花王「アタック ZERO」が改良新発売 新アプローチでやっかいな“ニオイ悩み”を解決

2024年4月1日(月)9時16分 マイナビニュース

発売に先駆けて、3月18日に開催された新「アタック ZERO」の商品説明会では、その発売の背景などが紹介された。
近年の洗たくでの最大の悩みとなっている「衣類のニオイ」。洗たく後は「ニオイ」が取れたと感じても、濡れるとぶり返す「ニオイ戻り」が気になるという人が増えている。
花王は漂白剤・除菌洗剤、煮沸でも除去できない「ニオイ戻り」に着目。その原因である「バイオフィルム」の根本洗浄と、“無菌レベルの消臭力”を実現した、衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO」シリーズを4月6日より改良新発売する。
発売に先駆けて、3月18日に開催された新「アタック ZERO」の商品説明会では、その発売の背景などが紹介された。
○諦めていたニオイ悩みを根本解決
1987年の発売以来、多くの生活者に愛用されてきた衣料用洗剤「アタック」。「ZERO」はそのフラッグシップとして2019年に発売され、片手で簡単に洗剤を計量・投入できるワンハンドタイプや、少ない水で洗うドラム式専用商品などをラインナップしてきた。昨夏に発売された「パーフェクトスティック」では今月、部屋干しタイプを新たに追加発売している。
本発表会で花王ファブリックケア事業部ブランドマネジャー 水町直樹氏は、新「アタックZERO」の発売背景として、ニオイ不満に繋がりやすい今どきの洗たく実態について紹介した。
「ラク家事志向・節約志向により、まとめ洗いの増加と洗濯回数の減少傾向が進み、共働きの世帯では部屋干し率は8割、常時部屋干し率も33%と増加傾向です。しかし、大量の洗たく物をまとめて洗い、限られたスペースでの部屋干しは洗たく物が乾きにくく、生乾きのニオイが発生しやすいため、過酷な洗たく環境と言えます。洗濯槽に放置せずなるべくすぐに干したり、抗菌・除菌洗剤、漂白剤を使ってニオイ菌対策を施したり、柔軟剤で香り付けをしたりしても、約半数の方はニオイ対策が不十分だと感じている実態もあります」
生活者で最も多いニオイ悩みは、洗った直後はニオイがしないのに、使っている間にニオイがぶり返すタオル類の「ニオイ戻り」だ。
花王は2022年に繊維の中で菌は単独で存在するのではなく、菌の複合体であるバイオフィルムの状態で存在し、汚れを引き寄せていることを世界で初めて発見。一般家庭で使われているタオルを回収して実験を実施したところ、洗っても落ちないニオイやニオイ戻りには、「バイオフィルム」の残量と相関があることを確認した。
「詰め込み洗いをすればするほど洗浄力は低下し、菌の餌になる汚れがタオルに残り続けます。また、天日干しと比べて乾きにくい部屋干し環境下では、バイオフィルムが大幅に増殖します。今どきの洗たく環境がバイオフィルムの形成を促進する要因になっており、一度繊維の中に形成されたバイオフィルムは除菌・抗菌洗剤、漂白剤、煮沸処理などでも落とせず、ニオイ戻りなどの原因になっている。こうした実態を踏まえ、ニオイ菌を溜め込むバイオフィルム内部に浸透作用し、根本洗浄する新技術を開発。4月6日に新発売する『アタックZERO』に搭載しました」
○新アプローチで強力なケミカルを使わない新技術を開発
ハウスホールド研究所・森川悟史氏は、繊維内部のバイオフィルムに対する新プローチについて説明した。
花王では菌とニオイにフォーカスし、実際にニオイ戻りがするタオルの詳細解析に着手。1枚のタオルを70〜150ほどのパーツに裁断し、微量のニオイ成分も高度に分析できる独自のScentEYE技術で、各部分のニオイ成分の量を測定したという。
「各サンプルを再び用いてバイオフィルム量も測定すると、ニオイ成分とバイオフィルムの相関を確認でき、バイオフィルムの多い部分ほどニオイ戻りが発生することを発見しました。繊維中のバイオフィルムは付着した菌がもとになって形成が進み、時間とともに肥大化・難除去化します。バイオフィルムはEPSと呼ばれる多糖成分を主体とする粘着性物質で、その内部にニオイ菌を含むさまざまな菌が存在し、菌により産生されたバイオフィルムは菌を覆うバリア機能としてはたらく。そのため、除菌洗剤や漂白剤の効果がほとんど発現しなくなってしまい、天日干しの紫外線や乾燥機の熱、煮沸処理でもバイオフィルムは落とせません」
しかも、バイオフィルムは粘着性があるため汚れやニオイ菌などの吸着を促進し、ニオイ戻りが発生しやすい大きな原因にもなる。バイオフィルム除去の代表的な既存技術には、次亜塩素酸で化学分解する方法などがあるが、衣類へのダメージも大きく、毎日の衣料用洗剤に搭載して十分な効果を得ることは容易ではないそうだ。
「種々検討を重ねていくなか、繊維内部のバイオフィルムは乾燥を繰り返すことで構成主成分の多糖・EPSが強固な結晶構造を形成し、時間とともに肥大化・難除去化することが示唆されました。この本質理解から導き出したアプローチで研究開発を進めた結果、新規成分によってEPSの結晶構造を緩め、そこに独自の洗浄基剤『バイオIOS』をバイオフィルム内部まで浸透させることに成功しました」
新「アタックZERO」ではたった1回の洗濯で、繊維内部の肥大化したバイオフィルムの洗浄除去することが可能に。従来の汚れや菌だけでなく、バイオフィルムの除去性能が格段に向上した結果、無菌レベルの消臭力を実現した。
ワンハンドプッシュタイプの新「アタックZERO」の価格はオープン価格。参考価格・想定価格はそれぞれ税込650円前後となっている。
伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら

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