江原啓之「きょうだいからの愚痴や文句への対処法。時には居留守、自分からも愚痴を言ってみる。身内でも腹六分の付き合い」

2024年3月18日(月)12時0分 婦人公論.jp


(イラスト◎大野舞)

スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第27回は「きょうだいからの愚痴や文句ばかりの電話に困っている」です。

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Q きょうだいからの愚痴や文句ばかりの電話に困っている

A)自分も助けてほしいときがあるので、付き合う

B)気が滅入るから、仲違いを覚悟でハッキリ断る

身内を理由に我慢するかしないか


幼い頃の思い出話や他愛のない話を気兼ねなくできる、きょうだいという存在はありがたいものです。けれど「うちの息子が」だの、「近所の人が」だの、「ここが痛い、つらい」だのと、愚痴や文句を延々と聞かされるのはたまったものではありません。しかも同じ話の繰り返しで、「この間も言ってたわよ」と指摘しても馬耳東風。「あらそう? でね……」と、そしらぬふりで続けられたら、うんざりするのもうなずけます。今回は、そんなきょうだいとの関係をどうするかというのがテーマ。きょうだいはいないという人も、身内にそんな人がいたらと想像しながらぜひお考えください

Aは「めんどくさいなぁ」と思いつつも、我慢して付き合うというもの。「親も亡くなったし、身内と言えるのはきょうだいだけ。ちょっとした相談をしたり、助けてもらえたりすることもあるし、愚痴くらいお互い様で聞いてあげるべきよね」という気持ちです。

一方のBは、「そういつもネガティブな話を聞かされては気が滅入るわ。きょうだいだからと言って、これ以上我慢する必要はないんじゃないかしら」と、最悪、縁が切れてもしかたないと覚悟のうえ、「愚痴や文句の電話なら、もう連絡してこないで」とハッキリ告げるパターンです。

電話の対処法を身につけて


私が考える幸せぐせはA。ただし、場合によってはBもありうる

というのが答えです。Aには、きょうだいへの親しみや優しさなど広い意味での大我な気持ちが感じられます。損得だけを考えれば、Bという選択肢もあるでしょうけれど、愚痴や文句を言ってくる程度のことで決別するのはあまりにも性急すぎます。そんな人間関係も人生の修行のうちと考えたいところです。

とはいえ、自らの生活を脅かされるほどの迷惑を被っているなら話は別。例えば、いつも最後にはお金を無心してくるとか、夜中や仕事中など、こちらの生活や都合を考えずに電話してくるのは困ります。このように身内であっても、許せる限度を超えているならば、自らの暮らしを守るために断ってかまいません。


(イラスト◎大野舞)

●身内でも腹六分の付き合い

たとえ断らなくても、「いつも愚痴を聞かされるのは疲れる」という気持ちもわかります。そこで、愚痴ばかりの電話や長電話を回避する方法を伝授しましょう。

(1)何回かに1回は居留守を使う

固定電話でも携帯電話でも、登録しておくと相手の名前が表示されますし、詐欺電話を避けるため、固定電話は留守番電話にしておくことが推奨されています。それを使って、きょうだいからの電話だとわかったら、3回に1回くらいは居留守を使いましょう。同じ相手からの電話も毎回出なくていいのです。

(2)忙しいふりをする

居留守を使うと、「この間、電話したのにいなかったじゃない」などと言われるかもしれません。そこで「ごめんね。最近忙しいのよ。これから○○に行かなくちゃいけないし、ホント慌ただしくて」「今日もお客さんが来るから」などと、多忙であることを強調しましょう。もちろん実際には暇でも、外出や来客の予定がなくてもかまいません。(1)も(2)も、「嘘も方便」です。相手を傷つけたくないという動機からつく嘘は、だますための嘘とは違います。電話に出て話に付き合ってあげたいけれど、毎回では自分が疲れて関係まで悪化しそう。だから相手を傷つけない断り方を工夫し方便を使う。それは相手を思いやる大我の愛と言えなくもありません。

(3)聞きながら別のことをする

人の愚痴を聞いて疲れるのは、アドバイスしようと考えてしまうからです。相手はあくまでも愚痴を言いたい、文句を言いたいだけ。ようは話を聞いてほしいのです。うっかりアドバイスなんてしたら、「そんなことはわかってる。でもね……」とか、「それは違う。だってさ……」などと、話が堂々巡りするだけ。聞き流すというと聞こえが悪いですが、真剣になりすぎず余裕を持って付き合う姿勢が大事。さじ加減が難しいという人は、電話のスピーカーフォン機能を使い受話器は置いて、相手の声を聞きつつ自分は別のことをするといいでしょう。こちらの様子は見えませんから、編み物でも洗い物でもすればいいのです。「へ〜」「あらまぁ」といった合いの手を入れ、ときどきは「えーっ、それは大変ね !」などと大げさに共感してあげるといいでしょう。

(4)自分の愚痴で話を終わらせる

自分の話を聞いてほしい人はたいていの場合、相手の話は聞きたくないもの。こちらが「わかるわ〜、私もこの間こんなことがあってね」と話し出すと、相手は「その話はまた今度ね」などと急いで電話を切ったりします。そうなればラッキー、しめたものです。

人間関係は腹六分ぐらいがうまくいきます。こうしたテクニックを上手に使いながら大人の余裕を持って、ほどよい付き合い方をしましょう。

前回「夫が保存していた昔の恋人の手紙を発見。問い詰める?見なかったことにする?〈幸せぐせ〉はどちらか」はこちら

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