来年、還暦になります。60歳以降も派遣で働きますが、厚生年金保険料を払い続けるのでしょうか?

2024年3月9日(土)8時10分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、60歳以降も派遣で働く場合、厚生年金保険料は払い続けるのかについて、専門家が回答します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、60歳以降も派遣で働く場合、厚生年金保険料は払い続けるのかについてです。

Q:来年、還暦(60歳)の女性。60歳以降も派遣で働きますが、厚生年金保険料を払い続けるのでしょうか?

「来年、還暦(60歳)の女性です。国民年金は20歳から、厚生年金は50歳から加入で現在、60歳以降も派遣で、仕事は続けられます。60歳以降働き厚生年金保険料を払い続けるのか? その場合、厚生年金保険料は企業がまだ払ってくれるのか? 厚生年金をもらうのは、今のところ65歳あたりの予定ですが、それまでの働き方を悩んでいます。社保加入に入って長く働くほど、受け取り額は増えるのか?」(どんぐり)

A:派遣で厚生年金に加入して働いている場合、厚生年金保険料を払うことになりますが、会社が保険料を半分負担してくれます。厚生年金(社会保険)に加入する期間が長くなると、年金受給額が増えます

厚生年金は、70歳になるまで加入できます。厚生年金に加入している間は、厚生年金保険料を支払うことになります。
厚生年金保険料を支払うので、デメリットがあると思いがちですが、厚生年金保険料の半分は勤務先が負担してくれます。また、厚生年金の加入期間が長くなると、厚生年金加入期間とおおよその毎月の収入(総報酬月額相当額)に応じて増額された年金が一生涯支給されますので、安定した老後の生活に役立つことにもなります。
このように厚生年金に加入して働くことは、とてもメリットがあります。ですが、厚生年金保険料の負担が重荷になり、日々の生活が苦しくなるのであれば、厚生年金に加入しない働き方など検討する必要がありますので現在の生活状況等を考慮しましょう。
また、相談者は来年に還暦(60歳:昭和40年生まれ)になる女性とのことですが50歳から現在に至るまで、厚生年金に加入していますので、64歳から、特別支給の老齢厚生年金を受給できます。
ただし特別支給の老齢厚生年金と、おおよその給与収入(総報酬月額相当額)の合計が、支給停止額(48万円、2024年4月から50万円)を超えてしまうと、特別支給の老齢厚生年金が一部もしくは全額支給停止される可能性もありますので注意しましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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