妻の扶養に入っている夫は、65歳から受給できる配偶者加給年金額はもらえないの?

2024年2月15日(木)18時30分 All About

老後生活の収入の柱になる「老齢年金」ですが、年金に関することは難しい用語も多く、不安になってしまう人もいるのでは? そんな年金初心者の疑問に専門家が回答します。今回は、妻の扶養に入った夫が65歳から加給年金をもらえるのかについて。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、妻の扶養に入った夫が65歳から加給年金をもらえるのかどうかについてです。

Q:妻の扶養に入っている夫は、加給年金がもらえない?

「夫は63歳。妻の私は7歳年下の56歳。夫を2年ほど前から私の扶養家族にしました。63歳から夫が特別支給の老齢厚生年金の受給が始まるということで手続きをしてきました。夫が65歳から加給年金をもらえるようですが妻の扶養家族になっていても加給年金はもらえるのでしょうか?」(匿名希望さん)

A:健康保険や年金制度上の「扶養」は、配偶者加給年金額が加算される要件と関係がありません。夫は加給年金額をもらえます

まず、税制や健康保険、年金制度上の「扶養」とは、配偶者加給年金額が加算される要件と関係がありませんので、前提として覚えておいてください。
配偶者加給年金額とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が65歳になり、老齢厚生年金がもらえるようになった時点で、生計を維持している年下の配偶者がいるときに加算されます。
配偶者加給年金額が加算される配偶者とは、加給年金をもらう人(厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人。相談のケースでは夫)が65歳時点で、配偶者の年齢が65歳未満であること、生計を維持されているという要件があります。
生計を維持されているとは、「生計を維持している本人」と同居(または、別居の場合でも仕送りされている)、かつ前年の年収が850万円(または所得655万5000円)未満であることが要件です。
したがって相談者と夫が同居していて、前年の年収が850万円未満であれば、夫が65歳になると、夫の厚生年金に配偶者加給年金額が加算されます。
なお、令和5年現在の配偶者加給年金額は、約39万7500円(加給年金額22万8700円+昭和18年4月2日以後生まれの特別加算額16万8800円)です。配偶者加給年金額は、配偶者(相談者)が65歳になるまで加算されます。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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