「こむら返り」を根本改善! 本気で予防したい方におすすめの対策を薬剤師が解説

2023年6月1日(木)20時30分 ココカラネクスト

「寝起きに背伸びをしたら、脚をつって強い痛みが生じた」
「運動中に突然、脚がつることが多い」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

脚のつりは、脚の筋肉が痙攣することによって生じる症状で、別名「こむら返り」と呼ばれています。

通常、こむら返りの痛みはしばらく安静にしていたり、収縮した筋肉を伸ばしてあげたりすることで治まるといわれています。

年齢が上がるにつれて起こりやすくなるため、早めにセルフケアしておくことで、こむら返りの症状に困らない快適な生活を送れるでしょう。

そこで今回は、こむら返りの原因と予防、対策についてご紹介します。

【関連記事】「こむら返り」は体からの危険信号

1. こむら返りの原因は大きく3つ

寝ているときや、急にからだを動かしたときに起こりやすい「こむら返り」。

こむら返りは、血行が悪いときや筋肉の収縮・神経の伝達がスムーズにいかないときに生じやすい症状とされ、原因として「栄養不足、水分不足、冷えや寒暖差」の3つが考えられます。

1-1. 栄養不足
こむら返りは、数ある栄養素のなかでも「ミネラルの不足」が深く関与しているといわれています。

ミネラルは、体内で合成できないため、食物から摂らないと不足しやすい栄養素で、運動時や寝ている時など、発汗時に失われやすいといわれています。

ミネラルのうち、とくにマグネシウムやカルシウム、カリウムが筋肉の収縮・弛緩、神経伝達に関係しているため、これらのミネラルが不足すると、こむら返りを起こしやすくなるといわれています。

1‐2. 水分不足
水分不足は、体内のミネラルバランスが崩れる要因として考えられ、こむら返りが生じやすくなるそう。

体内の水分(体液)には、水に溶ける電解質が含まれています。電解質は、細胞の浸透圧の調節や、筋肉・神経細胞の働きに関与する重要な役割を果たしており、マグネシウムなどのミネラルもこれに含まれます。

そのため、発汗時に水分や電解質(ミネラル)が排泄されると、筋肉や神経細胞の働きを調整する電解質のバランスが崩れ、筋肉が弛緩しにくくなってこむら返りが生じるとされているのです。

また、「熱中症」の場合にも、水分や電解質が不足して脱水が起こり、こむら返りが生じやすいため注意が必要です。

1‐3. 冷えや寒暖差
血液の巡りを停滞させる冷えや寒暖差も、こむら返りの原因といわれています。

ふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれているように、末端の血流を上に押し戻す役割があります。

しかし、そのふくらはぎの筋肉が冷えて凝り固まってしまうと、血液を心臓へ戻すポンプ作用が低下して、血行不良を引き起こし、その結果こむら返りが生じることが考えられます。

2. 繰り返すこむら返りに「漢方薬」という選択肢を

運動時や寝ているときに繰り返すこむら返りの症状には、整形外科の治療でも使われている漢方薬もおすすめです。

漢方薬は、急激に起こる筋肉のけいれんを伴う痛みに対しても用いられます。

漢方は、からだ全体のバランスを整えてくれ、こむら返りのほか、冷えや疲労など幅広い不調の改善を得意としています。

漢方薬で内側からの体質改善を目指して、こむら返りの起こりにくいからだづくりをしていきましょう。

2‐1. なぜ漢方がこむら返りに効くの?
漢方では、こむら返りのような筋肉がつった状態は、栄養や酸素を運ぶ血液などが不足していると捉えます。

普段から血液が不足した状態だと、汗をかいて水分やミネラルなど必要な成分が出ていったときに、からだが対応できず、血流の悪さや筋肉の硬さにつながると考えられます。

ですから、漢方薬で「気や血(けつ)」を補うことで、十分な栄養や酸素を末端まで送ることができ、こむら返りが生じにくくなるのです。

また、筋細胞のイオンバランスを正常化し、過剰な神経伝達を遮断することで、足のつりを改善する作用があることも分かってきています。

2‐2. 即効性はある?
漢方薬には、こむら返りに対して即効性のあるものと、こむら返りを起こしにくくするため日頃から取り入れるものの2つがあります。

こむら返りに即効性のある漢方薬には、筋肉の痙攣を寛解して鎮痛する効果をもつものがあり、一般に鎮痙・鎮痛剤として頓用されています。
(※1)

2‐3. どんな種類の漢方薬がおすすめ?
こむら返りのような筋肉の痙攣は、気や血の不足が原因であると考えられているため、気血を補い、筋肉の緊張和らげるような種類の漢方薬がおすすめです。

漢方薬は副作用が生じにくいとされていますが、自分に合っていないものを服用したり、用量を多く服用したりすると、効果が出ないばかりでなく副作用が生じることもあります。

そのため、自分に合った漢方薬を選ぶことが大切です。

以下に、こむら返りの予防や対策におすすめの漢方薬をご紹介します。

<こむら返りにおすすめの漢方薬>

・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):急な筋肉の痙攣により痛みを生じる方
筋肉の緊張をゆるめるほか、不足した気や血を補います。芍薬と甘草の組み合わせで効果がシャープにあらわれるため、漢方薬のなかでも比較的早い効果が期待できるお薬です。

・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):疲れやすく、寝汗をかきやすい方
不足した気と血を補い、からだを内側から温めて血行を促します。

3. こむら返りは生活習慣の見直しが重要

先程ご紹介したように、漢方薬はもちろん有効ですが、基本的な生活習慣や食習慣の見直しも大切です。

漢方薬で、一時的にこむら返りが緩和したとしても、食生活の乱れや運動不足が続いているとすぐに不調はぶり返します。

こむら返りが起こりやすい人は、日常生活にストレッチを取り入れたり、からだを温める食材を摂ったりすることで、日ごろからしっかり対策しましょう。

そのうえで、自分に合った漢方薬を習慣化することで、さらに不調改善が期待できます。

不調を手軽に改善したい方におすすめなのが、「あんしん漢方」のようなAIを活用した新しい漢方相談サービスです。

●あんしん漢方

4. こむら返りの原因を知り、予防と対策をしよう!

突然、脚に急激な痛みが走る「こむら返り」。これは、筋肉の痙攣が起こっている状態で、ミネラルや水分不足、冷えが関係しています。

今回は、こむら返りの予防・対策として漢方薬をご紹介しましたが、ほかのセルフケアと組み合わせることでより一層効果を発揮します。

日常生活にふくらはぎの温めやストレッチを取り入れ、食事や運動習慣を見直すことをおすすめします。こむら返りを起こしにくい、しなやかなからだづくりを心がけましょう!

参考文献
(※1)森雄材著『図説 漢方処方の構成と適応 第2版』(神戸中医学研究会)

[文:あんしん漢方]

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 杉岡 弥幸

薬剤師。北里大学で生薬学を学び、卒業後は大手漢方専門店にて漢方薬剤師として勤務。現在は自身のダイエット経験や健康に関する知識を活かして、漢方や養生による体質改善方法をWeb等で発信。
漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

ココカラネクスト

「予防」をもっと詳しく

「予防」のニュース

「予防」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ