診断の8割が決まる!? 問診で医師に伝えるべき「6つの情報」とは|家庭医療専門医解説

2023年4月19日(水)19時6分 マイナビ子育て

急な病気で受診するとき、誰しも多少なりとも焦りや緊張があるもの。特に子どもの体調不良ともなると、不安定な心理状態の中、保護者が責任を持って医療者と情報のやり取りをしなければなりません。今回は家庭医療専門医の鹿野耕太先生(鹿野クリニック院長)に、「医師に伝えること・聞いておくこと」について解説いただきました。

■今回の解決ドクター:鹿野 耕太 先生(鹿野クリニック院長/家庭医療専門医)

子どもの急な体調不良、問診では何を伝える?

—————————Q 問診の時、先生や看護師さんから聞かれて「あれ?どうだったっけ?」と思うことがあります。子どもの具合が悪くなった時、覚えておいた方がいいことはありますか?—————————

病院を受診する際、色々と聞かれても焦ってしまってうまく伝えられない……そういうことってありますよね。

特に医師が忙しそうにしていると余計に話せなくなってしまい、診察が終わってうまく伝えられなかった、話せなかった、と反省するという経験は誰しもあるのではないでしょうか。 「診断80%は問診でつく」と言われるほど、患者さんやご家族の話す情報は重要です。限られた診療の時間の中で、正しい診断にたどりつくため、的確に情報を伝えていただけると、我々医師は大変助かります。 では、医師が求めている情報とはどんなものでしょうか。主に以下のような情報は、ぜひ教えてください。

✅ 症状が始まった日(発症日)✅ 現在一番強い症状 ∟例:嘔吐・下痢・腹痛がある中で吐き気が一番辛い✅ 原因の心当たり ∟例:昨晩生ものを食べた、熱のある人と会った✅ ざっくりとした症状の変化 ∟例:だんだん悪くなっている、だんだん水分がとれなくなっている✅ 何をすると症状が強くなるか、逆に何をすると和らぐか ∟例:夜になると咳がひどくなる、涼しい部屋ではかゆみが和らぐ✅ これまでかかった大きな病気や手術 ∟例:他の病院に通院している、現在飲んでいるお薬、薬や食物のアレルギー

逆にあまりに細かすぎる情報、例えば毎日の体温の具体的な数字や、昔かかって今は治療していない病気についての詳細などは、問診の際には特に必要ない場合が多いでしょう。「熱が続いている」「昔〇〇という病気になったことがある」と大雑把に話してもらえれば、必要に応じて医師が詳しく質問できます。

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ついつい聞き漏れてしまう「受診時の確認事項」はどんなこと?

—————————Q 後になって「先生に聞いておけばよかった」「これって大丈夫かな」と思うことがよくあります。受診時の質問のポイントはありますか?—————————

病院に行ったときは、医師に聞いておいた方が良いこともあります。お薬について、療養の仕方について、など色々と質問したいことはあると思いますが、その中でも重要な質問は、✅ 今後の症状はどうなっていくのか✅ どうなったらまた病院に行った方がいいのかだと思います。なぜなら、病気は人それぞれであり、初診で100%正しい診断にたどりつくのは、どのような名医であっても困難だからです。

例えば、「今自分は胃腸炎だと思っているので、2,3日で良くなると思います。ただし、それを超えても症状が続く場合には、別の病気を考える必要があります。その際は再度受診してください」「明日までにここが痛くなる様でしたら盲腸(急性虫垂炎)が疑われるので、連絡してください」などと説明されるでしょう。 私のクリニックではWeb問診を導入しているので、事前に症状の経過や既往歴、アレルギー、飲んでいるお薬などの情報収集ができ、患者さんの診察や病状の説明、親御さんとの相談により時間を割けるようになりました。いざ医療機関に行くと上手に伝える自信がないという方は、お近くのクリニックがそういったシステムを導入しているかどうか調べてみてもいいでしょう。 最後に、診察を終えてから伝え忘れ・質問し忘れに気づいた時の奥の手があります。それは、帰宅する前に看護師さんに、「◯◯◯を先生に言い忘れたのですが、大丈夫ですか?」と伝えることです。それを看護師さんが医師に伝えてくれるので、その情報の内容に応じて診察や検査の追加、治療の変更などにつながる場合があります。モヤモヤを抱えたまま帰宅せず、声をかけてみてくださいね。

(文:鹿野 耕太 先生、協力:株式会社メディコレ、構成:マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

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