男の妄想食堂。鶏のからあげをカリッとジューシーに揚げる「秘密兵器」とは?

2019年4月21日(日)12時0分 食楽web


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私の勝手な妄想からオープンした『妄想食堂』。料理人でも料理研究家でもない私、尾仲好太が、これまで食べ歩いた店の味の中で「これが一番旨い」と思う“味の再現”を目指し、試行錯誤しながらアルバイト店員ユースケと今日も日替わり定食を作ります。

ユースケ:店長、また鶏の唐揚げ作ってるんすか?

主人:今日はただの唐揚げじゃないんだ。「山賊焼き」ってのを作っているんだ。

ユースケ:なんすかそれ?

主人:唐揚げにもいろいろなタイプがあってな。北海道では「ザンギ」、九州では「中津から揚げ」とか、ご当地唐揚げがあるが、今日作ろうとしているのは長野名物の唐揚げ「山賊焼き」なんだ。

ユースケ:ずいぶんワイルドな名前ですね。

主人:昔、長野で食べたことがあって、衣が絶品なんだよ。ニンニク醤油ダレが効いていて、香ばしさが際立つ唐揚げだった。でも、名前の由来は、考案した長野県塩尻市の店主が山賊のような風貌だったかららしい……。

ユースケ:一体どんな衣なんですか?

主人:たっぷりと衣が付いてるから、しつこそうに思うが、衣がカラッとサクッとしていて、口に入れると、ほろほろと崩れていくような食感。いざ作るとなると、なかなか難しい。

ユースケ:挑戦してみましょうよ。

主人:そもそも、でかい鶏肉を揚げて、柔らかくジューシーに仕上げるというだけでも難しいんだ。

ユースケ:わかってますって。前に油淋鶏作ったときのように、肉をフォークでぶすぶす刺すんですよね。

主人:いや、今日はこの「テンダライザー」を使おう。

ユースケ:なんすか、それ?

主人:「テンダライザー」は針状の刃が多数並んでいる調理器具だ。コレを肉に当てて、ガシンガシンと押すだけで肉のスジを繊細に切ルことができるんで、でかい肉でも柔らかく仕上げられる。

ユースケ:やらせてください!


テンダライザーで肉に穴を均一にあけていく

主人:次は、山賊焼の下味の漬けダレを作るぞ。決め手は衣にも伝わるくらいの強烈なニンニク醤油だれだ。ニンニクを手でしっかりすりおろして、醤油や他の調味料(みりん、酒、生姜、胡椒、ガラスープの素、片栗粉)と合わせ、鶏肉を投入してから1時間以上は漬け込んでなじませよう。

ユースケ:すごいニンニク臭ですね。

ユースケ:衣はどうしましょうか?

主人:ここが肝心だ。

ユースケ:カリッ、サクッ、ホロッですね。

主人:カリッとさせてくれるのは小麦粉(薄力粉)。そしてサクッ&ホロッとした食感を生むのが片栗粉。つまり、ダブル使いがいい。

ユースケ:なるほど。

主人:カリッとサクッの割合は小麦粉と片栗粉の割合で調節ができる。ただ、今回は、どちらも強調したいので、半々で使おう。そして、ここがポイントだ。よりニンニク醤油の香ばしさを強調したいので、細かいパン粉をほんの少し粉に混ぜておく。こうすると、より、ボリューミーで、香り高い山賊揚げに仕上がるって算段だ。

ユースケ:すごい裏技ですね!

主人:さ、揚げていくぞ。肉がでかいので、まずは160度に熱した油でじっくり5〜6分。そのあと、取り出して油を180度まで揚げて、1〜2分でカリサクに仕上げていく。

ユースケ:うわ〜、衣がついてさらにでっかくワイルドになりましたね。

主人:テンダライザーのおかげで、肉が柔らかくジューシーになっているはずだ。味見していいぞ。

ユースケ:店長〜!カリサクホロ感がすごいっす。

主人:衣を制するものは、揚げ物を制すると言っても過言じゃない。

ユースケ:次はとんかつですかね。しかし、最近、揚げ物ばかり食ってるから、俺も店長みたいに舌も体も肥えそうです。

主人:揚げ物はカラッと揚げたら太らないって誰か言ってたぞ。

ユースケ:それ、完全に妄想っす。

●妄想食堂の「山賊焼き」のレシピ

鳥もも肉2枚/下味(醤油3・みりん1・酒2・生姜2・ニンニク5片・胡椒適量・ガラスープの素大さじ1・片栗粉大さじ1)/衣用の粉(小麦粉と片栗粉5:5の割合、細かいパン粉を少々)

●プロフィール

尾仲好太(おなか・すいた)

『妄想食堂』の主人。知人からは超人の味覚、嗅覚、そして胃袋を持つと噂の一般人。旨い料理を食べる、作ることに日夜、妄想を抱き、実際に店を食べ歩き、家で再現する日々を送る。得意料理は、肉料理。

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