「通勤ラッシュの電車で横からどんどん押してくる女性客。空席を狙う私は必死で競り合ったけど...」（兵庫県・60代女性）

シリーズ読者投稿〜自慢になってすみません〜　投稿者：Sさん（兵庫県・60代女性）

その日、Sさんは混雑する電車の中で席が空くのを待って立っていた。

すると、隣にいた見知らぬ女性がSさんの体を押してきて......。

＜Sさんの体験談＞

今から20年近く前のことです。電車通勤をしている時はいつものことですが、私は静かな座席取り争いをしていました。

その日も車内は結構混んでいて、私は座席前に立ち吊り革を持っていました。

誰も助けてくれなくて...

そんな時、隣の若い女性が私を押してくるように感じたので、「私の前の席が空くのを狙ってるのかな」と思い、必死で競り合っていました。

ところが、その女性はどんどん私を押してきて、最終的にはもたれかかってきたんです。

困惑している間に、気づけば勤務先の最寄り駅に到着。

「今日も座れなかったか〜」と思いつつ、私が出口の方へ行こうと動いた瞬間、先ほどの女性が私にどっとしなだれかかってきました。

私はそれを受け止めるしかなく、仕方なくその女性を後ろから抱きかかえたまま電車を降りました。

周りは朝の通勤ラッシュで誰も助けてくれる人はおらず、女性を抱きかかえたまま私はひとり立ち尽くしていました。

周りの人に「すみません、駅員さんを呼んでください」と叫んで、やっと助けが来てくれたのですが、駅員さんも慣れてないのかどうしていいのかわからない様子。

取り敢えずホームの駅員室に連れて行きましょうと言われ、その時も1人で女性を抱きかかえたまま移動しました。

「昨日から何も食べてない」

その女性は身体に力が入らなかったようで、駅員室に入ってようやく椅子に座ってもらいました。

その後、「取り敢えず救急車を呼んで欲しい」と駅員さんに伝えて、その女性が落ち着くまでそばで見ていました。

しばらくしたら少しずつ事情を話してくれて、彼女が一人暮らしの大学生であるということがわかりました。地方から出てきているため、頼る人が居ないとのこと。「朝ご飯は食べた？」と聞くと、「昨日から何も食べてない」とも言っていました。

結局、勤務先にも電話で連絡できずその日は遅刻してしまいましたが、あの時女性に押されても無視して降車しなくて良かったなと思いました。

地方から単身飛び出してきての1人暮らし、お金もそんなにたくさんなかったのだと思います。そんな彼女と座席取り争いをしていたかと思うとなんとも恥ずかしいことでした。

あの時の女性もちょうど当時の私の年齢くらいになってるはず。今頃元気にしてるのかな、と時々思い出します。

誰かに聞いてもらいたい「親切自慢」、聞かせて！

Jタウンネットでは読者の皆様の「感謝してもらえて嬉しかったこと」を募集している。

読者投稿フォームもしくはメール（toko@j-town.net）から、具体的な内容（誰にどんな親切をしたのか、どんな反応が返ってきたかなど、500文字程度〜）、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢（20代、30代など大まかで結構です）、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

（※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください）