半世紀信じられてきたUMA「ビッグフット」の足跡が偽物… “犯人”は十分に満足

2023年9月7日(木)11時15分 tocana


 UMA(※1)やUFO(※2)に関する報告は誤認やイタズラやフェイクがつきものだ。だが、中には長い間本物と考えられ、多くの人を騙し続けたものも存在している。


 1970年代のある日、アラバマ州ブラントリーの町にて森の中で多数の巨大な足跡が見つかった。成人男性の足より大きなその足跡はビッグフット(※3)のものに間違いないと話題になり、警察が特別に訓練された犬を連れて捜索に出動するほどの騒ぎとなった。


 ある男性——ジミー・マギンティ氏もビッグフットの足跡を発見した人物だ。当時はまだ子供だった彼は、川のそばで足跡を目撃したとき「絶対に見間違いや気の迷いではない」と思ったと語る。マギンティ氏のように、当時の足跡騒動を覚えていたり、衝撃を受けた人は少なくなかったようだ。


 この足跡騒動は長くこの地域で起きたビッグフットの事例とされてきた。だが、2017年にある人物が告白したことにより、事態は大きく動くこととなった。


 端的にいえば、この足跡騒動はユージン・ヘンドリックという男性の他愛ないイタズラが発端だった。彼は「単なる思いつき」で当時アメリカ各地で話題になっていたビッグフットを題材にしたイタズラをしようとした。


「大きな人形の足を切って靴をボルトで固定し、川のそばを歩き回って足跡をつけたんだ。木に爪痕もつけた」と、彼は張りぼての足型で足跡を残し、周囲にそれらしい痕跡をつけてあたかもビッグフットが町の近くを訪れているように見せかけたのだ。彼の目論見は成功し、町では大きな騒動が起きた。結果に十分満足した彼は「切り取った足と靴を片付け、秘密にしておくことにした」とヘンドリック氏は語る。


 彼がこのイタズラを告白したのは足跡発見から約50年後の2017年のことだった。彼の告白を聞いて、当時の出来事をまだ覚えている人々の中には、控えめに言っても大きなショックを受けていた人も多かったという。


 ヘンドリック氏の足跡がそれだけリアルだったのか、それとも当事のビッグフット騒動はそれだけ多くの人を魅了していたのか。


 いずれにせよ、今も昔も多くの人に衝撃を与えたイタズラだったことは間違いないと言えるだろう。


(※1) UMA(ユーマ、Unindentified Mysterious Animal)とは未確認生物を意味する和製英語。未確認生物とは何世紀にもわたって語り継がれてきた物語や伝説に登場したり、また、今日でも目撃例があるが実在が確認されていない生物のことだとされている。物語、伝説、噂話などで語られる生物であるため、科学的な対象ではなく、“オカルト”に分類される。英語圏で、未確認生物はCryptid(クリプティッド)と呼ばれ、これを研究する学問はCryptozoology(クリプトズーロジー、暗号生物学)と呼ばれるのが一般的。


(※2) UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。


(※3)ビッグフットとは森の中を歩き回る大きくて毛むくじゃらの大型類人猿のような未確認生物。一般的に身長2〜3m、体重200〜350kgの巨体で怪力、直立二足歩行をしているとされ、カナダやアメリカの民間伝承では「サスカッチ」とも呼ばれる。その姿は大型化したゴリラやチンパンジーのようにも見える。これによく似た未確認生物にヒマラヤの「イエティ」、オーストラリアの「ヨウィー」、そしてシベリアの「チュチュニア」などが報告されているが、それぞれの関係性は不明。


参考:「LADbible」


【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】


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