広島でカキの水揚げ解禁! 新しい水質浄化作戦も進行中

2017年10月22日(日)7時37分 Jタウンネット

[Jステーション−広島ホームテレビ]2017年10月12日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、養殖カキのための水質改善の取り組みが紹介されました。


10月から漁が解禁となり、いよいよカキのシーズン到来です。そんな中、養殖カキの生産量を上げる、新たな取り組みが始まっています。


今年の出来は例年並みということです。マルキン水産の伊予谷伸一さんは、「水温が下がるとカキも産卵から実入りに変わる、栄養を蓄えだす。焼きガキもよし、カキフライもよし、どんどん食べてください」といわれていました。


そんな養殖カキですが、ある現象によってピンチとなっている場所があります。それは、広島湾内にある坂町漁協の養殖場です。ここでは、去年養殖カキの7割もが、死んでしまったといいます。


広島大と漁協が協力、生産量アップにつなげたい


その原因は、海底にたまったヘドロ。ダイバーの石山健さんは、「(ヘドロは)相当量あると思う」といわれていました。水深は、およそ13メートルと浅いため、ヘドロが堆積しやすいのです。


ヘドロがたまると、硫化水素が発生して酸素が足りなくなり、カキが窒息してしまいます。坂町漁協の長船幹成組合長は、「水温が高いと産卵時期に体が弱り、カキが死にやすい。それが去年は特にひどくて」といわれていました。


特に夏場は影響が出やすく、例年だと3割以下の被害なのに、去年は7割にもなったそうです。長船組合長は、「将来的にもっとひどくなるんじゃないかという懸念があるので、早くから対策をしたい」といわれていました。


漁協は広島大学などと協力し、2つの水質浄化対策を始めました。1つは、石炭灰から作ったハイビーズと呼ばれる粒を、海底に敷き詰めるもの。もう1つは、ヘドロに含まれる有機物を食べ、電気を作る微生物による浄化方法です。この微生物燃料電池は、ヘドロと海中に電極を入れ、電子の動きを利用し、有機物を分解するそうです。


実験は6月から始まりました。広島大学大学院海岸工学のスタッフによると、水中の硫化水素の発生が抑制されたといいます。同大学のナロン特任助教は、「ある程度成功です。効果を確認できた。今後水質改善するには、広いスケールでやらないといけない」といわれていました。


広島のカキを守る取り組み、さらなる進化を望みたいですね。(ライター・石田こよみ)

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