100歳以上が「全国平均の3倍」、丹後地域の秘密探る…高齢者100人のDNA解析へ
2025年1月21日(火)14時0分 読売新聞
健康診断を通じて研究に協力する男性(京都府京丹後市で)=京都府立医大提供
京都府立医大は、100歳以上の高齢者(百寿者)の割合が全国平均の3倍に上る京都府北部の丹後地域で、高齢者の遺伝情報などから健康長寿の要因を探る研究を新たに始めると発表した。高齢者の血液からDNAを抽出して80万か所を解析し、生活習慣や運動機能などと照らし合わせて長く健康的に暮らせる
丹後地域(京丹後市、宮津市、伊根町、与謝野町)は人口10万人当たりの百寿者数(昨年9月現在)が平均約228人で、府全体の平均(83・59人)や全国平均(76・49人)を大きく上回っている。
府立医大は2017年から京丹後市立弥栄病院と協力し、65歳以上の高齢者を対象に身体測定や食生活、血管年齢など約2000項目にわたって長寿に関わる要因を詳細に調査しており、これまで約1100人が協力してきた。
今回の研究は、DNAの分析などを手がけるバイオ企業「レリクサ」(東京都)が協力。高齢者100人から健診や検査で得られた血液2ミリ・リットル分の提供を受け、抽出したDNAを解析する。
DNAはメチル基という物質がくっつく「メチル化」が起こることで、遺伝子の働きが変化することが知られており、老化などとの関連が注目されている。研究ではメチル化を手がかりに、腸内細菌や
内藤裕二教授(生体免疫栄養学)は「これまで食べ物やライフスタイルなどによる影響を明らかにしてきたが、遺伝情報も生かし、10年、20年後の健康状態を高い信頼性で予測できるようにしたい」と意気込みを語った。