発声は嚥下機能と心に有効なエクササイズ

2023年7月21日(金)18時0分 ココカラネクスト

声を出すことの効き目

メガホンで目一杯の声援を送れる時が再来する?

ネコも感情を声に出します

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 「サルコペニア」とは、年を取ったり日頃の生活習慣によって筋肉が減ってしまうことです。筋肉量は20歳から減少し始めて70歳ではその半分になってしまいます(※1)さらに心身の気力,活気,原動力がなくなって虚弱(フレイル)状態になって、さまざまなところに悪影響があらわれてしまいます。それはのどの機能低下も同じで、のどが弱るのは声を出さなくなるから。声を出さないでいると声帯がやせてしまいます。そしてゴックンと飲み込む力も弱って、誤嚥性肺炎の原因にもなり兼ねません。「沈黙は禁」とも言われています。(※2)

当然日常生活の中で相手とお話しすることは重要です。

敢えて大きな声で歌を歌ったり、スポーツ観戦の最中に思わず声援を送ったりすることは、人間として自然な感情表現ですよね。

さまざまなスポーツのアスリートたちは、「みなさんの声援のおかげで頑張ることができました!!」と試合後のインタビューに答える場面をよく見聞きします。応援の中でも声援は言葉が耳に届くので、より一層モチベーションを高めてくれます。声援は選手の頑張りや潜在能力を引き出す力を持っているのでしょう。その裏付けとして、ドイツサッカーリーグの無観客試合でホームでの勝率が2割に下がっているとの報告があります。イングランドプレミアリーグでは中立地で試合を行うことを検討しているそうです。(※3)

ホームであれアウェーであれ、サポーターから寄せられる応援や重圧が勝敗を左右する。声はメンタルからフィジカルに影響を及ぼす、顕著な一例なのかも知れません。

大相撲では呼出しの呼び上げと、それに加えて行司の掛け声「はっけよい!」「残った!残った!!」は相変わらずの声量です。もしこれらの大きな声も禁止されたら、今以上に静かな内にただ淡々と取り組みが進む・・・と。

又、今は「たまり席」に座れないし、4人用の升席は1人しか入れない。横綱土俵入りで四股を踏む際の「ヨイショ!」は拍手に替わってしまいました。

身近で起こった寂しい変化としては、自宅近くの都立公園でのコーラスサークルの歌声がなくなってしまいました。週末になると広々とした園内に、「ふるさと」などの旧文部省唱歌が多く歌われていました。その歌声はむかしを思い出させてくれたのですが、今はそれもありません。

歌舞伎の大向うからの掛け声は演技のタイミングを取ったり、会場の雰囲気を引き締める効果があったそうです。だけどそれも禁止されています。役者の演技に対する乗りを助長してくれたでしょうに。

クラッシック音楽界でも「ブラボー!」の掛け声が禁止されています。(※4)

今新型コロナの感染対策として、3密を避けることが勧められています。さらに大声を出さないことも飛沫感染のリスクを下げる効果があるといわれています。公衆衛生の中でも防疫対策として致し方ない活動制限です。

声を出すことは、嚥下等ののどの機能を守ることと、精神的な健康維持に有効な方法なのです。新しい生活様式(ニューノーマル)に沿って実行しましょう。

【出典】
(※1)健康マスター普及認定講師資格更新eーラーニング講座Ⅰ 「健康寿命は、のばせる」
(※2)高牧康 著 60歳からはじめる「のどピコ体操」
(※3)2020年6月3日 読売新聞 スポーツ面
(※4)2020年8月28日 同紙 新たな日常

[文:健康わくわくサイト]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸

幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 〜 免疫検査を通しての患者様への想い 〜 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。

ココカラネクスト

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