人気インテリアコーディネーター ソファが部屋を素敵に見せてくれると思いがちだけど、実は…「コスパよくセンスアップしたい」人が注目すべきものとは

2024年5月23日(木)12時30分 婦人公論.jp


(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

「自分にはインテリアのセンスがない…」「どうやったらおしゃれな部屋になるのか…」一級建築士・インテリアコーディネーターとして活躍する大塚彬子さんのもとには、こうしたお悩みが寄せられるそう。その大塚さんは「お部屋をセンス良く見せるのに、ルールは不要!」と話します。そこで今回、大塚さんの自著『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』から部屋づくりのコツをお届けします。

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ソファよりも、「照明」にお金をかけるべし。コスパよく、センスアップできる


多くの方は「ソファがインテリアを素敵に見せてくれる」と、思いがちです。

けれど、ソファにお金をかけても、リビングが素敵になるかというと、そうではないケースのほうが圧倒的に多いのです。

リビングを素敵に見せてくれるのは、「視界1mの範囲」に入るアイテム達。

「視界1mの範囲」というのは、ダイニングテーブルの上(床から70cmの高さ)から高さ1mを指します。

立った時で言うと、だいたい足の付け根から頭のてっぺんまでの範囲。立った時も座った時も、視界に情報が集まりやすい範囲です。

ソファは、「視界1mの範囲」よりも低い位置なので、インテリアへの影響は思ったほど大きくありません。

それよりも、インテリア3種の神器(グリーン、ポスター、照明)の3つ目、照明を取り入れたほうがグッと素敵になります。

それに照明は、ずっと永く使えるコスパの良いアイテムでもあります。

対してソファは、家具の中ではコスパはワーストワン。

ファブリックのソファは、2年も経てば生地の汚れや傷みが目立ち、カバーを替えるとなるとお金がかかります。

限られた予算でお部屋を変えようと思ったときには、ソファにかける予算を見直し、照明にこそお金をかけて欲しいと思います。

最初に変えるべき照明は?


照明には、

・夜の灯りとしてだけでなく、インテリアのアクセントにもなる
・空間にメリハリをつけられる
・ドラマチックな雰囲気を演出できる


『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』(著:大塚彬子/エクスナレッジ)

といった効果があります。

最初に照明を変えるなら、ダイニングまたはリビングの照明です。

たいていのお宅には、天井にシーリングライトがついています。

シーリングライトは、お部屋全体を明るくしますが、メリハリがない空間をつくります。

また、蛍光灯の白っぽい灯りは、オフィスのような緊張感を生み出します。

そこで、思い切ってシーリングライトを外し、ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを、リビングにはフロアライトを取り入れてみましょう。

「視界1mの範囲」を照らすことで、空間の重心が下がってリラックスした雰囲気に生まれ変わります。

ダイニングをペンダントライトに変えると、「暗い」と感じる方がいるかもしれません。

でも、徐々に目は慣れていきます。

逆に、今まで明るすぎてリラックスできなかったと気がつくでしょう。

とはいえ、ダイニングテーブルはご飯を食べるだけでなく、大人が仕事をしたり、子どもが勉強したりと作業をする場でもあります。

もう少し明るくしたいという時は、ポータブルライトを置くなどすれば、明るさは後からでも調整可能です。

リビングには、高さのあるフロアライトをソファの脇に置いてみてください。


リビングに高さのあるフロアライトを置くと、それだけでドラマチックな雰囲気に。「視界1mの範囲」に入る高さのものを選びましょう。(写真:『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』より)

一灯置くだけで、視線が集まる場所になり、印象的なコーナーに。

視界に余計なものが入ることがなく、他の場所のごちゃつきも目立たなくなります。


キャビネットの上などに気軽に置けるスタンドライト。素敵なデザインを選んで、インテリア小物としてポスターと組み合わせると、おしゃれなディスプレイに。(写真:『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』より)

フロアライトを置くスペースがない場合は、チェストの上などにテーブルライトを置いてもいいですね。

インテリアのインパクトは小さくなるので、ポスターと組み合わせてボリュームを出すといいでしょう。

照明はデザイン優先で選ぶ


照明器具は、日中のインテリアのアクセントにもなります。特に、ダイニングのペンダントライトは、デザイン優先で選びましょう。

目線の位置にデザイン性のあるものがあるだけで、空間の印象は変わります。

ペンダントライトのデザインは、大きく分けて2つあります。


シェードに隙間があり、光は全体的に広がります。面に比べると、明るさを感じやすいです。<『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』より>

線のデザインは主張が強くないので、デザイン性が高くても、サイズが大きくてもインテリアになじみやすいです。


シェードに隙間がなく、光は下部のみ、もしくは上下に広がります。やや暗めに感じます。<『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』より>

一方、面のデザインは存在感があるので、インテリアになじませたいか、ポイントにしたいのかを考えて、色や大きさを選びます。

その他に、線と面の中間のデザインのものもあります。

それは、シェードにガラスや紙など光を透過する素材が使われているもの。見かけは面のデザインのようですが、灯りをつけると周囲を明るく照らしてくれます。

存在感はありつつ、抜け感があるのでどんなインテリアにもなじみやすいです。

明るさの目安ですが、ダイニングは100W、少し暗めが好みなら60Wくらいです。

最近は電力を表すW(ワット)単位ではなく、光束を表すlm(ルーメン)が一般的になりつつあります。lmだとLDKなら1畳あたり、400lmを目安にします。

私がおすすめすることの多い、照明を扱うネットショップは、「flame」と「ARTWORKSTUDIO」です。比較的お手頃な価格で、おしゃれなものがそろっています。

ペンダントライトの大きさと個数


ダイニングテーブルの上に大きめのペンダントライトひとつか、小さめのものを複数つけるかによって、インテリアの印象も変わります。

大きめのものを1灯の場合、スッキリとダイナミックな印象になります。

小さめのものを2灯以上つけると、リズムが生まれて軽やかな感じに。

「ものを減らしすぎて殺風景」と悩んでいる方は、空間に動きがでるのでおすすめです。

照明の大きさは、ダイニングテーブルのサイズによっても変わります。

シェードの直径サイズを、テーブルの幅の3分の1に収めるとバランスがよくなります。

例えば、テーブルの幅が1.5mなら、ペンダントのシェードの直径は50cmくらいです。

市販のペンダントライトの直径は最大60cmを超えると種類が少なくなるので、テーブルの幅が1.8mより大きい場合は、ペンダントを2灯以上つけることを検討してもいいでしょう。

複数つける時は全く同じものでなくても、同じシリーズのもの、色と素材が同じもの、同じデザインで大小が違うものなど、変化をつけてもいいですね。

※本稿は、『この3つで劇的にあか抜ける 人生が変わるインテリア』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。

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