やっぱり快適なポータブルヘッドホン! Beats Solo 4実機レビュー

2024年5月18日(土)6時0分 マイナビニュース

Beats(ビーツ)から2009年のデビュー以来、ロングランヒットを続けるオンイヤースタイルのヘッドホン「Solo」(ソロ)シリーズ。その最新機種「Beats Solo 4」(32,800円)が5月14日に発売されました。ふたたび大きな音質向上と機能追加を果たした人気のワイヤレスヘッドホンがどんな方におすすめなのか、実機による体験をレポートします。
定番Soloシリーズが待望のアップデート
Beatsが2014年にApple傘下のブランドになってから、同社のヘッドホン・イヤホンは低音強調のサウンドから、さまざまなジャンルの音楽にも柔軟に対応するバランス重視のサウンドに傾向が変わりました。デザインもよりスタイリッシュに洗練され、若年層からオトナまであらゆる音楽ファンが普段づかいできるファッション・アイテムとして親しまれています。
2016年に発売されたワイヤレスヘッドホンの「Beats Solo 3」にはApple W1チップが搭載されて、iPhoneやiPadなどAppleデバイスとの自動ペアリングにも対応しました。新製品のSolo 4にはBeatsが独自に設計したプラットフォーム(ワイヤレスオーディオ向けチップセット)が載っています。この新しいチップセットのおかげで、Solo 4はAppleデバイスに限らず、Android OSを搭載するデバイスにも専用アプリを介してスムーズにつながり、さまざまな補助的機能が使えるようになりました。
いい音を実感! ロスレスオーディオ対応も魅力
筆者はまず、なんと言ってもSolo 4を「音楽好き」な方に最適なヘッドホンとしておすすめします。
本機は40mm径のカスタムトランスデューサーを搭載するダイナミック型ヘッドホンです。Beatsのエンジニアは新しいトランスデューサーの応答性能を改善し、ハウジングの音響構造にも細やかなアップグレードを図りました。その成果は一段と切れ味を増した、豊かで歪みのないSolo 4のサウンドに反映されています。特にボーカルの表情が力強く、ディティールの情報量にも富んでいると筆者は感じました。ピアノやギターなどアコースティック楽器が中心の楽曲を再生してみても、Solo 4は彩り鮮やかでリラックスできるサウンドを楽しませてくれます。アップテンポなロック、ダンスミュージックの低音もタイトに引き締まっていて、生演奏を聴いているような緊張感が肌にピリピリと伝わってきます。
Solo 4は、ケーブル接続による有線リスニングの際に最大48kHz/24bitのロスレスオーディオ再生をサポートしました。パッケージに付属するUSB-C、または3.5mmオーディオケーブルで、ロスレスオーディオ再生に対応するデバイスにつなぎ、ロスレス音質のコンテンツを再生した時に真価を発揮します。
USB-Cを搭載するiPhone 15 Proに直結して、Apple Musicが配信する最大48kHz/24bitの楽曲をロスレス品質で聴くと、Bluetooth再生のサウンドよりも音像の立体感が増し、奥行き方向に音場の見晴らしが良くなる手応えがありました。Amazon Music Unlimitedにもロスレス音質のコンテンツが多数あるので、ぜひクオリティの違いに触れてほしいと思います。
Solo 4にはアクティブ・ノイズキャンセリング機能がありません。代わりに柔らかなUltraPlushイヤークッションを耳に乗せて、すき間をふさぐように装着するオンイヤースタイルとして、高い遮音性能を確保しています。アクティブ・ノイズキャンセリングの信号処理のようなサウンドに影響を及ぼすファクターと無縁であることから、とても自然で素直なサウンドが楽しめるところがSolo 4の魅力です。
遮音性能はノイキャン付きのヘッドホンに引けを取らないほど高く、飛行機の中で試してみたところイヤークッションの耳栓効果により、エンジンノイズなどがビシッと抑えられます。むしろ屋外を歩いたり、ジムで身体を動かしながら使う際には周囲の環境が少し聞こえづらくなることを考慮して使うことが大事です。
クリアな通話音声。Soloはビジネスにも使える
Solo 4はビジネスシーンにも活躍するワイヤレスヘッドホンです。
音声通話の品質がとても安定しています。高性能なビームフォーミングマイクでユーザーの口もとを狙いながら、Beats独自の7,000時間を超える機械学習により開発した消音アルゴリズムを組み合わせて、話者の声を背景ノイズと分離しながらクリアに伝えます。
筆者も家族にSolo 4を装着してもらい、通話音声を確認しました。ユーザーの声が背景ノイズと混じって不明瞭になることがありません。ただ、Solo 4の遮音性能が高いがゆえに、話者は声を張り上げてしまいがちです。自宅以外の場所でオンラインミーティングなどに参加する場合は、自分の声が大きくならないように気をつけたいところです。
内蔵バッテリーによる最大50時間の連続使用に対応するので、飛行機による旅の道中にバッテリー切れを心配する必要はありません。付属するソフトケースにヘッドホンのほか、USB-Cケーブルと3.5mmオーディオケーブルを入れてコンパクトに持ち運べるので、Solo 4が手荷物のスペースを大きく占有することもありません。
USB接続時には充電しながらオーディオが聞けるので、機内でテープ起こしや動画編集の作業にも気兼ねなくSolo 4を使い倒せました。3.5mmケーブルによる接続時にはSolo 4の電源がオフのままでも使えます。この場合はヘッドホンの内蔵マイクによる通話が使えないので要注意です。代わりにUSB-Cケーブルを使いましょう。
Appleの最先端を満喫できるお手頃価格のヘッドホン
Solo 4はAndroidデバイスのユーザーにも快適に使えるワイヤレスヘッドホンですが、iPhoneなどAppleデバイスの側から見た「Solo 4との相性」はさらに良いです。
2023年夏にBeatsが発売したアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載する「Beats Studio Pro」に続いて、Solo 4も空間オーディオコンテンツの再生時にダイナミックヘッドトラキングが使えます。また、iPhoneでユーザーに合わせて個人最適化した空間オーディオのデータを作成すると、Solo 4で再生する空間オーディオコンテンツの立体感が向上します。
先に触れたロスレスオーディオ再生は、2024年5月時点でAppleのAirPodsシリーズもまだ対応していない機能です。Appleのワイヤレスヘッドホン「AirPods Max」は8万円台という高価な製品です。Appleによる先進的なオーディオ機能を満載した「3万円台で買えるBeats Solo 4」をぜひ多くの方に体験してほしいです。
著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら

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