東京最強の定食の一つ「ブタカラ定食」を荻窪『ことぶき食堂』で食べてきた！

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　新米が登場し、ごはんが美味しくてたまらない昨今。お店に行くと、ついつい定食を食べたくなります。味噌汁にお新香、そして秋刀魚や生姜焼き。そしてツヤツヤのご飯。最高ですね。

　とくに定食で安定して人気なのは「から揚げ定食」ですが、今回は、鶏のから揚げならぬ、豚のから揚げ定食が名物の東京・荻窪の『ことぶき食堂』をご紹介したいと思います。創業1956年、今年で64年目を迎える老舗の町中華で、通称「ブタカラ」定食を食べに行ってきました。

　というわけで店に向かったその日、ネットで「通し営業」という情報を見て、お昼遅めの午後2時半すぎにお店に到着。店の扉にはグルメ雑誌に掲載されたブタカラ定食の写真が貼られていて、見るからに美味しそう。

荻窪駅から徒歩約10分。環八通り沿いにあります

　期待を胸に、いざ扉を開けたのですが、予想外の残念な結果に。なんと、お店の方が「すいません。今日はご飯が終わっちゃったんですよ〜」と申し訳なさそうに頭を下げるのです。よく見れば、現在、営業は15時までとガラス戸にちゃんと貼ってあるではありませんか。お店は悪くありません。ネット情報を鵜呑みにした自分の確認不足です。

　実は、最近こういうことが続いていたのです。ネット情報だけを見ていくと、ある店では臨時休業で開いていなかったり、営業していてもテイクアウトだけだったり、ラストオーダーが早まっていたり。新型コロナウィルスの影響もあり、まだまだお店の営業スタイルもまた不定期なことが多いんですね。

　特に今回のような人気店の名物料理を食べに行くなら、もっと用意周到に行くべきでした…。というわけで、後日、電話で営業確認をし、オープン直後に友人と2人で再訪してみました。

いざブタカラ定食を実食！

魅力的なラインナップがずらり

　いよいよ待ちに待った「ブタカラ」とご対面できる日。店内に入ると定食メニューに堂々「豚肉のから揚げ」（900円）と表記され、人気No.1と書いてあります。筆者はそれをオーダー。友人は、「ラーメン・チャーハンのサービスセット」（900円）を注文しました。

　待つこと数分。待望のブタカラが登場しました。友人の目が予想以上にキラキラ輝き、「おー！」と小さく歓声を上げています。

「豚肉の唐揚げ定食」（900円）。味噌汁、ご飯、お新香付き。味噌汁は、注文が入るたびに味噌を溶いて出してくれます

　薄い片栗粉の衣に覆われた豚の唐揚げは見るからにカリッとしています。1番下のブタカラがすぐ上のブタカラを、さらにそのブタカラがその上のブタカラを支え、まるで組体操のごとくしっかりした山を作っているのです。

　その頂上から1枚を取り、食べてみると、ニンニクとショウガ、そして香ばしい醤油の香りが鼻を抜けて、サクッと音を立ててふわりと噛み切れます。硬くなりがちな豚肩ロースなのに、じつに柔らか。醤油ダレにはほんのりと酸味が加わっていて、油っぽさやくどさはゼロ。こんな美味しい豚の唐揚げ食べたことがありません。思わず目が丸くなります。

肉だけでたっぷり200g

　そして、このブタカラを受け止めるご飯がまた絶品。お米1粒1粒がツヤツヤと輝き、みずみずしく、粒の硬さの塩梅も完璧。ご飯にブタカラをワンバンドさせてから、一緒に口に放り込むと、もう、目も鼻も歯も舌も心も全てが幸せな気持ちに。

　そしてお味噌汁は、カツオ節や煮干しのお出汁がきいていて、さらにお新香のぬか漬けも塩味、旨み、のバランスも最高。文句のつけどころないパーフェクトな定食です。

丁寧に炊いたことがわかるご飯。箸が止まりません

　友人とブタカラをシェアしつつ、1つしかない白飯茶碗を奪い合うことに。そして友人が注文した「ラーメン・チャーハンセット」も登場しました。ラーメンはシンプルな醤油スープ。チャーハンは、豚肉とタマネギ、卵が入ったパラパラしっとりタイプです。

見た目は町中華らしいシンプルなラーメン

　友人はブラカラ定食から離れ、ラーメンをすすります。そして「こういうのでいいんだよね」と嬉しそうに呟き、さらに半チャーハンも食べて、ウンウンと頷いています。しばらくすると、レンゲにチャーハンをのせて、ラーメンのスープに浸して食べ始めました。「こうして食べるとさらに美味しいよ」と勧めてくるのです。

チャーハンは味をやや薄めに仕上げられている

　そこで筆者も真似してみると、ラーメンの魚介系の出汁が詰まった醤油スープと、薄味で、さっぱりしたチャーハン。この2つが出会うと、まさに旨みの黄金比！　今度は、白飯ではなくラーメン＆チャーハンの奪い合いです。

　二人で米1粒、スープ1滴残さず完食。感動のあまり食べ終わっても席を立てません。そして、もう一度メニューを見てしまいます。「どのメニューも間違いなく美味しいよね」、「次は、アジフライ定食にしよう」、「カレーも気になる」、「でも絶対またブタカラは食べたいよね」と、テンション上がりっぱなし。

　というわけで、荻窪に行ったら、ぜひ『ことぶき食堂』でブタカラを食べてみてください。最高ですよ。ただし、現在、昼だけの営業のようなので、事前の営業確認をお忘れなく。

（撮影・文◎土原亜子）

●SHOP INFO

店名：ことぶき食堂

住：東京都杉並区桃井1-13-16
TEL：03-3390-0545
営：11:30〜15:00（※営業時間は状況によって異なるため事前にご確認を）
休：日曜（祝日は不定休）