「飲む羊羹」はお汁粉と何が違うのか 話題のスイーツめぐる疑問、社長に直接ぶつけてみた
2020年4月30日(木)6時0分 Jタウンネット
「飲む羊羹」という甘党が大喜びしそうな商品がツイッターで話題になっている。カレーは飲み物。みたいな類なのだろうか...。
飲む羊羹は「赤いサイロ」で知られる菓子店・清月(北海道北見市)が販売する商品で、正式名称は「飲む羊羹 ICHIZU」。
その名の通り、液体状になった羊羹だ。
ワインボトルに入った羊羹はお酒にしか見えない。モナカの杯になみなみと注がれる様は食欲をそそるが...どこか背徳感あるというか、禁断の領域に足を踏み入れてしまった気がしてならない。
羊羹といえば緑茶といっしょにちびちび食べるイメージだが、そんなにゴクゴクと飲んでいいものなのか。
あるツイッターユーザーが2020年4月20日にこの商品を紹介したところ、
「これで呑める甘党酒飲みがここに」
「それは『おしるこ』なのでは?」
「1人で一瓶空けたら一発で糖尿なりそう」
といった声が寄せられ、反響を呼んでいる。アルコールが入っていないとはいえ、飲みすぎには気を付けた方がよさそうだ。
「硬く切って食べるイメージを払拭したい」
Jタウンネットは22日、清月の渡辺主人代表取締役社長に詳しい話を聞いた。
「飲む羊羹ICHIZU」を発売したのは17年4月。現在は北見市内にある清月の店舗や公式通販サイトなどで販売している。
飲む羊羹はなぜ誕生したのか。創業80周年を迎えた15年、地元の小豆を使用したブランド「きたみあずき屋」を立ち上げた際、渡辺さんは「日本初のスイーツつくれないか」と考えたという。そこで思いついたのが羊羹を「飲む」ことだ。
「一般的に羊羹は古いお菓子で若い人になじみのないものでした。硬くて切って食べるという従来の古いイメージを払拭したいという思いがあり、やわらかく仕上げました」(渡辺代表)
たしかに飲む羊羹の存在により、羊羹のイメージを覆されたことには違いない。清月の公式サイトによれば、通常の羊羹と比べ約2倍の小豆が使用されているそうだ。
しかしここで気になるのが、ツイッターでも寄せられていた「お汁粉ではないか」という指摘。液体状のあんこという点では、餅のないお汁粉とおなじだが...。いったい何が違うのだろうか。
「お汁粉との明確な違いは、羊羹と同じく『寒天』を使用しているという点です。飲んでみれば分かると思いますが、飲む羊羹には少し寒天が入っておりドロッとしています。それに対してお汁粉は水っぽく、食感が違います」(渡辺代表)
なるほど...見た目は似ていても口当たりは別物というわけだ。
飲む羊羹はお酒のようにおちょこで飲んでみたり、アイスクリームやヨーグルトなどの様々な食材にかけて楽しむことができる。ちなみに、モナカが付いたセットもあるとのことだ。
発売当初はテレビでも取り上げられたというこの商品。再びツイッターで話題になったことについて、渡辺さんは、
「何がきっかけで広がったのかわからず、驚いています。自分たちの商品が注目していただけるのはありがたいことです」
としている。