50歳過ぎから「食」をテーマにひとり旅。地元の食堂、有名シェフのレストラン、市場やデパ地下巡りも。開店時間直後やカウンターのあるお店を狙って

2024年4月25日(木)12時30分 婦人公論.jp


イメージ(写真提供:photo AC)

ひとり旅は何も決めずにふらりと旅する楽しさもあるけれど、目的があれば充実度はさらにアップ。自分だけの《楽しみ》《好き》を思う存分に味わう3人の旅スタイルを紹介します。今回のテーマは「食」。ひとりグルメ旅行の達人がおススメする旅先は——。(構成=大野麻里)

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市場やデパ地下巡りも欠かせない《食》


ひとり旅をするようになったのは、50歳を過ぎてから。おいしいものが大好きなので、私にとって「何を食べるか」は旅の大きなテーマです。地元で愛されている食堂や、有名シェフのレストラン、旬の食材、自然派ワインなど……その土地のおいしいものを探しては、訪ねています。

ひとり旅はハードルが高いと感じる理由の1つは、「ひとりで外食すること」ではないでしょうか。「友だちがいなくて気の毒な人ね」と思われているかも? と、つい自意識過剰になってしまう(笑)。私もそうでした。いえ、実は今も苦手です。だからこそ、店選びと訪れる時間帯には気をつけています。

まず店は、ひとりでも入りやすそうな雰囲気の店構えであること。カウンター席があるとさらによし。また私は、旅先で街の下見を兼ねて朝ランニングをするのですが、その時によさそうな店を見つけることもよくあります。走らない方は、散策したり、バスに乗ったりしながら探してみるのもおもしろいのではないでしょうか。

次に訪れる時間帯ですが、私は開店時間を狙って入店します。17時頃ならまだ空いていますから、「4人席を1人で使って申し訳ない」というような気持ちにならずに済みますし、誰に気兼ねすることなく食事を楽しめる。そしてお客さんが増えてきたところで、会計を済ませてサッと帰ります。にぎやかな場でひとりは、やっぱり居心地悪いですからね。

宿は立地のよさを優先して、駅前や繁華街の近くに立つ新しいホテルに泊まります。慣れない土地ですから、食事を終えてホテルまで安全に帰れることも重要。遅くても21時までには部屋に戻るようにしています。

食を楽しむためには、市場や道の駅、デパ地下での旬の食材や調味料探しも欠かせません。味噌や醤油、酢などは特に地域色が強く出るため、おもしろいですよ。先日も盛岡朝市に行き、手作りのお味噌汁を飲んできたところです。

「食べたことない山菜だ!」「山形のラ・フランスも買わなきゃ」、そんなふうに見てまわっていると、3〜4時間なんてあっという間。家族には多少のわがままを許してもらえても、友だちと一緒ではさすがにできませんよね(笑)。ひとりでよかった、と思える瞬間です。それに市場やデパ地下は、女性ひとりでも浮かない場所ですからおすすめです。

私はいつも、お箸とスプーン、小さなナイフとワインオープナーを旅のバッグに忍ばせています。街を巡りながら購入した惣菜やお菓子、果物をホテルの部屋で食べることもよくあるからです。

初めてひとりで訪れた京都では、緊張しすぎて店に入れず、鯖寿司をテイクアウトしてホテルで食べたのがいい思い出(笑)。旅に慣れてきた今でも、食べてみたかった老舗のお弁当に、ワインとデザートまで買い込んで、部屋でゆっくり楽しむ日もあります。


イメージ(写真提供:photo AC)

「ひとり旅をしてみたいけれど、どう過ごしたらいいかわからない」という方は、旅のメインイベントを決めるといいかもしれません。「あの有名なカフェに行きたい」「この列車に乗って駅弁を食べてみたい」など、主となる目的を中心に考えれば、宿や交通手段、ほかに行ってみたい場所などの計画が立てやすくなるのではないでしょうか。

私自身は、クリスマスに毎年お取り寄せしていたシュトレンの実店舗に行ってみたくて、飛騨高山に。新酒のお披露目を兼ねた酒蔵見学で盛岡へ。余市の有機栽培ワイナリーでぶどう摘みボランティアに参加し、松本のクラフトフェアでは何時間もかけて器探しをしました。

発売日や開催日などの日程が決まっているイベントは特に予定が立てやすいので、半年や1年かけて、その日に向けて旅プランを練るのも楽しいですよ。そのために私は日頃から、行ってみたい店、食べてみたいもの、旬の食材の収穫ツアーなどの情報を集めてメモしています。

そしてもうひとつこだわっているのが、とにかく身軽であること。旅先の市場で買った新米やりんご、瓶に入った醤油といった重いものは宅配便で自宅に送ればいいので、バッグが大きい必要はありませんから。

最近、明石で念願の〈ひとり寿司〉に挑戦しました。フレンチと寿司はおひとりさまにはハードルが高いと思っていましたが、昼網で獲れた新鮮な魚を味わい、淡路島の絶品ウニはおかわりもして満喫。50代になっても、まだまだ大人の階段を上ることができるのですね(笑)。次は、神戸で餃子とビールをお目当てに町中華のはしごを計画中です。

おすすめ旅先3選


京都(京都府)



京野菜を扱う青果店「四寅」

長い歴史とともに受け継がれてきた、独自の食文化がある街。老舗はもちろん、新しい店も次々とできるため、何度訪れても新しい発見があります。

茶専門店「蓬莱堂茶舗(ほうらいどうさほ)」、京野菜を扱う青果店「四寅(よんとら)」、ふきよせの名店「ぎぼし」などは、繰り返し訪ねているお気に入りのお店です。自然派ワインがお好きな方は、「エーテルヴァイン」へどうぞ

水戸(茨城県)


茨城県は、「あんこう鍋」で有名ですが、栗、レンコン、メロンなど名産品が豊富です。旧県議会議事堂を改修した県立図書館内のカフェや、水戸駅にある地酒のコインサーバーなど、ユニークなスポットも。

自然派ワインと気の利いたおつまみが味わえる「ルピオット」は、大好きなお店です。

水戸駅から偕楽園に続く千波湖沿いの桜道は、散歩にぴったり


金沢(石川県)



金沢のおススメ「北陸金沢回転寿司 のとめぐり」(写真提供◎北陸金沢回転寿司 のとめぐり)

山と海に囲まれ、魚介類に加賀野菜など新鮮な食材の宝庫です。おいしいものが集まる近江町市場は、歩くだけでも楽しいですよ。

金沢は回転寿司も侮れず、「北陸金沢回転寿司 のとめぐり」がおすすめです。カウンターがある「おでん若葉」、自然派ワインバー「いなさ」など、ひとりでも入りやすい店が多数。

予約制の「吉はし」の生菓子もぜひ

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