ルイスが26歳なのに対し、パリーニャは29歳であり、クラブが忍耐強く待てる時間はより少ないと予想されている。
カルロス・ソレール(ウェストハム・ユナイテッド)
ウェストハム・ユナイテッドは、夏の移籍市場で積極的な補強を行い「勝者」と評価されたが、その全ての契約が良い結果に繋がった訳ではなさそうだ。MFジェームズ・ウォード=プラウズ(ノッティンガム・フォレスト)がチームを去り、代わりにPSGからローン移籍でMFカルロス・ソレールが加入した際には期待が高まった。しかし、これまでのところ目立った活躍ができていない。
最近ようやく連続して試合に出場する機会を得たことで勢いを取り戻しつつあるソレール。しかし、フレン・ロペテギ監督の下で苦戦を続けるウェストハムにあって、その才能を存分に発揮するのが難しい状況なのかもしれない。
アーチー・グレイ(トッテナム・ホットスパー)
欧州のトップクラブがリーズ・ユナイテッドの練習場に列を作り、18歳の逸材MFアーチー・グレイ獲得を目指していた中で、トッテナム・ホットスパーが2024年夏に手中に収めた。
しかし、グレイはUEFAヨーロッパリーグ(EL)ではレギュラーとして毎試合フル出場を果たしているが、プレミアリーグでは信頼を得られず、アンジェ・ポステコグルー監督の必要に応じて穴埋め役として起用されることが多いのが現状だ。
まだ若く過度の負担を懸念する声もあるが、彼の能力を考えると、トッテナムが今2024/25シーズンの苦戦を打開するには、安定したポジションを与え、継続して試合に出場させることがチームの利益につながるのではないだろうか。
エディ・エンケティア(クリスタル・パレス)
アーセナルに所属していたFWエディ・エンケティアは、チームレベルが向上する中その水準に適応できなかった。そんな中での、同じロンドンのクラブであるクリスタル・パレスへの移籍はすべての関係者にとって理想的な選択と捉えられていた。
パレスはプレミアリーグで実績のあるストライカーを獲得するために3,000万ポンド(約59億円)を支払ったが、これまでの時間は期待外れの結果となっている。プレミアリーグで10試合に出場し、そのうち6試合に先発したが、ゴールは無し。シーズン序盤では全くいいところがなく、新天地でゴールを決められないプレッシャーは週を追うごとに増しているようだ。当初は「賢明な移籍」と見られたものが、今では「失策」に変わりつつあるのかもしれない。