お通じをよくしたければ「便意がなくてもトイレに」。ただし「入っている時間は5分以内!」と鍼灸接骨院院長が警告するワケ

2024年4月27日(土)8時0分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

令和4年の国民生活基礎調査によると、男性の2.5%、女性の5.1%が便秘を訴えているそう。そのようななか、「骨盤の後傾によって曲がった現代人の直腸を真っすぐに伸ばして便秘を撃退する<直腸ストレッチ>」を考案し、テレビや雑誌を通して発信しているのは、アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さん。先日『スッキリ出る!直腸ストレッチ』を刊行された高林さんは、「良質で規則正しい睡眠によって、快適で規則正しいお通じがつくようになる」と言っていて——。

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良質な睡眠は自律神経のバランスを整える


便秘、とくに大腸の動きが不規則になって起こる「けいれん性便秘」は自律神経が大きく関係しています。

自律神経には、活動時(緊張時)に優位になる交感神経と、休息時(リラックス時)に優位になる副交感神経があり、両者はヤジロベエのようにバランスをとり合うことで、健康な状態を保っています。

ところが、ストレスや環境の変化などにより、交感神経が過剰に優位になると、大腸が過緊張を起こし、蠕動運動が弱まって便秘となるのです。

この自律神経のバランスを整えるのに深くかかわっているのが、睡眠です。良質で規則正しい睡眠によって、快適で規則正しいお通じがつくようになるのです。

「睡眠ホルモン」の異名を持つメラトニン


良質な睡眠の第一歩は、毎朝決まった時間に起きることです。

よく休日に「寝だめ」をする人がいますが、睡眠の貯金は不可能なばかりか、睡眠のリズムが不安定になってしまいます。平日はもちろん、休日も同じ時間に目覚めるように目覚まし時計をセットしてください。

目が覚めたら、まず部屋のカーテンを開けて、朝日を浴びます。こうすることで、脳からのメラトニンの分泌を抑えることができます。

「睡眠ホルモン」の異名を持つメラトニンには、睡眠と覚醒のリズムを整え、自然な睡眠へ誘う作用があります。メラトニンは起床してから14〜16時間後に徐々に分泌され、分泌のピークを迎えると眠気を覚えるようになります。こうして睡眠のリズムが整うわけです。

寝酒は逆効果


よく眠れないからといって寝酒をする人がいますが、これはまったくの逆効果。

お酒を飲むと一時的には眠くなりますが、数時間後にアルコールが分解されアセトアルデヒドになると、覚醒作用が働き、眠りが浅くなってしまいます。


(写真提供:Photo AC)

また、カフェインにも覚醒作用があるので、就寝前のコーヒー、紅茶、緑茶などはできるだけさけるようにしましょう。

そのほかにも、遮光(しゃこう)カーテンを使う、室内を清潔に保つなど、寝室の環境を整えることも良質な睡眠の助けとなります。

便意がなくてもトイレに行き3〜5分以内にトイレから出る


次に、賢いトイレの使い方を紹介しましょう。

まず、朝食をとってしばらくしたら、必ずトイレに行くことを習慣にしてください。食べたものが胃に入ると、胃が刺激を受け、その刺激によって胃結腸反射が起こり、蠕動運動が活発になります。

ところが、便意がないからといってトイレに行かないと、せっかくの排便のチャンスを逃してしまうことになります。

ですから、便意がなくても、とりあえずトイレに行くことが重要なのです。結果的にお通じがつかなくてもかまいません。毎日続けているうちに、便意を催すようになる可能性はじゅうぶんにあります。

ただし、トイレに入っている時間は3〜5分以内にとどめてください。

過度のいきみは血圧を上昇させ、脳梗塞などの脳血管障害や、心筋梗塞などの心疾患に進行する可能性もあります。また、硬くなった便を無理に出そうとすると、切れ痔やイボ痔になる危険性があります。

そもそも、哺乳類の排便時間は平均12秒だそうです。これは、排便という無防備な状態の時間を可能な限りへらすことで、生存競争を生き抜くための習慣といわれています。

※本稿は、『スッキリ出る!直腸ストレッチ 一日3分で「出口の詰まり」を取って便秘を解消するセルフケア』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

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