血縁より相性?息子の妻とは仲良しなのに、エリート意識が強い息子は「大嫌いなの」という義母

2024年4月25日(木)22時5分 All About

何をやってもうまくこなすエリート意識が強い夫。どうやら義母は息子のそういうところが大嫌いらしい。孫の面倒も嫁が困ったときにも、嫌味なく手を差し伸べてくれるやさしい義母ではあるが、この1点だけが譲れないようだ。

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義母との確執や、そこまでいかなくてもなんだか反りが合わずモヤモヤするという話が多い中、義母が自分の息子を嫌い、息子の妻のことは大好きだという家族がいる。人の相性というのは不思議なものなのかもしれない。

近距離別居の義母と夫の微妙な関係性

同い年の夫と、10歳と7歳の子どもたちと暮らしているユリカさん(40歳)。夫の母親は65歳で、今も週に4回、元気にパートで働いている。
「夫の実家は、私たちの自宅から歩いて10分くらい。同居してもいいんですが、義母が固辞しています。義父も元気ですが、義父は趣味人なので、義母と連れだってどこかに行くことはあまりないんです。ただ、夫婦仲はいいほうだと思う」
ユリカさん夫婦は友だちベースだから、お互いに言いたいことを言い合っている。これまた仲はいいほうだと思うと彼女は言う。ところが義母と夫、つまり母と息子の関係がよろしくないらしい。
「義母に言わせると、『あの子は大学生のころから急に偉そうになった。外面はいいけど、実際には気の小さな男でしょ。全然信用できない』そうです(笑)。もちろん、結婚した当初は、そんなことは言いませんでした。だけどだんだん時間が経つにつれ、義母は私を好きになってくれたみたいで。私自身も義母が大好きなんです」

実母と不仲でも、義母との相性は良好

ユリカさんは、自身の母とはあまりうまくいっていなかった。過干渉で結婚後もあれこれ口を挟んでくる実母がうっとうしくてたまらなかったそうだ。
「上の子が産まれたときも、母は予定日の1週間も前から上京してきて、あーだこーだとうるさかった。義母は生まれて半日くらいたってから来てくれて、『とにかくあなたがゆっくり休むのが一番よ』と母を連れ帰ってくれたんです。あれは助かりました」
退院後も義母は、ときおり「いつでも行くからね」というメッセージを送ってくるだけで、急に訪ねてきたりはしなかった。ユリカさんが「お義母さん、私、パニック」と送ったときはすぐに駆けつけてくれ、赤ちゃんの世話から家事炊事まで、すべてをこなして帰っていった。
それからもときどきおかずをたくさん持ってきて冷凍庫に小分けにして入れるなど、押しつけがましくないサポートを続けてくれた。

義母が息子を嫌う理由

第二子が産まれてからも義母との関係はうまくいっていた。その子が3歳になったころ、義母はふいに「私は息子が嫌いなのよね」とつぶやいたという。
「子どものころは素直な子だったけど、大人になってからは人への思いやりの気持ちがなくなっていったと義母が言うんです。確かに夫はマイペースで、しかも何をやらせてもできる人。だからできない人の気持ちがわからない。
私もモラハラまがいのことを言われることがあるんですが、『そういう言い方は傷つく』とはっきり言うと『ごめん』とは言うんです。
エリート意識は高いかもしれない。ただ、言えばわかるから私は根気よく付き合っているんです。上の子は運動が苦手で、夫は『どうして早く走れないのかわからない』なんて言っちゃう。でも運動能力は人それぞれ、努力してもできないことはあるんだと夫を諭しました。あなただって、明日から寿司職人になれと言われたらできないでしょって。
オレは1週間あったらできるようになると思うというから、職人仕事をバカにするなと怒りました。義母にその話をしたら、『そうそう、そういうところが私は我慢できないの』と」

エリート然とした息子を嫌う義母

人はそれぞれの役割があるのだから、エリートだけが世の中を動かしているわけではないよと、ユリカさんははっきり夫に言ったこともある。
「たぶんわかってくれたとは思っています。でもそういうことを義母が言うと、夫は『ろくに社会で揉まれてもいないお母さんに何がわかるの』と冷笑されるんですって。それはひどいですよね。それで義母はすっかり息子が嫌いになったそうです」
自分が調整役になれるならなろうと思っているが、今のところ義母にその気持ちはない様子。ユリカさんは義母と一緒に出かけることも多いが、義母は家に寄ろうとはしない。
「義母は本来、明るくて前向きで素敵な女性なんです。夫はそれをわかってない。自分の母親だからバカにしてもいいだろうと軽く考えている。『うちはひとりっ子だけど、いいの。私は息子がいなかったものとしてる。あなたが仲良くしてくれてうれしいわ』と義母は言うんです。
私も義母は大好きだからありがたいけど、いつかは夫と義母の間もわだかまりがなくなればいいし、そのために自分ができることを考えていきたいと思っています」
馬が合う、反りが合わないなど、人と人との相性には理屈で説明できないことがある。親子であっても同じなのかもしれない。ただ、ユリカさんが言うように、できれば穏やかな関係を築きたいもの。当事者同士で向き合うよりも親しい誰かがそれとなく修正をかけていったほうがいいこともあるのだろう。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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