脱ぎ履きが“秒”で叶う!品と楽を兼ね備える大人のレザースリッポンスニーカー5選

2024年4月5日(金)8時0分 JBpress

今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 費やしたコストに対する効果と満足度を意味し、幅広く使われている“コスパ(コストパフォーマンス)”。この概念は今や社会的にも重要視されるものとなり、Z世代の間ではさらに一歩進んだ“タイパ(タイムパフォーマンス)”という概念が新常識に。当然ご存知のことだろうが、こちらは費やした時間に対して用いられる。要は限られた時間内にどれだけの効果・満足度を得られるか。「なんとも即物的な時代になったものだ」と言いたくもなるが、案外このタイパを意識したアイテムに我々は慣れ親しんでいたりもする。

 今回のテーマである“スリッポン”なんてまさにそう。履き方は実にシンプルだ。シューレースを結ぶ・ほどく手間なく、ただシューズに足をすべり込ませる(SLIP-ON=スリップオン)のみ。このイージーに脱ぎ履きができるという気安さを武器に、タイパにうるさいZ世代のみならず幅広い世代の心をつかんでいる。しかしその一方では、気安さに由来するリラックスムードが足枷となって、活躍の場面が限られるなんてことも。

 ゆえに本稿では汎用性を意識し、大人の着こなしとそれが求められるシーンにも対応してくれる“レザー素材”のモデルに焦点を当てる。選考基準は品と楽を兼備するか。その答えをここに集めた。

1. Hender Scheme「klein」


華美な装飾とリラックスした履き心地による絶妙なバランス

 革靴や革小物などを得意とするエンダースキーマ。同ブランドといえば、スニーカー史に残る名作モデルをヌメ革で製作したオマージュシリーズが著名だが、それ以外にも佳作の多いこと。ここで紹介するのは、カウレザー製アッパーのツマ先にメダリオンとタッセルキルトの装飾をあしらい、上品に仕上げられた今季の新作。

 透明感のある生ゴムを焼いて製作したカップインソールを採用し、ライニングには足馴染みの良いピッグレザーを。リラックスした履き心地なのにドレッシーな顔立ちで、大人の足元を支える。ソールとややアンバランスなアッパーの組み合わせによる妙味の秘密は、フォルムやマテリアルの選択による絶妙なチューニング。これによって既視感があるようで実はない、ユニークな一足が完成した。

2. YOAK「LILY SMOOTH」


雪花石膏の彫像を想起させる、美しくなめらかな純白の造形美

 クリエイティブから生産までを日本国内で行なう信頼のジャパンメイド。“モノ”好きな大人たちの琴線に触れるプロダクトを作り続けるヨークから、美しくなめらかな造形美が楽しめる定番作をピックアップ。雪花石膏を思わせる純白のしなやかなカウレザー製アッパーは、同色のパイピングレザーをあしらうことで立体感のある表情を演出。さらにソールにとどまらず、ライニングとインソールまでも白で統一。春先の着こなしをさらに軽やかなものへと変える。

 次に目を向けたいのが内装部だ。つま先まで柔らかなピッグレザーを贅沢に用いることで、足全体を包み込む心地良いフィッティングを実現。これに加えてインソールには低反発メモリーフォームが仕込まれており、ワンランク上の履き心地を味わうことが叶う。

3. PEDALA「RIDEWALK CONNECT」


軽さとクッション性の両軸で足元から日常生活を快適に変える

 序文でも述べた選択基準が“品と楽の兼備”。これをクリアする3足目との邂逅は思いがけぬ角度から。国産スポーツブランドの雄、アシックスのウォーキングラインの中でも、素足のごとき軽さと、長時間歩行でも足への負担が少ない優れたクッション性。この両方を特長として備えるペダラシリーズの一作「ペダラ ライドウォークコネクト」。

 何よりも見逃せないのが抜群の機能性だ。エネルギー消費を抑えながら歩行効率を高めるエナジーセービング機能と、ソール中央に縦に配置した溝で重心移動を安定させて、スムーズな歩行をサポートするガイダンスライン構造を採用。軽量高耐久の素材を使用したソールは、ヒール部に衝撃緩衝機能のゲルを搭載。これらの複合効果によって足元から日常生活を快適にする。

4. BARNEYS NEWYORK「PUNCHING SUEDE SLIP-ON」


コンビネーション使いした2種類のスウェード素材で魅せる

 上質を知る世界中のセレブリティから支持を集めるバーニーズ ニューヨークだけあって、オリジナルコレクションもまた、素材や縫製にこだわり、ベーシックな意匠にも程よくトレンドをひと挿ししたアイテムが揃う。既にデザインが完成されているスリッポンから題を取った本作においては、履き口からつま先に向かってスマートなラインを描く端正なフォルムに注目したい。

 本来であればカジュアルな印象が強いスリッポンも、スムース&パンチングという2種類のスウェード素材で構築された高級感のあるコンビネーションでアッパーを引き締め、気負わず履けるフラットなラバーソールとの硬軟のバランス感で魅せる1足に。まさに、春の着こなしを格上げする最善の一手となり得る大人のスリッポンと呼べよう。

5. HENDERSON「スリッポン HE3720211B」


ソフトでしなやかなスウェードの風合いを際立たす上品な佇まい

 ここまで紹介してきたどのモデルとも異なるのが、フラットではなく革靴に近いソール形状に他ならない。歩行性能を高めるラバー素材を用いながらもスポーティさは抑えられ、ソフトでしなやかなスウェードの風合いが際立つ上品な佇まいを獲得。著名メゾンブランドのOEMにも携わり、洒落者たちから評価を集めるイタリア発の実力派ブランド、ヘンダーソンが手掛けるだけあって、足馴染みが良く軽快な履き心地をもたらす上、リュクスなムードをも漂わせる。

 そしてミニマルな後ろ姿にさり気なくアクセントをもたらすのが、ヒール部分にあしらわれたステッチデザイン。表からは見えない部分ではあるが、高めに設計されたインソールでスタイルアップ効果が見込める点もありがたい。おまけにロゴ入りのシューホーンが付属する。

筆者:TOMMY

JBpress

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