ペットの命を守るためには、どうすればいい? 犬猫の「マイクロチップ装着義務化」を考える

2022年6月30日(木)22時0分 Jタウンネット

[かんさい情報ネットten.—読売テレビ]2022年6月9日放送の「キニナルことば」のコーナーでは、ペットについての話題を取り上げていました。

22年6月1日から、ペットショップやブリーダーなどから新たに購入される犬・猫のマイクロチップ装着が義務化されました。

「マイクロチップ」とは、専用の機器で15桁の数字を読み取ることで、登録された飼い主の情報を照会できるものです。長さ1センチほどの筒状のチップを、注射器型の器具を使ってペットの首の裏に埋め込みます。

番組が取材した「京橋コパン動物病院」(大阪市都島区)の高倉裕人院長(※高ははしごだか)は、「飼い主の元に戻れない不幸なペットを減らすために非常に役立つものだと考えています」と話します。

一方、既に飼われている場合は「努力義務」となっているため、「着けてもいいけどかわいそう。痛いやろうし」と装着をためらう飼い主の声もありました。

日本トレンドリサーチが21年12月28日〜22年1月12日に行った調査によると、「装着させたい 17.6%」「装着させたくない 55.9%」「悩んでいる 26.5%」と 半数以上が「装着させたくない」と感じているようです。

きっかけは、阪神淡路大震災

マイクロチップ装着義務化が検討されるようになったきっかけは、1995年の「阪神淡路大震災」。兵庫県南部地震動物救援本部の資料によると、この時、被災した1556頭の犬や猫が保護されましたが、元の飼い主の元に戻れなかった子がとても多かったんです。

「(マイクロチップは)現在300万頭近くの動物に入っていますが、大きな副反応は報告されていません。比較的安全は高いと思います」(高倉院長)

ただし、情報登録は飼い主の責任で、マイクロチップに情報が登録されていないと「ただ15桁のマイクロチップが埋まっているだけ」になってしまいます。

さらに「迷子」か「遺棄」かの判別が困難で、情報が登録されていても現在の飼い主かどうか判別が難しいことがあります。もし遺棄だったとしても、飼い主が「いや、人に譲りましたよ」と申告すると罪に問えない可能性も。

2020年度の環境省の統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」によると、各自治体にある動物保険センター(名称は自治体によって異なる)に引き取られた犬・猫のうち、約8割が「所有者不明」。

コロナ禍でペットを飼い始めた人も多いと言います。動物保護施設「日本アニマルトラスト」の末廣勇次代表は、「単にかわいいだけではなくて、本当に自分たちと最後まで過ごせるのか、人生設計を立てて飼育を考えてほしい」と、話していました。

なお、改正動物愛護管理法では、動物の飼い主は、その動物が命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」の責任があることが明記されています。

(ライター:まみ)

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