【追記あり】「間一髪」とはまさにこのこと 草刈り機使用中の事故にゾクリ...専門団体に「正しい使い方」を聞く

2022年5月30日(月)20時0分 Jタウンネット

肝を冷やさずにはいられない画像かツイッターに投稿され、注目を集めている。

こちらは、高知県在住のユーチューバー・田舎の者(@moss0782ga)さんが2022年5月23日に投稿した写真。

藍色の長靴のつま先部分辺りがパックリと割れており、中の靴下もボロボロに破けてしまっている。一体何が起こってこうなったのか。田舎の者さんの別の投稿によると

「草刈り刃が畦を走りまして‥」

とのこと。草刈り機の刃が、足に襲い掛かったらしい。

幸いにも指にダメージはないようだが......ヒヤリとする写真に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「キックバックかな? 怖いですよね」
「怪我がなくてよかった」
「くつ下までびりびりなのに無傷だったのは奇跡!」

Jタウンネット記者は26日、当時の詳しい状況について田舎の者さんに話を聞いた。

「絶対に指飛ばした」って思いました

田舎の者さんが事故に遭ったのは26日、田んぼで背負い式の草刈り機を使っていた時の事だった。

「いわゆる、草刈り機のキックバックです。畦草を刈ってる時に土に刃が入ってしまい、その拍子に足に向いて刈り上げてしまいました」

草刈り機の刃は高速で回転しており、その状態で切り株や石などの硬い物に当たった時に、回転方向と逆の方向へ刃が勢いよく飛んでしまうことがある。それが「キックバック」と呼ばれる現象だ。

キックバックが発生すると、自分の体や周囲の人に高速回転する刃が当たってしまう可能性もあり、非常に危険な現象である。

「畦の側面を刈った際に起こりました。背負い式の草刈り機ではよくあることですが、ちょっと油断してましたね。靴に刃が当たった時は、一瞬『やってしまった! 絶対に指飛ばした』って思いました」(田舎の者さん)

幸い、田舎の者さんの足には傷は無かったそうで、「本当に奇跡だと思いました。本来なら指2本くらい飛んでいてもおかしくなかった」。

その後、ボロボロになった靴下は廃棄し、長靴は新調して安全長靴(編注:つま先を防護する先芯などが備えられている長靴)を購入したそうだ。

キックバックを起こさないためには

一歩間違えれば大惨事を引き起こしかねない、草刈り機での作業。

より安全に使用するためには、どういった点に注意するべきなのか。Jタウンネット記者は26日、安全な農作業を行うための啓発活動などを行う「日本農業機械工業会」(東京都港区)にも話を聞いた。

取材に応じた同会の事務局員は、「まずは適切な保護具を身に着けること」が重要だと説明する。

「万が一キックバックが起こってしまった時の為にも、草刈り機を使う時はすね当てや安全靴を着用するべきでしょう。また、回転する刃に飛ばされた石や木っ端なども危ないので、そうした飛散物から目を守る為のゴーグルなども付けた方が良いです」(局員)

このほか、長袖の作業衣やズボン、フェイスシールドや防振手袋などを装着することも有効とのことだ。

また、そもそもキックバックを発生させないようにするためには、以下のような対策が有効だという。

「一般的な草刈り機では、刃が反時計周りに回転しています。そのため、刃の先端から右側90度の部分に切り株など硬い物が当たるとキックバックが発生し危険なんです。なので、刃の左側の前3分の一くらいの範囲に草が当たるように動かすと、キックバックが発生しにくいです」

つまり、刈刃が反時計回りに回転する一般的な草刈り機の場合は、自分の体が向いている方向から見て12時〜3時の方向ではなく、9時〜12時の方向で刃を動かすこと。そして左から右ではなく、右から左へと刈っていくことを意識することで、比較的安全に作業ができるという。

もし仕事などで草刈り機を使うことがあれば、必ずこれらの事項を守ってほしい。草とは違い、指は一度刈られてしまったら二度と生えてはこないのだ。


2022年5月31日10時35分編集部追記:記事初出時、草刈り機の使い方について誤った記載がありましたので修正しました。

刈刃が反時計回りに回転する草刈りを使う時は正面を向き、9時〜12時の方向の部分を、右から左へ(反時計まわりに)動かします。編集部の確認不足でした。誤った情報を掲載したこと、お詫びいたします。

Jタウンネット

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