難化する医学部、偏差値20ポイント上昇も
2018年4月11日(水)9時15分 リセマム
親の時代とまったく違う医学部受験
次の表を参照してください。
これは1969年、1979年、2016年の医学部受験に関する表です。
ご覧のとおり、69年の医学部は国公立33、私立14の合計47大学で、定員は4,040人。
しかし、79年には合計79大学となって、47都道府県すべてに医学部ができたわけです。その段階で医学部の定員は4,220人も増え、10年前の約2倍の8,260人にまで増えました。
前述したように、この時期に医師数が大きく増えたことが、現在の医学部志願者増の一因となりました。
定員の上では、医学部の門は大きく広がったわけです。
では、難易度はどうなったのでしょうか。
まず、難易度の高い医学部から見てみましょう。
1985年と2017年で、東大理3の偏差値は70.0から72.5に、慶應義塾大学医学部は70.0から72.5に上昇しています。この年だけを比べればどちらも2.5ポイントの上昇です。
要するに、難易度が高い大学は昔も今も変わらず難しく、偏差値の上昇も特別大きなものではありません。
一方、難易度が低かった医学部はどうでしょうか。
同じく1985年と2017年の偏差値を比較してみましょう。
かつて難易度が低かった医学部ほど、難易度上昇は激しくなっています。ボーダーライン偏差値が20ポイント以上、上昇している大学もあります。
このように、現在、医学部受験において「誰でも入れる」というところは一つもなく、「滑り止め」という概念もありません。医学部受験生にとって、医学部以外の学部は早稲田、慶應も滑り止めなのです。
(※本記事内の情報は2016年6月時のものです)
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