朝倉未来vs.平本蓮、勝敗を分けるポイントはここだ! 7・28『超RIZIN.3』─。

2024年3月22日(金)7時30分 マイナビニュース

ファン待望の「朝倉未来(JTT)vs.平本蓮(剛毅會)」が遂に実現する。その舞台は、7・28さいたまスーパーアリーナ『超(スーパー)RIZIN.3』─。
これまでSNSで激しく煽り合ってきた人気ファイター同士の対決には多大な注目が集まっている。勝つのはどっちだ? 勝敗を分けるポイントとは?
○■六本木で言いたい放題の平本
「別に何も感じなかった。彼はネット陰キャ君なので言わせておけば良い。いままで一番強い姿を見せて圧勝する。(平本に)モノが違うことを教えたい」(朝倉未来)
「コイツ(朝倉)をぶっ飛ばしたら面白いと思って。全部、俺の発想から始まったストーリー。俺がぶっ飛ばしてリング上で朝倉未来の功績を『全部いただきます』って言いたいですね」(平本蓮)
3月16日、東京・六本木ヒルズアリーナでの対戦発表記者会見の直後に両者は、そうコメントしている。
多くのファンが見守る中での公開記者会見で相手を煽ったのは平本だった。
まず冒頭で、こう言った。
「僕がずっと望んでいた試合、目標にしていた試合でもある。朝倉未来は唯一無二の存在、自分に刺激を与えてくれ凄く感動した、憧れ、尊敬…そんなものあるわけねぇだろ! バーカ!
ケラモフに負けてYA-MANに倒されて凄くいじけているので、俺がトドメを刺してやる。ボコボコにします!」
さらにメデイアから「なぜ、この試合のオファーを受けたのか?」と聞かれた朝倉が「直近の試合で負けたりして…」と話し始めたところで口を挟む。
「(朝倉が)YA-MANにぶっ飛ばされたから決まりました。そんなの聞かなくたってわかるじゃないですか!」
さらに無茶ぶり。
「榊原社長、この試合に何かベルトを賭けてくれませんか。それで負けた方がベルトを巻くというのはどうでしょう。タイトルを獲れない朝倉に、最後はベルトを巻かせてあげたいんで」
言いたい放題だった。
○■朝倉は強靭なメンタルを取り戻せるか?
それにしても不思議な現象である。
朝倉、平本はともに現在、RIZINフェザー級戦線のトップではない。
連敗中の朝倉と、MMA戦績3勝3敗の平本。
4月29日、東京・有明アリーナ『RIZIN.46』ではフェザー級タイトルマッチ、鈴木千裕(王者/クロスポイント吉祥寺)vs.金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)が行なわれ、こちらが同階級の頂上決戦。朝倉に完勝したヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)を破り王者となった鈴木と、朝倉を絞め落としたクレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)に完勝しタイトル挑戦権を得た金原のマッチアップだ。
にもかかわらず、朝倉vs.平本の方がタイトルマッチよりも注目を集めている。
これは、朝倉と平本がSNSでの挑発合戦をスタートに作り上げたストーリーが実を結んだもの。ドラマ性は十分でファンの興味を引くのも分かるが、RIZINのリングが実力至上主義になり切れていない証でもある。
鈴木と金原は、その辺りに複雑な思いを抱いているのではないか。
「トップの闘いとは、こういうものだ! 朝倉や平本にはできないだろう」
二人には、そう胸を張って叫べてファンを唸らせる闘いで魅せてもらいたい。
さて、朝倉vs.平本だが勝つのはどっちか?
MMAでの実績、総合力を比較すれば朝倉優位は明らかだ。それでも戦前の予想は互角である。理由は、このところ闘いに対するモチベーションを朝倉が保てていないように見えるからだろう。対して平本は成長段階にあり上積みが見込める。「追われる朝倉」と「追う平本」の図式が出来上がっているのだ。
勝負のポイントは、これから4カ月余りで朝倉がフィジカル、メンタル両面でコンディションを整えられるか否かだ。
RIZIN参戦当初のようなアグレッシブなファイトができる状態に持っていければ、朝倉が勝つ可能性が極めて高い。だが、それができずYA-MAN(TARGET SHIBUYA)とキックボクシングルールで闘った時同様の中途半端な状態でリングに上がったなら、平本の打撃の餌食になるように思う。
この試合のカギを握るのは朝倉の出来、と見る。
なお7・28『超RIZIN.3』は、さいたまスーパーアリーナのスタジアム・バージョン(4万人以上収容)開催。これまでRIZINは同会場で24大会を開いてきたが、それらはすべてアリーナ・バージョン(約2万人収容)だった。
スタジアム・バージョンでの格闘技イベントは、魔裟斗の引退試合、吉田秀彦vs.石井慧が行われた2009年大晦日『Dynamite!!〜勇気の力〜』以来14年半ぶりとなる。
真夏の大一番、大観衆の前で「路上の伝説」と「稀代のトリックスター」は何を見せてくれるのか─。
▼【RIZIN】平本蓮、朝倉未来の代わりに質問に回答「YA-MANにぶっ飛ばされたからですよ」試合が決まった経緯(?)を説明『超RIZIN.3 超緊急記者会見』
文/近藤隆夫
近藤隆夫 こんどうたかお 1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等でコメンテイターとしても活躍中。『プロレスが死んだ日。〜ヒクソン・グレイシーvs.高田延彦20年目の真実〜』(集英社インターナショナル)『グレイシー一族の真実 〜すべては敬愛するエリオのために〜』(文藝春秋)『情熱のサイドスロー 〜小林繁物語〜』(竹書房)『ジャッキー・ロビンソン 〜人種差別をのりこえたメジャーリーガー〜』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。
『伝説のオリンピックランナー〝いだてん〟金栗四三』(汐文社)
『プロレスが死んだ日 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実』(集英社インターナショナル) この著者の記事一覧はこちら

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