それただの夏バテではないかも!?疲れが取れないときは肝臓の機能低下に気をつけよう

2023年7月14日(金)20時30分 ココカラネクスト

「睡眠は十分しているのに、なぜか疲れがとれない」「いくら寝てもからだがだるい」といった状態には要注意です。

この時期でしたら、つい「夏バテ」かと放置しがちですが、もしかしたら、肝臓の機能が低下している可能性があるかもしれません。今回の記事では、肝臓の疲れをとる方法をご紹介します。なかなか疲れがとれないという方や疲れやすい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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1.疲れがとれないのは「肝臓の機能低下」かも?

いくら寝ても疲れがとれない、というときは、肝臓の機能が低下しているのかもしれません。

1‐1.肝臓の役割

肝臓には、以下のような役割があります。

・体内にとり入れた栄養を吸収する
・有害物質を解毒し、分解する
・胆汁を合成、分泌する

私たちが食べた物は、胃や腸で分解しやすい形に変えられたあと、肝臓に送られます。その後、動脈を通って体内の必要な場所へ栄養が届けられます。

また、必要のなくなった老廃物は、静脈を通って排泄されるほか、肝臓で再利用されることもあります。このような形で、肝臓は体内で重要な役割を果たしているのです。

1‐2.疲労と肝臓の関係性

肝臓の機能が低下すると、栄養素をうまく吸収できなくなったり、有害物質の解毒ができなくなったりするなど、悪影響を及ぼします。肝臓の不調はからだの不調に直結するため、結果として疲れがとれにくくなるのです。

1‐3.肝臓の機能低下に見られる症状

肝臓の機能が低下した際は、下記のような症状がよく見られるようになります。

・糖代謝異常
食事でとった炭水化物は、体内の酵素により分解・消化されて最終的にはグルコース(ブドウ糖)になります。肝臓は、グルコースを集めて作られるグリコーゲンを貯蔵したり、グルコースを供給したりする役割があります。そのため、肝臓の機能が低下すると糖の代謝に異常をきたし、低血糖になることもあります。

・タンパク質代謝異常
肝臓でタンパク質を分解する際に、アンモニアが生じます。アンモニアを解毒するのも肝臓の役目ですが、肝臓の機能低下によりタンパク質の代謝に異常をきたすことがあります。

・脂質代謝異常
脂質の代謝に異常をきたすことで脂肪が吸収されず、白色の便が出ることがあります。

2.肝臓の働きをよくして疲れをとる方法

以上のような理由から、肝臓の機能を高めることは疲労の解消につながることがわかります。

以下では、肝臓の働きをよくし、疲れをとる方法について紹介します。

2-1 タンパク質やビタミン、ミネラルを摂取する

良質なタンパク質やビタミン、ミネラルなどを積極的に摂取すると、肝臓の働きがよくなります。肉類や魚介類、大豆に卵のほか、野菜や海藻、きのこなどを摂るようにしましょう。

2-2 休肝日を作る

お酒の飲み過ぎは肝臓の不調に直結します。週に1〜2日、お酒を飲まない「休肝日」を作るようにしましょう。

2-3 こまめな運動を習慣づける

ウォーキングやランニングなどの有酸素運動をするのも有効です。肝臓に余計な脂肪が蓄積することで起こる「脂肪肝」は、1日30分の有酸素運動を行うと改善につなげられます。

3.肝臓からくる疲労には漢方薬でのアプローチも

肝臓からくる疲労のなかでも、からだのだるさや疲れやすさなどには、漢方薬の力を借りるのもおすすめです。

慢性肝炎や肝機能障害、胃腸障害などには、肝臓によい働きをする柴胡(さいこ)が含まれている漢方薬から選びます。

また、血流を改善し、免疫力を上げることで肝臓の機能を回復させたり、水分の循環をよくして老廃物を排出させたりすることで、肝臓の機能を回復させ、働きをサポートするような漢方薬もあります。

漢方薬は自然由来の成分でできており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされています。また、1つの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは違い、体質改善や根本改善を目的としているという特徴もあるのです。

血流が改善されれば栄養が全身に行き届くので、疲れも回復させます。水の巡りがよくなると、自律神経も整い、疲れやストレスに負けないからだを作ることもできます。

毎日決められた量を飲むだけでよいため、食事制限などの面倒もなく、手軽に始めることができるというのも利点です。

さらに、漢方には「肝」という考え方があります。これは肝臓だけではなく、精神や自律神経など幅広い概念を指す言葉です。

さまざまな要因で肝臓が不調をきたすと、精神が高ぶり、ちょっとしたことでイライラしてしまうことも。このような状態を「肝が高ぶる」と呼ぶこともあります。この「肝の高ぶり」や、肝臓の機能低下にアプローチする漢方薬を以下にご紹介します。

<肝臓からくる疲労を改善したい方におすすめの漢方薬>

・小胡柴湯(しょうさいことう):肝が高ぶり、精神が不安定な方
「柴胡(さいこ)」は、肝臓によい働きをする生薬です。肝臓の炎症を抑え、肝の高ぶりからくるイライラやストレスなどの精神面にもアプローチします。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸の働きが衰え、疲れやすい方
胃腸の働きが衰えて、疲れやすさやだるさを感じているのであれば、こちらがおすすめです。

漢方薬にはさまざまな種類があります。自分に合った漢方薬を選ばなければ、思ったような効果が得られない可能性があるほか、副作用が出てしまうこともあります。

インターネットで手軽に相談することができる「あんしん漢方」のようなサービスを利用すれば、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを確認できるでしょう。

●あんしん漢方

4.肝臓の機能低下に注意しよう

肝臓の機能が低下すると、だるさを感じたり疲れやすくなったりすることを紹介しました。

これらの症状を改善するためには、食生活を変えたり、漢方薬をとり入れたりするなどの方法がおすすめです。気になる方は「あんしん漢方」のサービスもぜひ試してみてはいかがでしょうか。

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

医師 木村 眞樹子

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットをいかしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

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