未確認生物「ビッグフット」の正体をめぐる5つの有力な仮説! 失われた人類、ギガントピテクス、異次元の存在…

2023年3月24日(金)11時46分 tocana

 最も有名な類人猿UMA※1であるビッグフット※2が広く注目を集めるようになって70年近くになるといわれているが、その存在については今なお熱い議論が繰り広げられている。議論を整理するために先日の「Daily Mail」の記事ではひとまず現時点で最も説得力を持つと思われる5つの理論を解説している。


※1 UMA(ユーマ、Unindentified Mysterious Animal)とは未確認生物を意味する和製英語。未確認生物とは何世紀にもわたって語り継がれてきた物語や伝説に登場したり、また、今日でも目撃例があるが実在が確認されていない生物のことだとされている。物語、伝説、噂話などで語られる生物であるため、科学的な対象ではなく、“オカルト”に分類される。英語圏で、未確認生物はCryptid(クリプティッド)と呼ばれ、これを研究する学問はCryptozoology(クリプトズーロジー、暗号生物学)と呼ばれるのが一般的。


※2 ビッグフットとは森の中を歩き回る大きくて毛むくじゃらの大型類人猿のような未確認生物。一般的に身長2〜3m、体重200〜350kgの巨体で怪力、直立二足歩行をしているとされ、カナダやアメリカの民間伝承では「サスカッチ」とも呼ばれる。その姿は大型化したゴリラやチンパンジーのようにも見える。これによく似た未確認生物にヒマラヤの「イエティ」、オーストラリアの「ヨウィー」、そしてシベリアの「チュチュニア」などが報告されているが、それぞれの関係性は不明。


1.
ビッグフットは失われたヒト種族

 10年前、米テキサスの獣医師、メルバ・ケッチャム氏は5年間に及ぶ独自のビッグフットDNA研究から、ビッグフットは未知の霊長類のオスと人間の女性のハイブリッドであると主張して話題を呼んだ。


 ケッチャム氏とその同僚は、北米中の30以上の場所から集められたビッグフットの毛髪、血液、粘液、足の爪、樹皮の擦り傷、唾液、皮膚などの111のサンプルを5年間かけて収集して、そのDNAを詳しく検査した。分析の結果、ビッグフットは約1万5000年前に人間と交配して誕生した種であるとの結論に達したのである。


 学術誌「DeNovo Scientific Journal」に掲載された研究論文によると、ビッグフットのミトコンドリアDNAは明らかに人間のものであったのだが、核DNA(nDNA)は新しい構造と配列を持っていることが示されたという。このデータはビッグフットが現生人類の直接の母系子孫であることの決定的な証拠になるというのである。そしてケッチャム氏はビッグフットを「先住民」として扱い、保護すべき対象であると説明している。


 しかし一部の専門家からは、それらのサンプルの信ぴょう性に疑問を呈し、さらに掲載された学術誌はきわめてマイナーなものであり、査読を受けていない研究論文であることも指摘された。


 人類とビッグフットは兄弟の関係にあると結論づけられた5年の歳月をかけた魅力的な研究ではあるのだが、疑惑は晴れないままである。



2.
ビッグフットは氷河期に北米に渡ったギガントピテクス

 かつてアジアに生息していた身長3メートルの史上最大の霊長類「ギガントピテクス」は10万年前に絶滅したとされているが、一部の専門家からはギガントピテクスは絶滅を回避するために氷河期に北アメリカに渡った可能性が指摘されている。


 ギガントピテクスは現在の中国、インド、ベトナムに生息し、現生人類と同じ時間枠と場所を共有していた。そして現在は場所を北米大陸に移して命を繋いでいるというのである。


 現生人類にきわめて近い種とも思われていたのだが、研究によりギガントピテクスはヒトよりもオランウータンに近縁にあることがわかっている。


 目撃例や言い伝えによればビッグフットは迅速で機敏な二足歩行のUMAであり、のろのろした四足歩行の獣ではない。しかしもしオランウータンに近い種であればその動きには当てはまらないことになる。


 ギガントピテクス説もなかなか興味深い仮説ではあるのだが、実際的に根拠のある理論とは言えないのかもしれない。


3.
ビッグフットは最低2000頭いる

 北米の森林地帯に身を隠すようにして暮らしているとされているビッグフットだけに、森の中の孤独な野人というイメージが浸透しているだろう。


 しかしある人々に言わせれば、ビッグフットが北米中のほぼすべての州で目撃されていることを考え合わせると、北米には少なくとも2000のビッグフットが存在するということだ。


 カリフォルニア州からワシントン州、ユタ州からミシシッピ州まで、何千人もの人々がビッグフットを目撃したと主張している。これからもその数は増えていくことは間違いない。


 種が健全に存続するためには、近親交配や遺伝的多様性の低下を回避するのに十分な数の個体群が必要であり、そうでなければ単純に絶滅に瀕してしまう。現在でもビッグフットが種として繁栄しているとすれば、少なくとも2000頭はいると想定するのは確かに真っ当な考えのように思える。


4.
ビッグフットはアメリカ先住民の自然の精霊

 ビッグフットと呼ばれる以前から、「毛むくじゃらの男」を意味する森の存在は多くのアメリカ先住民族の間で語り継がれており、その呼び名は50を超えるともいわれている。そしてその多くの伝承でビッグフットは超自然的でスピリチュアルな存在として語られているのだ。


 ビッグフットが自然の精霊に変身するのを見たと主張する部族もあれば、ビッグフットには超能力があると信じている部族もある。



 またビッグフットが見える人と見えない人がいることも示唆されている。さらにビッグフットはある種の別次元の存在であり、この世界では見える時もあれば見えない時もあるという説明もあるようだ。


 それとは別にブリティッシュコロンビア州の先住民族は何世紀にもわたって、土地と人々を守るサスケッツ(sasq’ets)、あるいは変幻妖怪(シェイプシフター)についての歌や物語を伝えている。


 ビッグフットの別名である「サスカッチ」はサスケッツの英語表記であり、この地域の人々の上流の方言で「毛むくじゃらの男」を意味している。人々の間ではサスカッチを見ることは祝福であり、幸運の兆しであるという。


5.
ビッグフットは存在しない!?

 退屈でがっかりさせることではあるが、ビッグフットは存在しないという説も実は説得力のある理論である。出回っている画像や映像、証言はすべからく捏造であるというのだ。


 ビッグフットをとらえた映像として有名な「パターソン・ギムリン・フィルム」は、1967年にロジャー・パターソンとロバート・ギムリンの2人がカリフォルニア州・ブラフ・クリークで撮影した映像である。



 ビッグフットのファンはこのフィルムがこのUMAの存在を示す最良の証拠だと主張しているが、科学界ではこれは着ぐるみを着た人物であるとしておおむね否定している。


 しかし一部の専門家は、この映像は人間ではなく類人猿によく見られる足の中央の屈曲と、着ぐるみ着た人間には不可能なつま先の上方向への動きが見られると主張している。


 したがって今のところビッグフットの存在は依然として論争の的ととなっている。ビッグフットが実在すると確信している人々もいれば、すべてはでっち上げられた捏造であると断言する人々もいる。この伝説の真偽については、次に登場する説得力を持つ説明を待つだけの状況であることに変わりはない。


 UMAの代名詞ともいえるビッグフットだが、今後新たな展開を見せることがあるのか引き続き注目していきたい。


参考:「Daily Mail」ほか

tocana

「ビッグフット」をもっと詳しく

「ビッグフット」のニュース

「ビッグフット」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ