AI生成じゃないのかよ... 北海道で行われてる「鮭トバづくり」がシュールすぎ

2024年2月3日(土)17時0分 Jタウンネット

「いま流行りのAI生成か?」

——そう思わずにはいられない、不思議な光景がSNS上で話題になった。2024年1月上旬のことだ。

リフトを進むゴンドラ、その中に乗っているのはスノーボーダーやスキーヤーではなく......。

なんと魚、どうやら鮭のようだ。大きな鮭が何匹もぶら下がっている。とても現実のモノとは思えないが......。

よく見ると、ゴンドラには「とば1号」というプレートが見える。さらに側面のプレートには、「のぼりべつクマ牧場」の文字が......。北海道民や、インターネットが大好きな皆さんなら、おわかりだろう。あの「のぼりべつクマ牧場」のゴンドラだ。

この場所のことを知らない、あるいは「CMだけ見たことがある」という読者には、いささか説明が必要だろう。

「のぼりべつクマ牧場」は、1958年7月開設された、北海道に生息している野生動物の保護と観察・研究のための施設。エゾヒグマ8頭の放牧からスタートし、現在は約70頭の個性豊かなクマを飼育している。クマへのおやつ投げ体験や、ガラス越しでヒグマを観察できる「ヒトのオリ」など、さまざまなアトラクションをとおして、クマについて学ぶことができるユニークな場所だ。

その「のぼりべつクマ牧場」がなぜ、ゴンドラで鮭を吊るしているのか? いったいこれは何のため? Jタウンネット記者は詳しい話を聞いてみた。

クマ牧場で鮭とばを作ってしまおう

Jタウンネット記者の取材に応じた、「のぼりべつクマ牧場」広報担当者は次のように答えた。

「元々ゴンドラを使ってお客様に楽しんでもらえる何かができないかを模索していたのですが、ある時、北海道の名物でもある鮭とばを当園のクマ達に与えてみた際、大変喜んで食べたので、『じゃあゴンドラを利用してクマ牧場で鮭とばを作ってしまおう、見た目のインパクトもあってお客様に楽しんでもらえるかも』という発想に至り、そこからサケを吊るしたゴンドラ、その名も『とば号』の運行が始まりました」(「のぼりべつクマ牧場」広報担当者)

「とば号」は2012年から冬の期間限定で運行していて、今年度で12年目の運行だという(2024年3月31日まで運行予定)。

鮭とばを作るためのゴンドラなので、人は乗ることはできないそうだ。

ちなみに鮭とばとは、秋鮭を半身におろして、皮付きのまま縦に細かく切り、海水で洗って風に当てて干したもの。のぼりべつクマ牧場では、北海道の寒風とロープウェイを活かして、鮭を乾燥させているというワケだ。

寒さが厳しくなる秋から冬に入る時期、ゴンドラで循環させることで効率的に鮭とばを作ることができるという。

「とば号には約15本〜20本程度の鮭を吊るしており、鮭とばが出来上がり次第、次の鮭を吊るしています。(鮭は1日では干し上がらないため)鮭を1〜2週間ほど循環させることで干し上がり、鮭とばとなります」(「のぼりべつクマ牧場」担当者)

干し上がった鮭とばは、食品としての販売の許可を得ていないので、人間向けの販売予定はない。クマたちのための鮭とばだ。味付けもしていないので、人が食べてもたぶん美味しくないはずだ、とのこと。

今回、「とば号」が注目を集めたのは、あるXユーザーがその光景を投稿したことがきっかけだった。

X上で多くの人々から反響があったことについて、担当者は「とば号はクマへの飼料提供の役割はもちろん、お客様に楽しんでいただけることを願って運行を開始したため、今回のようにお客様に楽しく取り上げていただき、大変嬉しく思います」とコメントしている。

Jタウンネット

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