最強のビャンビャン麺はこれ! 神保町『秦唐記』で西安のソウルフード「ヨウポー麺」を食べてきた

2020年3月20日(金)12時0分 食楽web


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 近年、四川の「汁なし担担麺」や蘭州の「牛肉麺」など、中国の本場の麺料理が日本に続々と上陸しています。そして今、最注目の“第3の麺”が、中国・西安の「ヨウポー麺」です。いったいどんな麺なのか、本場の味が食べられると噂の『西安麺荘 秦唐記 神保町店』に行ってきました。


2020年2月10日にオープンした神保町店。2018年9月にオープンした茅場町店もあります

 看板メニューは、西安三大定番の汁なし麺「ヨウポー麺」「トマト麺」「ジャージャン麺」(各850円)の3つで、この全部を載せた「全盛り麺」(1050円)というのもあります。お店の方に聞くと、やはり一番人気は「ヨウポー麺」だそうです。

 中国語で書くと「油溌面」。これは、“油が飛び散る”という意味を表すそうで、酢、塩、醤油などの調味料と茹でた麺を皿に入れ、そこに刻んだ野菜や肉、唐辛子、花椒、ネギをのせて、最後に高温の油をジューッとかけるのがならわし。その様子が料理名になったそうです。

いざこだわりのビャンビャン麺を実食


こちらは「全盛り麺」1050円

 この西安の汁なし麺の最大の特徴は、専門の職人が包丁を使わず手だけで生地を麺にしていく製法です。最近、やたらと画数の多い漢字表記で話題になっている「ビャンビャン麺」とはこの製法のことで、両手を器用に使い、あっという間に麺にしてしまいます。現地では、「ビャンビャン麺」といえば3〜4cmの太い麺を言いますが、この店ではそれを「ベルト麺」と言い、1〜1.5cmの幅広麺を「ビャンビャン麺」と称しています。そのほか、ニラの葉程度の5〜6mmの麺やさらに2〜3mmの細麺もあり、どれをチョイスしてもOK。ちなみ、注文が入ってから職人が麺を打ってくれます。


画数が多いことで有名な“ビャン”という漢字

 今回、筆者は、「ヨウポー麺」の“幅広麺”を注文してみました。ちなみに辛さも3段階からセレクトできるほか、通常は210gの麺量も大盛り(+150円)、少なめ(−150円)を選べます。そして日本のつけ麺のように、冷や盛り、熱盛りもお願いできます。

 待つこと4〜5分で、まず登場したのは、茹で汁が入った茶碗。


茹で汁にはデンプンに含まれる酵素が溶け出しており、これが体の消化器への負担を和らげ、さらにビタミンB群も豊富に含まれているそう

 お店のスタッフの方の説明によると、「西安周辺の地域では、麺の茹で汁が消化を助けてくれるので、一緒に食すという“原湯化原食”の習慣があり、当店でも汁なし麺を食べながらこの茹で汁を飲んでくださいとお伝えしています」とのこと。蕎麦湯のような感じですね。

 そしてすぐに「ヨウポー麺」も登場しました。よくかき混ぜて食べてくださいというので、箸で麺を持ち上げるようにしてかき混ぜます。下にはタレが入っており、それをワッシワッシと混ぜ合わせるのですが、麺が案外、重たくて、力がいります。


1〜1.5cmの幅広麺は、意外と重量があり、麺量も210gと多めです

 そしてズズッと啜ってみると…うっ、旨い。例えるなら、脳天を直撃するような美味しさなんです。酸味と辛味、しびれ味が飛び抜けて感じますが、噛み締めれば甘味、塩味、苦味なども援護射撃してきて、総攻撃を食うごとく、深い旨味が直撃してくるのです。

 そしてビャンビャン麺の、手作りならではのやや不統一な部分がある麺の厚みや、麺のビロビロとしたうねりと、タレとの絡み具合がたまらなくいい。キャベツなどの茹で野菜の食感や細切りチャーシューの甘み。全てがパーフェクト。個人的には、四川の汁なし坦々麺や蘭州の牛肉麺を食べた時よりも「ヨウポー麺」の美味しさの衝撃がはるか上だと思いました。これは、絶対、食べて欲しい。

 ちなみに、こちらの店では汁ありの湯麺の牛肉麺やホルモン麺なども色々あり、それぞれ麺の種類を選ぶことができます。さらに週替わり麺なんてのもあって、これは、西安現地の知られざる麺が週ごとに登場。これもマニアに人気だそうです。あれもこれも食べてみたい。でも、やっぱりまた「ヨウポー麺」を食べちゃうんだろうなぁ、と思うほど、忘れられない味。次は、現地同様のベルト麺で食べてみたいと思います。皆さんもぜひ試してみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:泰唐記 神保町店

住:東京都千代田区神田神保町3-2-5
TEL:03-6256-9787
営:11:00〜15:00、17:00〜23:00
休:無休

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