生田斗真「旦那様に無痛分娩おねだり」発言は軽すぎた…世の女性たちに与えた2つの不快感

2024年5月13日(月)22時5分 All About

俳優・生田斗真さんの無痛分娩に関する発言がSNS上で大炎上に発展。出産間近で不安を感じているらしい女性ファンのSNS投稿に「旦那様に無痛おねだりするか」と返したようだが、女性たちは発言の何を不快に感じたのだろう。

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俳優の生田斗真さんが、出産間近で不安に陥っている女性ファンのSNS投稿を受けて「旦那様に無痛おねだりするか」と返したことが大炎上を巻き起こしている。

生田斗真さん「無痛分娩おねだり」発言、2つの不快感

これは、出産が怖いなら無痛分娩を夫にねだればいいのでは、という意味合いだが、女性たちに2つの不快感を与えている。
出産方法は女性が主体的に選択するものなのに「夫に無痛分娩をねだる」という表現、そして出産は女性の心身にとって決して安全とは限らないものなのに配慮がないこと。
生田さん本人は、反射的に「痛いのが怖いなら、無痛分娩という選択肢もある」と伝えたかったのだとのちに説明している。だが、無痛分娩は別途料金がかかるため、思わず「旦那様におねだり」という表現になったのだろう。
しかし分娩するのは女性だが、もともとは夫婦の子どもである。しかも「命」を生み出すのが出産であり、物を買うのとはワケが違う。
「旦那様におねだり」はあまりに軽い上、出費は男に頼るのが当然という上から目線も女性たちの反感を買った。
さらに自身も子どもがありながら、あっさり「無痛にすれば」と言われることへも女性たちとしては気にかかった点だろう。

日本は世界的にも無痛分娩が少ない

アメリカでは7割以上、フランスでは8割以上と言われている無痛分娩だが、日本では2020年の段階で8.6パーセントに過ぎない。これはひとつには麻酔科医の不足があげられる。
現状、日本では産科医が麻酔科医を兼任している場合が多く、専門の麻酔科医が産科に少なすぎるのだ。無痛分娩を成功させるには、麻酔科医の高レベルの技術が必要だ。
だからこそ、妊婦にしてみれば、そう簡単に無痛分娩を選択できる状況にはない。
「妊娠、出産は男にとって結局、他人事なのね」とがっかりする気持ちこそが、炎上につながったのではないだろうか。

出産時、腹が立った夫の“迷言”

「今回の騒動、私も同じように思いました。でもうちの夫も私の出産時に不適切な言動をとっていたので、やはり男には寄り添いきれないことなのかもしれないとも感じましたね」
アミさん(39歳)はそう言って苦笑した。6歳と3歳の子がいるが、第1子出産のときには陣痛で苦しむ彼女に、夫は「痛いと思うから痛いんだよ」と迷言を吐いた。
「痛いと思わなくたって痛いんだよと思わず頭をはたいてしまいました(笑)。助産師さんまで苦笑していましたね。立ち会い出産をする予定だったけど、結局、途中で出て行ってもらったんです。いないほうがずっと集中できた」
夫にはあとから助産師さんたちに諭してもらったが、あまりピンときている様子はなかったそうだ。
「子どもはとてもかわいがっています。目の前に子どもがいるからリアルに対応できるんだと思うけど、妊娠中や出産時についてはやはり想像が及ばないところもあるんでしょう。
でも1度は経験したのだから第2子のときはもうちょっときちんと対応してくれると思っていたんです」

無痛分娩に対する無神経な発言にも失望

3年前の第2子のとき、アミさんは無痛分娩を選択肢に入れた。すると夫はこともあろうに、「どうして?」と疑問を投げかけてきた。
「出産って痛みを伴うから子どもがかわいく思えるわけでしょ? 無痛で楽しようっておかしいんじゃないの。しかもよけいなお金がかかるじゃん」
その言葉がどれほどアミさんを傷つけたことか。彼女は「勉強してちょうだい」と一言ですませた。怒りが大きすぎて夫の顔も見たくないと思ってしまったのだ。
「翌日、夫は『麻酔によってきみの健康に不安が出ると思うんだよね』と論調を変えてきました。そういうことなら話ができるかなと思ったんですが、夫は無痛分娩をまったく痛みがないものととらえている。
そうじゃないんだ、硬膜外麻酔という無痛分娩に多く使われる麻酔法で、下半身の感覚をあえて残して、ちゃんといきんで産むんだと説明しました。
そんなのちょっと調べればわかるでしょと言うと、『でも楽して産むために、お金が別にかかるんだよ』って。出産がどれほど大変なのかわかってない、第1子のとき途中で追い出さなければよかったかなと後悔しましたが……」
第2子のときはコロナ禍で、立ち会いはできなかった。夫は最後まで無痛分娩に反対していたが、アミさんはそれを選択した。体力を使いすぎずに出産でき、産後の回復も早いと感じたというが、これはあくまでも彼女個人の感想である。
「今回の生田さんの発言を擁護はしないし、旦那様におねだりという言葉は気持ち悪いと思う。
でもこういうことだよ、男にとって出産はやっぱり他人事なんだよというのがわかっただけでもいいのかもしれないと反面教師的に感じましたね」
男女の関係、もしくは他人との関係において、どう頑張っても理解できないことはある。感覚的にわからないことも多々あるだろう。ただ、わからないならわからないなりの対応があるはず。
出産という夫婦にとって大事なできごとで、ふたりの気持ちが離れるようなことがあっては元も子もない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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