特別支給の老齢厚生年金とバイト収入がある場合、税金はどうなる?

2024年2月13日(火)18時30分 All About

年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、60代前半でもらえる特別支給の老齢厚生年金とバイト収入があった場合の税金についてです。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、60代前半でもらえる特別支給の老齢厚生年金とバイト収入があった場合の税金についてです。

Q:特別支給の老齢厚生年金とバイト収入がある場合、合計されて税金が引かれるの?

「特別支給の老年厚生年金は108万円以上に税金がかかるそうですね。超えた分と働いて所得があった時はそれもプラスされて税金を徴収されるのですか?」(小林さん)

A:年金収入とバイト収入は通常は別々に所得税が計算されて、天引きされます

例えば、質問者が現在60代前半で、年金収入が120万円、バイト収入が150万円だとします。年金収入は雑所得、バイト収入は給与所得なので、それぞれ別に所得税を計算します。
その場合、年金収入120万円から公的年金等控除60万円と基礎控除48万円が差し引かれ、雑所得12万円に所得税がかかり、年金振込額から所得税が差し引かれることとなります。年金から差し引かれた所得税の中に、バイト収入の所得税は含まれていません。
バイト収入150万円から給与所得控除55万円が差し引かれ、給与所得95万円に所得税がかかり、給与明細から差し引かれます。給与所得から差し引かれる所得税に、年金にかかる所得税は含まれていません。
このように、年金収入とバイト収入は通常は別々に所得税が計算され天引きされることになります。それぞれの収入の、税金の計算方法が違うためです。
ただし、医療費控除などがあり、確定申告をする必要がある場合は、年金収入とバイト収入を合計してから、所得控除を差し引き所得税を計算することになります。この時にもちろん、公的年金等控除や給与所得控除も適用されます。確定申告のやり方がわからない場合は税務署などに相談してみましょう。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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