35歳子ども2人、貯金550万円。夫が転職し、手取りで約5万円減額になりました

2024年2月14日(水)22時20分 All About

相談者は、夫が転職して手取り収入が5万円減ってしまったという会社員女性です。以前は6万円貯金できていたものの、現在は貯金がなかなか増えなくなってしまったとのこと。FPの深野康彦さんがアドバイスします。

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子どもたちには、したい習い事をさせるなど、不自由なく過ごさせたいのです

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。
今回の相談者は、夫が転職して手取り収入が5万円減ってしまったという会社員女性です。以前は6万円貯金できていたものの、現在は貯金がなかなか増えなくなってしまったとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

ともともさん(仮名)
女性/会社員/35歳
東北/持ち家(一戸建て)

家族構成

夫(35歳)、娘2人(7歳・5歳)

相談内容

夫が3年前に転職し、手取りで約5万円減額になりました。将来性(職場の安定性)や家族との時間を優先し、「手取り収入が減額になっても構わないから転職しよう」と夫婦で出した結論です。家族との時間はたくさんできましたが、毎月赤字で、ボーナスで補填している状況です。
以前まで月6万円の貯蓄をしていましたが、月2万円に減らしました。食べることや外出が好きなので、細々とお金を使うのが悪い癖かもしれません。
夫婦2人とも金銭の管理が得意ではなく、今のままでは、娘たち2人の教育資金(2人とも学資保険に加入しており、必要年度には支払いがある予定です)、数年後に迎える車の買い換え2台分の貯蓄(車は1人1台必須の地域です)、老後のための貯蓄など、どのようにして蓄えてよいか分かりません。
子どもたちには不自由なく過ごさせたい、習い事などチャレンジさせたいと思っています。今の給料でやりくりする方法をご教示ください。

家計収支データ

ともともさんの家計収支データは図表のとおりです。

家計収支データ補足

(1)住居費について
・購入時の物件の状況:新築
・物件価格:不明
・頭金:不明
・ローン残高:約1900万円
・借入期間:30年
・金利のタイプ:変動金利、金利不明
・毎月の返済額:7万4000円
・ボーナスの返済額:なし
・固定資産税:不明
(2)車両費について
車の買い換えは、5年以内を検討。予算は400万円(現金一括で支払う予定)。
(3)加入保険について
不明
(4)教育費について
相談者コメント「児童手当は、それぞれ、子どもの学資保険として使っています。子どもの進路については、小中は地元の公立、高校からは本人が望むようにと考えています」
(5)雑費の内訳について
不明
(6)ボーナスの主な使い道について
不明
(7)お勤め先について
ご本人の勤務形態はフルタイム。
※ご本人やご主人の会社に、退職金制度や再雇用制度があるかどうかについては不明
(8)年金について
不明

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:いろいろ不明点が多すぎ。確認できることは今すぐ確認を
アドバイス2:家計支出を見直しし、毎月5万円の貯蓄を
アドバイス3:大学まで国公立なら教育費は心配なし

アドバイス1:いろいろ不明点が多すぎ。確認できることは今すぐ確認を

収入減でも家族との時間を大切にしたいという選択は間違ってはいませんが、その分、家計管理はシビアにならないといけません。現在いただいている家計データには、不明点が多すぎます。
まず、保険はお子さんの学資保険のみだとしたら、お子さんへの保障としては不足しています。少なくとも、死亡保障1500万円、保険期間15年(第2子が成人するまで)の定期保険に、夫婦それぞれが加入してください。併せて、医療保険は、入院日額5000円。これも夫婦それぞれが加入してください。
もし、現在保険に加入されているようでしたら、上記のプランに見直すなどして、割安で必要十分な保障を確保するようにしてください。ネット通販型の保険であれば、保険料は夫婦で1万円かからないですむでしょう。
年金については、まだ若いのであまり実感はないと思いますが、少なくとも今の勤務先の制度については理解しておくべきでしょう。
会社員なので、公的年金は厚生年金に加入していると思いますが、そのほかに会社で企業型確定拠出年金制度は導入していないのか、退職金制度はどのようになっているのか、定年退職年齢は何歳なのか。こうしたことは老後資金に影響するだけではなく、今後の資産形成を考える上で、大切なことです。
また、住宅ローンについては、いったん借りてしまい、返済が始まると、そのまま何気なく返済を続けてしまいがちですが、ともともさんが借りているのは変動金利です。
金利が何パーセントで借りたのか不明ですが、今後金利が上昇しないとも限りません。そうしたときに、借り換えなどするのかといった判断も必要になってきます。
借りたら借りっぱなしではなく、住宅ローンや家の固定資産税についても、しっかり把握するように心がけてください。

アドバイス2:家計支出を見直しし、毎月5万円の貯蓄を

家計支出についても同様です。データでは、毎月の貯蓄2万円も加味すると、収支トントンのような形になっていますが、実際はいかがですか?
雑費の中身が不明ですが、5万円は多すぎませんか? 教育費は幼稚園代や習い事の費用でしょうか? また通信費はご夫婦2人分としても2万円はかけすぎに思われます。
このように、家計管理については、もう少しシビアに考え、貯蓄額を少しでも増やしていかなければ、教育費をまかなうことは難しいといわざるをえません。
少し厳しい言い方になりましたが、今からなら、まだ間に合います。
上記の毎月の家計の不明点を整理すれば、毎月5万円は貯蓄に回せるはずです。また、ボーナスについても使途不明ですが、年間100万円のうち、60万円を貯蓄に回せるように管理してください。
それができれば、教育費、老後資金は解決します。

アドバイス3:大学まで国公立なら教育費は心配なし

毎月5万円で年間60万円。これにボーナスから60万円を加えて、合計120万円の貯蓄。ご主人の定年退職が60歳として、今後25年間で3000万円貯蓄できることになります。加えて、現在の貯蓄550万円、満期学資金額が不明ですが、それも貯蓄としてカウントできます。
ここから2人のお子さんの教育費をまかなうわけですが、大学まで国公立とすれば、1人1000万円、2人で2000万円です。つまり、ご主人が定年退職のときには、1550万円+学資保険分+退職金があれば退職金が老後資金として残ることになります。
この間、車の買い換えは2〜3回あるでしょう。その時の貯蓄残高次第ですが、できるだけ長く乗る前提であれば、問題ないでしょう。住宅ローンの返済も順調にいけば、ご主人が60歳のときに完済しますから、その後の生活費はコストダウンすることもできます。
大雑把に試算すると、このように教育費も老後資金も問題ないように思えます。
しかしながら、今一番の問題は、やはり、ともともさんの家計管理が甘いことにあるでしょう。1円単位で家計簿をつける必要はありませんが、使途不明金がないよう、毎月、ボーナスからの支出はしっかり管理するようにしましょう。
その際に、毎月の貯蓄額、ボーナスからの貯蓄額は給料から先取りで貯蓄してしまうのがポイントになります。貯蓄して残ったお金で生活する、と思えば、細かい管理をしなくてもすみます。
お子さんさんたちに不自由な思いをさせたくない、習い事をさせたいという気持ちがあるのであれば、限りある収入をどう有効に使うかは、ともともさん次第です。
大学も私立となれば、試算の金額よりも増えます。そのときになってあわてないよう、今から年間120万円の貯蓄を目標に頑張ってみてください。

相談者「ともとも」さんから寄せられた感想

相談する際に、漠然とお金がない、と焦りと不安でいっぱいでした。先生から「不明点が多く、まずは家計の流れをしっかり把握すること」とご指摘をいただき、反省すると共に目が覚めた思いです。
家計の流れが分からない、用途不明金が多すぎる、それではお金も一向に貯まりません。ずぼらで面倒くさがりですが、まずは毎月の収支から見直していきたいと思います。ありがとうございました。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。
取材・文:伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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