「宇和島」でも「駅」でもないのに! 東京国立近代美術館に「謎のネオン看板」が掲げられている理由とは
2022年11月18日(金)8時0分 Jタウンネット
突然だが、こちらの写真をご覧いただきたい。
こちらはツイッターユーザーのどーでしょう(@NAKATANI9011)さんが、2022年11月14日に投稿した写真。「宇和島駅」と書かれたネオンサインが映っている。
宇和島駅という駅は、愛媛県南部・宇和島市にある。JR四国・予讃線の終点である。
となれば、これが撮影されたのはそこだと考える人が多いだろう。しかし、写真が撮られたのは全く別の場所だった。
その場所とはなんと、東京・千代田区。しかも、この建物は駅ですらなく、東京国立近代美術館だという。
何故、こんな不思議すぎる状況が生まれたのか。その理由は、同館で開催中の展覧会にある。
かつて宇和島駅に在った「宇和島駅」を...
東京国立近代美術館では、11月1日〜23年2月5日まで現代日本を代表するアーティスト・大竹伸朗氏の作品を展示する企画展「大竹伸朗展」を開催している。
実は、どーでしょうさんが撮影した宇和島駅のネオンサインはこの「大竹伸朗展」の展示物なのだ。
いったい、どういう作品なのか。Jタウンネット記者が11月17日、「大竹伸朗展」広報事務局に話を聞いたところ、作品名はそのまま「宇和島駅」。かつて宇和島駅で実際に使われていた看板を利用した展示だという。
1996年の同駅のリニューアルの時に外されたそれを大竹氏がもらい受け、自身の手でネオン管を入れて完成させたもので、大竹氏はこれまでも個展開催の度に会場となる美術館に「宇和島駅」を設置してきた。
今回の企画展では東京国立近代美術館の外壁に設置されているため、近くを通りかかった人なら誰でも見ることができる。
また、館内には大竹氏の最初期からコロナ禍に制作された最新作までおよそ500 点の作品が集結。小さなものから巨大なインスタレーションまで、様々なタイプの展示物があるという。「宇和島駅」を見て興味をそそられた人は、そちらも併せて鑑賞してみては?