【沖縄の旅】古宇利島でリゾートホテルを味わい尽くし心も体も整える

2025年5月29日(木)11時0分 大手小町(読売新聞)

沖縄の島のなかでも、本島から橋でつながる古宇利島(こうりじま)は、気軽に足を延ばせる旅先。たとえ短い滞在でも、海風やゆるやかな空気に包まれて、南の島ならではの心地よさをしっかりと味わえます。

ハート形をした岩「ハートロック」は島の名所のひとつ

沖縄本島から橋で渡れる島はいくつかあり、北部の古宇利島もそのひとつ。車で気軽にアクセスできる島々には、瀬底島のようにリゾート開発が進む島があれば、伊計島のように素朴な風景が残る島もあり、それぞれに異なる魅力を持っています。

なかでも、周囲約8キロの古宇利島は、観光客に人気がありながらも、どこか静けさが漂い、不思議な心地よさに包まれています。

那覇空港から車で約90分。エメラルドグリーンの海に架かる古宇利大橋を渡ると、プライベート感のあるヴィラや趣のあるカフェが点在する集落に到着。道の脇にはサトウキビ畑が広がり、「沖縄に来たんだなあ」と実感します。

今回の旅では、3月下旬にオープンしたばかりの「BATON SUITE 沖縄古宇利島」に宿泊。すべての部屋から海と古宇利大橋が一望できる、滞在型のリゾートホテルです。

丘の中腹にあるホテルは、自然にそっと溶け込むような落ち着いた外観。一歩ロビーに足を踏み入れると、一面の窓の向こうにまぶしいほどの絶景が広がり、一気にリゾート気分にひきこまれます。

【左】7タイプある客室はすべてスイートルーム。67.4平方メートルあり、最大で大人4人まで宿泊可能【右】パラソル付きのビーチベッドに、海風が心地よく吹き抜ける

4階建てのホテルは全35室とゆとりのある設計で、満室でも窮屈な印象を受けません。ブルーを基調とした部屋は、大きな窓から海と橋、そして島の集落を一望に収められます。リゾートらしい眺めでありながら、島の素顔が見える風景に、心が和みます。

客室に備えられた洗濯乾燥機は、想像以上にありがたい設備でした。ビーチを散歩中にうっかり服を汚してしまったのですが、すぐに洗えてとても快適。これまで長期滞在者向けだと思っていたものが、1泊でも頼もしく感じられました。さらに、旅はできるだけ軽装で出かけたい私にとって、ヘアアイロンや高品質なスキンケア用品がそろっているのも、うれしいポイントです。

【左】肌ざわりのよいリネンとルームウェア、シモンズのオーダーメイドベッドで熟睡【右】海を望むバスルーム。2種類のヘアアイロンもそろい、身支度もスムーズ

冷蔵庫にあるオリオンビールを飲みながら(客室内の飲み物はフリー)、窓際に設えられたデイベッドで一休み。海を眺めながらぼんやりしているうちに、いつの間にか、まどろみの中へ……。気づけば、空にオレンジ色のグラデーションがゆっくりと広がっていました。

夕食は外には出かけず、ホテル内のレストランを予約。客室棟からプールサイドを通って向かうアプローチもリゾート気分を盛り上げます。

レストランで味わったのは、沖縄県産の野菜や魚介類をふんだんに使った地中海料理。宜野座産トマトのカプレーゼに始まり、古宇利島産の生あおさが香るボンゴレビアンコ、島ダコの足をまるごと1本使った豪快なパエリア、そして炭火でじっくり焼いた沖縄県産パイナップルのデザートまで、海と山の恵みを、定番の沖縄料理とはひと味違うスタイルで満喫しました。

【左】チャコールオーブンを使った炭火焼料理が楽しみなレストラン【右】タコ足をまるまる1本使った豪華なパエリア

沖縄の食文化は、中国などの文化を取り入れた宮廷料理と、医食同源の思想が息づく庶民料理が融合して発展してきたと言われています。フランスの星付きレストランや老舗イタリアンで研(さん)を積んだシェフたちと、イタリア人のピッツァ職人による独創的な地中海料理は、異なる食文化を見事に調和させる、沖縄らしさを感じました。

沖縄ハーブの香りに包まれる、癒やしのスパルーム

食後にひと休みした後は、スパでの癒やしの時間を。沖縄県産ハーブ「月桃」のエキスや、無農薬・無化学肥料で育てた植物「宮古ビデンス・ピローサ」から抽出されたエキスが配合された化粧品を使い、施術はオールハンドで行われます。終えた後は、背中の重さも足のむくみもすっきり。野生の植物の力をまるごと受け取ったようなすっきり感を覚えました。

気付けば、1泊の滞在中、ほとんどホテルにこもっていましたが、それがこんなにも心地よいなんて。アクティビティにいそしまず、ただ島の静けさに身をゆだねて過ごした時間が、じんわりと心と体を整えてくれました。(旅行ライター 芹澤和美)

大手小町(読売新聞)

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