「まるでジブリの世界」インスタ映えで人気沸騰も... 渋滞トラブルで地元は渋い顔「観光地ではありません」

2019年1月14日(月)8時0分 Jタウンネット


「まるでジブリの世界のようだ」とSNSで話題となった場所が、福岡市近郊にあるのを読者はご存知だろうか。「篠栗(ささぐり)九大の森」である。ここ数年、九州、とくに福岡県では、すっかり有名になってしまったが、全国的にはまだまだ知られていないかもしれない。


「インスタ映え」する観光地として一躍脚光を浴びるようになり、バスツアーが組まれるなど、来訪者数が急増したため、交通渋滞が頻発しているという報道もあった。その後、状況は変わったのだろうか? Jタウンネット編集部は、2019年1月9日、篠栗町に電話で話を聞いた。


「地元の住民たちにとっての癒しのスペース」


篠栗町は、福岡市の東方約12キロに位置する。福岡市のベッドタウンとして住宅開発が進んでおり、最寄り駅はJR九州の篠栗駅で、博多駅から篠栗駅への所要時間はわずか約20分だ。充分通勤圏内である。


「篠栗九大の森」は、九大農学部福岡演習林の一部。九大が研究のため植林した桜やモミジ、タブノキ、クスノキ、ヤマモモ、コナラ、ネジキ、ハゼノキなど、約100種類の樹木が生育している。敷地の西端にある蒲田池を取り囲む約17ヘクタールの林が、一般開放されているのだ。


Jタウンネット編集部による電話取材に、篠栗町産業観光課の担当者は次のように答えてくれた。


「篠栗九大の森はけっして観光地というわけではありません。地元の住民たちにとっての癒しのスペースなのです」



いきなり強烈なジャブが飛んできた。予想を超えた回答に、Jタウンネット記者はうろたえた。


交通渋滞が発生することもあるらしいが、状況は改善したのかと聞いてみた。


「2カ所ある入り口の駐車場は主に乗用車向けで、大型バスは利用できません。過去には、片側1車線の町道の路肩に、観光バスが何台も連なって停車すると、地域住民の車が滞るということがしばしばありました。今でもあまり変わっていません」



産業観光課の担当者の返事は、相変わらず厳しかった。昨秋、紅葉の頃には、観光バスが10台近くも停車したこともあったようだ。


大型バスが停められる駐車場を近くに確保するとか、対策は検討されなかったのか? そう聞くと、はっきりした返事はなかった。土地の余裕も、予算もない......ということだろうか。


「冬場は、水辺の森付近も渇水気味で、期待されるような景色はご覧になれないかもしれません」と、担当者。言外に、あまりたくさん来られても......、という本音が伺える。


もし行くなら、平日、乗用車で。できれば、電車で行く方がいい。篠栗駅からは、約40分。門松駅からは約25分。蒲田池の周り約2キロの遊歩道は、小1時間もあればゆっくり回れる。軽登山靴で歩く方が安心かもしれない。天候によっては、閉園の場合もある。詳しくはこちらを。

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