「車道の真ん中でコケて動けなくなっていたヤンキー。私が助けに駆け寄ると、遠くから眺めていた人たちが...」(埼玉県・50代男性)

2023年9月30日(土)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜自慢になってすみません〜 投稿者:Uさん(埼玉県・50代男性)

Uさんはその日、スクーターに乗った男性が事故を起こした場に居合わせた。

周りの人が遠くから様子をうかがう中、Uさんが慌てて駆け寄ると......。

<Uさんの体験談>

駅に近い二車線の道路が少し渋滞していたときのこと。

若者が片車線の真ん中をスクーターで走行中、自損事故でこけたようだ。

「ガチャン」という音を聞いた歩道の人は、何ごとか?と遠くから眺めていた。

信じられないことが起き...

こけた彼はヤンキーの兄ちゃんで、立ち上がれないようだった。

その時、突然30メートル前方から振り返りざまに、猛ダッシュで現場に走って来る男がいた。私だ。

立ち上がれない彼に近づき「大丈夫か?」と声を掛けた。

すると、信じられない奇跡がその場で起きた。周りで眺めていた多くの人達が、一斉に集まって来たのだ。

肩を貸して倒れた彼を起こす人達、スクーターのエンジンを切って道端に移動させる人達、交通整理をする人達など、それは見事だった。

結局、自分は1番はじめに来たにも関わらず、何をしたらいいのかも分かずモタモタして、テキパキと動く人達を眺める羽目になってしまった。

鈍臭い、活躍出来ない無能さを少し嘆いてしまった。かっこいいヒーローにはなれなかったのだ。

彼と周りの皆様の様子を見て、まぁこれで大丈夫だろうと安心し、こっそり立ち去ろうとした時だった。

他人の肩を借りて辛そうに歩く彼が、私を見つけて言ったのは、「ありがとう」だった。

彼は始めに声を掛けた自分のことを覚えていたらしい。自分も役に立てたのかなと思うと少し嬉しくなった。軽く会釈してお返しをした。

当時、キリスト教の聖書にある善きサマリア人の話が大好きだった私は、彼と隣人になれた気がした。

誰かに聞いてもらいたい「親切自慢」、聞かせて!

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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