石垣だけの城址が、「日本の城」トップ5入り! 大分・岡城の魅力を探る

2018年9月3日(月)11時0分 Jタウンネット

2018年8月21日、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」は、「旅好きが選ぶ!日本の城ランキング2018」を発表した。1位の姫路城(兵庫県姫路市)、2位の二条城(京都府京都市)と著名なお城が並ぶ中、5位にランクインしたのが、大分県竹田(たけた)市の岡城址だ。天守閣や櫓を持たない、石垣だけが現存する城郭ではトップの順位となった岡城。その魅力を探ってみた。


「荒城の月」のモデルとなった歴史と、壮大な景観


岡城の歴史は、1185年に緒方惟栄(これよし)によりこの地に築かれた山城に遡るという。現在の遺構は、1594年から中川秀成(ひでしげ)により築かれたもので、以後江戸時代を通じて中川氏の居城として栄えたが、1871年の廃城令でほとんどの建物が取り壊され、石垣だけが残っている。


そして明治時代には作曲家の滝廉太郎が竹田で少年時代を過ごし、この城に着想を得て名曲「荒城の月」を作曲したといわれており、竹田市内には滝廉太郎記念館もあるという、長い歴史に彩られた城だ。


話をランキングに戻すと、これはトリップアドバイザーに寄せられた旅行者の口コミをもとに順位付けがされたもの。実際に現地を訪れた人のリアルな評価が反映されているが、


「堅牢な石垣が西洋の城塞のよう」

「紅葉と石垣が調和した絶景がすばらしい」

といった口コミが国内外を問わず目立つ。山城である岡城からは遠く阿蘇山や、くじゅう連山 までも望むことができ、石垣の上の木々は桜に紅葉と、四季折々の景観をみせてくれて、「インスタ映え」すること請け合いで、旅行者の満足度の高さもうなずける。


この結果についてJタウンネットが18年8月下旬、竹田市文化財課に取材し、地元の反応をうかがった。担当者からは、


「城好きの皆さんが高く評価してくれて、光栄に思います」

「山城としては広い規模と立派な石垣を持つ城です。高齢者や身体の不自由な方のために登城バスの運行もはじめていますので、じっくり時間をかけて楽しんでもらいたいと思います」

「城下町の竹田市には武家屋敷、滝廉太郎記念館、さらには隠れキリシタンの洞窟礼拝堂といった歴史豊かな名所と文化財があります。岡城と合わせて、散策して観光できるまちづくりを進めています」

という声をいただいた。


約100年前、滝廉太郎が「荒城の月」で昔日の繁栄に思いをはせた岡城。今、その武骨なたたずまいと雄大な景観に魅了され、ふたたび人々が集まっているようだ。


Jタウンネット

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