今年買うならシックなダッフルコート、アメトラの元祖ブルックス ブラザーズ

2023年11月14日(火)12時0分 JBpress

名品は時間を掛け積み重ねられた伝統の力が生み出すもの。そして物作りの情熱は、やがて過去の名品さえも進化させていく。ロングセラーとヘリテージをつむぎながら誕生したニューデザイン。その二つを知ることで、ブランドの持つ本質と革新性が見えてくる。

写真/青木和也 スタイリング/荒木義樹(The VOICE) 文/長谷川 剛(TRS) 編集/名知正登


元祖にして次世代をリードするアメトラの象徴

 アメリカントラッドスタイルの祖と言われるブルックス ブラザーズ。1881年に創業したヘンリー・サンズ・ブルックスは、その黎明期から「製造と販売を兼業」する業態を築いており、すべてをコントロールしつつ最高品質のみを取り扱うことをモットーとしていた。19世紀の当時は、まだまだスーツもオーダーメイドが主流の時代。しかし同社は早くから既成スーツを打ち出し業界をリードしていた。

 代表的なモデルが「ナンバーワン サックスーツ」であり、自然な肩回りかつ絞り込まないフロント、段返りの3つボタンなど、それらアメトラスーツの基本を完成させたのは、まさにブルックス ブラザーズなのである。その他にもポロカラーシャツ(B.D.シャツ)やマドラスチェックのシャツ、レップ(レジメンタル)タイ等が、米国から世界に広まったのも同社があればこそ。

 そんなアメトラスタイルの殿堂は、昨今「アーカイブコレクション」を打ち出し注目されている。なかでも1970〜90年代に人気を博したアメトラアイテムを、当時のニュアンスやディテールを取り入れ巧みに再現したシリーズは、広い年齢層のアメトラ愛好家から支持を得ているという。

 ブルックス ブラザーズは元祖でありながら、現代に生きるトラッド(伝統的スタイル)の担い手と言える希有なブランドだ。


【BASIC ITEM】伝統的でありつつ若々しい印象が楽しめる

 数ある名作を作り出してきたブルックス ブラザーズ。その老舗における秋冬アウターの定番が、ダッフルコートである。厚手のメルトン(縮絨)素材を用いた一着は、フードを備え持つことと相まって、羽織るとどこか学生風の若々しさを放つところがポイント。

 そもそもダッフルコートはワークウエアを出自としており、その昔は粗布が使われていた。しかしブルックス ブラザーズでは、繊細なスーパー120’sと呼ばれる逸品ウールを採用しており、非常にドレッシー。また、留め具に関しても粗縄ではなく牛革を、トグルにおいてもウッドではなくホーン(水牛の角)を使用することで、高級感あふれる一着に仕上げている。それゆえにカジュアルスタイルを品良くドレスアップさせることに加え、シックなスーツスタイルに合わせることも可能なのである。


【NEW ITEM】現代的な装いにも対応する着丈長めの新定番

 創業205年の長い歴史を持つブランドは、定番のアレンジにおいて非常に慎重だ。しかし今季、大定番のひとつ、ダッフルコートに大鉈を振るい注目を集めている。なんとトレンド等を考慮し、着丈を10cmほど長くしたというのだ。これにより非常にシックでドレッシーな雰囲気が際立つ一着にアップデートしている。

 また、昨今はジャケットにしてもシャツやパンツにしても大きめ、太めがシーンを席巻している。そういったモダンなウエアにも、この新型ダッフルはマッチするのである。吟味を尽くした素材やパーツ使いにおいては定番をそのまま継承。軽はずみに色々と交換したりはしないところが実に老舗らしい。トラッドアイテムは少しずつ着実に進化していくものなのだ。

●商品の問い合わせ先:ブルックス ブラザーズ ジャパン TEL:0120-02-1818

筆者:長谷川 剛

JBpress

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