オリーブ畑に「ツッパリ」オリーブ、トイレの中でアートの一部に... 超開放的な瀬戸内国際芸術祭で「芸術の秋」を満喫してきた件【愛煙家記者の喫煙環境調査】

2022年10月17日(月)18時0分 Jタウンネット

猛暑も過ぎ去り、素肌を出すと寒さを感じる季節がやってきた。食に読書に芸術に、楽しみがいっぱいの「秋」である。

Jタウンネット記者も9月になって早速「芸術の秋」を体験してきた。瀬戸内国際芸術祭に行ってきたのだ。

瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海に浮かぶ12の島と、高松港(香川県)・宇野港(岡山県)の2つの港を舞台に繰り広げられる3年に1度の現代アートの祭典。

2010年に第1回目が開催され、22年で5回目になる。

ちょうど8月末に取材で香川に行く予定があったので、記者はそのまま、会場のひとつである小豆島に渡ることにした。

圧倒的な存在感を放つアートの数々

瀬戸内国際芸術祭の会期は3回に分けられ、「春」が4月14日〜5月18日、「夏」が8月5日〜9月4日、「秋」が9月29日〜11月6日。

筆者が訪れたのは9月1日だったが、秋会期にも展示されている作品を紹介する。

西の玄関・土庄港から小豆島に降り立った筆者を最初に出迎えてくれたのは、チェ・ジョンファさん作の「太陽の贈り物」だ。

小豆島名物・オリーブの葉を王冠の形にした彫刻で、黄金の円環からは美しい海がのぞく。ただ眺めているだけでも心が清くなる海が、さらに輝いて見えた。

「太陽の贈り物」から歩いて数分の場所にある土庄港ターミナルビル(アートノショーターミナル)では、世界的なファッションデザイナーであるコシノジュンコさんの「対極の美—無限に続く円—」が展示されている。

コシノさんのドレスを3Dスキャンで造形化した作品で、頭や腕の部分から「円」が連なるように伸びている。動いているわけではないのに躍動しているようで、ドレスを着た人が踊っている姿が頭に浮かんだ。

海に浮かぶアート作品も

土庄港から移動し、中央よりやや東にある草壁港エリアにも足を運んだ。

草壁港には、なんと海に浮かぶアート作品がある。

こちらはシャン・ヤンさんの「辿り着く向こう岸」という作品。台船を接岸させ、その上に船の形をした作品が乗っているダイナミックなアートだ。

圧倒的な存在感を前に立ち尽くすことしかできなかった。ただ、外から眺めるだけでは終われない。「辿り着く向こう岸」は台船に上がれるのだ。

船上にあるのは中国で廃棄された家具や建具を集めて修復して組み合わせたオブジェ。独特な柄の彫刻や格子など細かい見どころが多い。この作品の観賞だけでも1日が終わってしまいそうだ。

草壁港には他にも驚く作品があった。中山英之建築設計事務所の「石の島の石」だ。

ただの大きな彫刻なのかと思いきや、この作品は現役の公共トイレ。内部には半透明の壁から入り込む優しい自然光が降り注いでいる。心地良く用を足しながらアートの一部になるなんて......不思議な体験だった。

小豆島名物がツッパリに!?

草壁港からも近い醤の郷エリアにも訪れた。ここには小豆島らしさ溢れる作品がある。

その名も「オリーブのリーゼント」。オリーブ畑の中でオリーブに似た顔のオブジェがバリバリのリーゼントを決めているという清水久和さんの作品だ。ストレイ・キャッツをこよなく愛する筆者はどうしてもこの作品が見たかった! やっぱり、ツッパリはアートになっても最高だぜ!

「オリーブのリーゼント」を見たところで作品鑑賞は終了。約4時間の弾丸行程であまり多くの作品は見られなかったが、それでも小豆島で瀬戸内国際芸術祭の魅力の一端に触れることができた。

......ところで、非常に個人的な話で恐縮だが、記者は喫煙者である。どこに行くにもたばこを吸っていい場所がちゃんと整備されているのかどうかが気にかかってしまう。芸術祭は楽しみではあったが、そこでの喫煙環境については少々不安だった。

なんせ会場は瀬戸内海の島。これまでにご覧いただいた通り、多くの展示物が屋外にある。喫煙者が訪れれば、開放的な空気の中、芸術によってもたらされた感動をより深く味わうために好きな場所でたばこを吸ってしまいかねないと思っていたのだ。

しかしそんなことはなく、周りを気にせずその辺でたばこを吸っている人はいない。地面に吸い殻が落ちている、というようなこともない。

何故かと言うと、灰皿が各所に設置されていたからだ。

今回の短い滞在の中でも、「太陽の贈り物」がある土庄港、「対極の美—無限に続く円—」がある土庄港ターミナルビル(アートノショーターミナル)、「オリーブのリーゼント」がある醤の郷エリア、道の駅 小豆島オリーブ公園内にある資料館・オリーブ記念館の4か所で喫煙所を発見。これだけあれば、心配していた「無法地帯」のようにはならないだろう。

「芸術の秋」を楽しむことに、吸う人も吸わない人も関係ない。だからこそ、それぞれが快適に過ごせる空間になっていたことは、愛煙家としてありがたく感じられた。

Jタウンネット

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