若者の4人に1人が性暴力の被害に!?最初に被害を受けた年齢では小学生も15%に上る

2023年4月8日(土)17時0分 マイナビ子育て

他の犯罪被害と比べて、性暴力は明るみになりにくく、その実態が見えにくい面があります。特に親世代に気になるのが、未成年の被害ではないでしょうか。そこで、内閣府男女共同参画局が行った「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート」をもとに、実際に性暴力被害を受けた経験のある人の回答から、問題を考えてみましょう。

子どもや若者があっている性暴力被害とは

内閣府男女共同参画局では、性暴力により被害を受けた若年層の状況を把握し、施策を検討することを目的に、「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケートおよびヒヤリング調査」を実施。全国の16歳〜24歳を対象とし、性暴力被害の経験を持つ人を抽出するためのスクリーニング調査(有効回答数8,941人*)をしたうえで、本調査(有効回答数2,040人)を行っています。この調査を見ると、性暴力被害にあう年齢は幅広いことがわかりました。

——————–*内訳は次のとおり①1次配信分の回答6,224人②2次配信分の回答2,717人

性暴力被害のタイプを5つに分類

調査では性暴力被害を次のように5つに分類しています。

「性交を伴う性暴力」、性交までは行かない「身体接触を伴う性暴力」、接触などは無いが裸や性器などを見せられる「視覚による性暴力」、セクシャルハラスメントに類する「言葉による性暴力」、そして、ネットやスマホなどを用いた性的ないやがらせや無理な写真の強要などによる「情報ツールを用いた性暴力」です。

「性暴力」と聞くと、性交や接触行為を指す印象が強かったかもしれませんが、今回の調査ではセクシャルハラスメントのほか、インターネットを通じた性暴力も含まれており、「今」という時代が反映されています。

性暴力被害の分類と例示「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

性暴力被害の遭遇率は26.4%

では、どのくらいの人が性暴力に遭遇しているのでしょうか。一次スクリーニング調査での6,224人のうち、1,644人(26.4%)がいずれかの性暴力に遭遇したことがあると回答しています。これは、約4人に1人という割合です(※1)。

また、その中でも最も多かった性暴力被害は「言葉による性暴力被害」で17.8%、次いで「身体接触を伴う性暴力」が12.4%、「情報ツールを用いた性暴力」が9.7%という結果でした。

性暴力被害5分類への遭遇率(1次配信分、n=6,224:複数回答) 「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

※1 遭遇率に関しては、人口分布を考慮した1次配信分の結果(回答数6,224人)のみを活用。1次配信調査の回収率は2.28%のため、母集団の特性を反映する疫学的データとは言えない。これは、任意の回答者(=積極的に回答した人)の回答内容に基づいた結果で、疫学的遭遇率を示すものではないことを留意されたい。

最も深刻だったものは「言葉による性暴力」が4割弱

次に、スクリーニング調査で抽出された性暴力被害経験のある2,040人は、「最も深刻(※2)な/深刻だった性暴力被害(回答者本人が最も深刻と思っている被害)」について、どのように回答しているかを見てみます。

最も多かったのが「言葉による性暴力」で、38.8%でした。さらに「身体接触を伴う」が28.2%、「情報ツールを用いた性暴力」が16.3%と続いています。

※2 「最も深刻」の基準は回答者により異なるため、回答者が経験した性暴力被害及び主観的に深刻と捉えた性暴力被害であることに留意されたい。

最も深刻な/深刻だった性暴力被害の分類(n=2,040)「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

最も深刻な被害を受けた最初の年齢は高校生が3割強

続いて、最も深刻な/深刻だった性暴力被害を最初に受けた年齢の回答を見てみます。

結果は「16歳〜18歳(高校生)」が32.7%と最多でした。次いで「13歳〜15歳(中学生)」が24.0%、「7歳〜12歳」(小学生)」が15.7%。学校に通っている10代の頃に被害を受けるケースが多いようです。

また、「0歳〜6歳(未就学児)」という非常に幼い時に「最も深刻な/深刻だった性暴力被害」を受けた人も2.5%いることがわかりました。

最も深刻な/深刻だった性暴力被害に最初にあった年齢(n=2,040) 「若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書」より

まとめ

今回の調査結果から、小学生や中学生、高校生といった学生のときに深刻な性被害を受けている人が多いことがわかりました。また、小学校に上がる前に被害を受けたという人もゼロではありませんでした。また、性被害の形も、肉体的な被害を伴うものもあれば、言葉によるものや視覚的なものもあり、いずれも大きな傷を被害者に残します。特に昨今、SNSなどを通じた性被害があるということも肝に銘じる必要があるでしょう。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

■若年層の性暴力被害の実態に関するオンラインアンケート及びヒアリング結果 報告書調査対象:全国16歳〜24歳の(株)クロスマーケティング社「ネットリサーチ」にモニター登録している人−スクリーニング調査:1次配信分の有効回答数6,224人/2次配信分の有効回答数2,717人−本調査:有効回答数2,040人調査時期:2022年1月〜2月調査方法:オンラインアンケート

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