夜な夜なやってくる者の正体は?夫婦が不寝番をすると、侵入者はなんと裸である作業を始め…

2022年10月28日(金)14時28分 マイナビ子育て

親子で楽しみたい物語をご紹介している本連載「親子のためのものがたり」。今回はグリム童話の一つ、「小人のくつ屋さん」を取り上げます。短いお話なのであらすじは簡単に覚えられるでしょう。絵本で読むのとは違うよさとして、小人はどんな姿なのか、ぜひ子どもの想像力を刺激してあげてください。

「小人のくつ屋さん」を子どもに聞かせよう!

海外の童話といえば、一二を争うほど有名なのがグリム童話でしょう。「シンデレラ」や「赤ずきん」、「白雪姫」などは知らない人はいないほど有名です。そんなグリム童話の一つが「小人のくつ屋さん」。かわいい小人が出てくる楽しいお話を親子で楽しみましょう。

「小人のくつ屋さん」のあらすじ

朝になるとなぜかくつが出来上がっている

あるところに、心根はよいけれども貧しいくつ屋さんがいました。一足のくつを作るだけの皮しかもう残っていません。ある夜、翌朝に仕立てようと皮を裁ち切っておき、お祈りを唱えて眠りにつきました。

朝になって仕事に取りかかろうとすると、一足のくつはすでに出来上がっています。くつ屋はびっくりし、間近に見てみようとくつを手にとりました。それは素晴らしい出来のくつで、まるで匠の手によって仕立てられたかのようです。

そのくつを買ったお客さんは大満足で、余計にお金を支払ってくれました。そこで今度は二足分のくつが作れるほどの皮が買えます。

その夜も、翌朝に仕立てようと皮を断ち切ってから眠りました。すると今度も、起きたときにはもう出来上がっています。お客さんも大変満足し、お金もたんまりふところに入って、四足分のくつが作れるだけの皮を買うことができました。

そしてその翌朝には四足のくつが仕上がっていて……。こんな調子がどんどん続いていき、くつ屋さんはお金もちになりました。

\ココがポイント/✅貧しいくつ屋がいた✅ある夜、皮を断ち切ってから寝たら、朝にはくつが出来上がっていて、そのくつは高く売れた✅同様のことが続き、やがてくつ屋はお金持ちになった

夜中にくつを仕上げていた正体は小人

クリスマスも近いある夜、皮も裁ち終わったくつ屋さんは、奥さんに言いました。「今夜ためしに寝ずの番をして、どなたが手助けしてくれているのか、確かめてみるのはどうだろう」奥さんもうなずいて、明かりもつけておき、二人は部屋の隅に身を隠しました。

夜がふけた頃に現れたのはふたりの小人です。服は何も着ていませんでした。小人は仕事に取りかかります。小さな指で上手に素早く縫っていく様子にくつ屋さんも驚きで目が離せません。やがてくつが仕上がると、小人は走り去っていきました。

\ココがポイント/✅くつ屋と奥さんは、だれがくつを作ってくれているのか確かめることにする✅くつ屋を手伝っていたのはふたりの小人だった

小人へのお礼として洋服とくつを贈る

翌朝になって奥さんはくつ屋さんにこう言います。

「あの小人さんたちがわたしたちをお金もちにしたのですから、お礼をしなくちゃ。服を身につけていないから寒そうだわ。わたしは小さな下着に、上着、それからチョッキとズボンを縫いますよ。それにくつ下も。あなたはそれぞれに、くつを一足、作ってあげなさいな」

そこでその夜、贈り物を机の上に揃えておき、小人たちがどう振る舞うのか、見届けることにしました。夜がふけてやってきた小人たちは、ぴったり体に合ったきれいな服を見つけます。びっくりして立ちすくみますが、すぐに嬉しくなって着てみました。そして、歌を歌うのでした。

さ ぼくらも おしゃれさん!もう くつ屋は にあわない!

そして小人たちはおどり回ったり飛び跳ねたりし、とうとう戸口からおどり出ていきました。

そのとき以来、小人たちは出てこなくなりましたが、くつ屋さんは何でもうまく行く人生を送りました。

\ココがポイント/✅くつ屋の夫婦はお礼に服とくつを小人に贈ることにした✅服とくつをもらった小人はもうやってこなくなったが、くつ屋はその後もよい人生を送った

子どもと「小人のくつ屋さん」を楽しむには?

代わりにくつを縫ってくれていたのは、まさか小人だったとは。ファンタジー色があって不思議なお話でしたね。子どもも「なんで? なんで?」と興味津々で聞いてくれそうです。

お子さんには・小人ってどんな姿をしていると思う?・ここにも小人はいると思う?・どうして小人はくつ屋を手伝ってくれたのかな?などと聞いてみましょう。

また、小人の歌のところでうまく節をつけてあげると、親子で盛り上がるかもしれませんね。ぜひ試してみてください。

まとめ

心根のいい靴屋さんに訪れた不思議な出来事。小人に対してお礼の心を持っていたからこそ、そのあとも豊かで幸せに暮らしたのでしょう。人に感謝する気持ちを忘れないことの大切さを伝えたいときにも、ぴったりのお話ですね。

(文:千羽智美)

※画像はイメージです

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