史上最多57校が出場、第100回箱根駅伝の予選会を突破する「13校」はどこだ!

2023年10月13日(金)8時0分 JBpress

文=酒井政人


予選会には史上最多の57校が出場

 2024年の正月に開催される第100回箱根駅伝。その予選会が明日、10月14日に行われる。記念大会のため例年より出場校が「3」増枠。第99回大会で10位以内に入った駒大、中大、青学大、國學院大、順大、早大、法大、創価大、城西大、東洋大はシード権を持つため、秋の立川決戦で残りの出場校「13」が決まる。なお今回、関東学生連合は編成されない。

 そして参加資格は例年の「関東学連登録者」から「日本学連登録者」に拡大。関東学連以外からは、札幌学大、皇学館大、愛知工業大、中京大、信州大、京産大、立命大、大阪経大、放送大関西、環太平洋大、日本文理大の11校が参戦する。出場校は前回から14校増えて、史上最多の57校となった。

 選考会は各校10〜12人が出走。一斉スタートして、ハーフマラソンの上位10人の合計タイムで争われる。例年より華やかな予選会。プレミアムチケットを獲得する大学はどこなのか。過去の実績とエントリー状況から探っていきたい。


通過が有力視される8校

 前回トップ通過で6月の全日本大学駅伝関東学戦推薦校選考会も2位通過した大東大がトップ候補になるだろう。他にも資格記録によるエントリー10000m上位10人の平均タイムで1〜7位につける東海大、東京国際大、山梨学大、帝京大、中央学大、日体大、国士大も通過が濃厚だ。

 東京国際大、山梨学大、国士大はケニア人留学生で貯金が可能。特に東京国際大のリチャード・エティーリ(1年)は入学早々、5000m(13分00秒17)と10000m(27分06秒88)で学生記録を樹立しており、ハーフマラソンでも凄いタイムを打ち立てるかもしれない。

 中央学大は前回まさかの落選。全日本選考会もエース吉田礼志(3年)の失格で記録なしに終わったが、通過できるだけのレースを見せていた。帝京大は今年の箱根駅伝で1区を務めた小野隆一郎(4年)が未登録も、予選会の走りを熟知しているチーム。日体大も前回5位通過を果たしており、伝統の力で76回連続出場を死守するだろう。

 ただし、このなかで東海大は若干の不安がある。エース石原翔太郎(4年)と3年生主将・越陽汰が登録メンバーから外れたからだ。前回の予選会はブービー通過と大苦戦。しかも上位10人のうち5人が卒業して、チームトップだった吉田響(現・創価大)と同2位の石原は出場しない。花岡寿哉(2年)らスピードランナーの走りでどこまでカバーできるのか。


滑り込むのはこの5校

 順当なら残りは5校。ここからは大混戦だが、ボーダーラインを突破するのは明大、東農大、神奈川大、専大、麗澤大だと予想する。

 明大は全日本選考会の敗退後、山本佑樹前監督から山本豪新監督に交代した。前回は2位通過しており、今回も児玉真輝、杉彩文海ら実績ある4年生を軸にクリアするだろう。

 東農大は6月の全日本選考会を5位で突破。14年ぶりの伊勢路を決めた勢いがある。同選考会で10000mのU20日本歴代2位(28分03秒51)を叩き出したスーパールーキー前田和摩と10000m28分10秒台を持つ高槻芳照と並木寧音の4年生コンビを軸に上位進出の期待も十分。100回大会のメモリアルに10年ぶり70回目の出場を決めたい。

 神奈川大は前回次点で落選したが、主力3人を欠いたのが原因だった。全日本選考会でも通過ラインに22秒差と迫っており、持ち味を発揮できれば通過できるはずだ。

 専大は昨年の予選会で日本人トップだったエース木村暁仁(4年)が登録メンバーから外れたが、10000m上位10人の平均タイムは14位。近年、予選会の走りが抜群にうまいだけに、今回も滑り込むのではないだろうか。

 麗澤大は2018年と2019年に次点で敗退するなどボーダーラインに何度も肉薄してきたチームだ。昨年度からケニア人留学生が加入して、前回は14位。6月の全日本選考会は過去最高の11位に入り、日大、専大、日体大、山梨学大などを上回った。ビッグチャンスをものにしたい。

 すでに13校を挙げたが、例年、予想はすべて当たらない。これから挙げる大学にも可能性は十分にある。

 前回6位通過で55年ぶりの復活を果たした立大は上野裕一郎駅伝監督が電撃解任された。戦力は前回以上だが、非常に難しい戦いになることが予想される。

 日大、拓大、駿河台大、亜細亜大、上武大、日本薬科大はケニア人留学生を擁するチーム。なかでも今季から高校駅伝で実績を積んだベテラン監督が就任した日大(新雅弘監督)と拓大(井上浩監督)はどこまで上げてくるのか。国立大では筑波大に本戦出場の期待がかかる。

 関東以外はハーフマラソンの経験が乏しく選手層も厚くない。加えて、全員が初めての箱根予選会となる。突破は簡単ではなく、20位以内に入れれば健闘といえるだろう。そのなかでどんなレースを見せるのか非常に楽しみだ。

 毎年のように〝サプライズ〟が飛び出す箱根駅伝予選会。スタートは14日の朝9時35分だ。夢の舞台を目指す学生ランナーたちの激走に声援を送りたい。

筆者:酒井 政人

JBpress

「史上最多」をもっと詳しく

「史上最多」のニュース

「史上最多」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ