ナイキ、アディダス、ニューバランス…定番ブランド「裏名作」スニーカー5選

2023年12月18日(月)12時0分 JBpress

今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登

 様々なメディアで見聞きする“じゃない方”というワード。来歴を調べてみると、2000年代初頭には既に言い回しとして存在していたようだが、頻繁に使用されるようになったのはここ最近。用法としては、認知されていて引きのある人気者ではなく、どちらかといえば存在感の薄い相方を差す言葉として、主にコンビで活躍するお笑い芸人に使われている。

 この概念はスニーカーを語る際にも適用できるのではないだろうか。ここでいう“認知されていて引きのある人気者”とは、各ブランドのアイコンとなっている名作モデルに置き換えられる。

 ナイキであれば「エア フォース1」、コンバースなら「オールスター」、アディダスでは「スーパースター」…etc.と並べれば枚挙にいとまがない。しかし、光と影が表裏一体であるように、名作モデルの影に隠れながらも一部の識者たちの間で人気を集めているモデルも存在する。人はそれを“裏名作”と呼ぶ。そう、これが今回のテーマだ。

 誰しもが「人とかぶりたくない」とオリジナリティを求めていた時代は今や昔。現代では、いかにして他人からの“イイね”を獲得できるかが重要。そんな時代に“じゃない方”を選ぶというリスクを冒してまで、自分だけのスタイルを求める天邪鬼たちに送るのが、この5足だ。

1. New Balance「ML610XA」


テクニカルな意匠で魅せる2010年代パフォーマンス名機

 一世紀以上もの歴史を誇る名作の宝庫、ニューバランス。その中でも一般的に人気を集めているのは、フラッグシップである「99X」番台や「574」だが、ここで注目したいのが2000年以降に登場したパフォーマンスモデルたちだ。本作は、2011年に登場したエントリー層向けのトレーニングシューズ「610T」をベースに、防水・透湿性に優れたゴアテックスメンブレンをアッパーに搭載することで、テッキーなルックスを補強する機能性を加えた。

 また踏破性に優れ、様々なフィールドに対応するソールユニットは当然ながらオリジンのものを継承。素早くかつイージーなフィッティング調整を可能にするクイックシューレースも、アクティブなムードを盛り上げる一助となる。

2. adidas Originals「HANDBALL SPEZIAL」


時代は巡り、今また旬のロープロファイルシルエット

 冒頭の序文でも触れたが、アディダスの名作にはコートシューズが多い。「スーパースター」も「キャンパス」もそうだし、この「ハンドボール スペツィアル」も然り。誕生は1979年。プロハンドボール選手向けのトレーニングシューズとして開発された。これが昨今の「サンバ」人気に後押しされて、再びシーンの表舞台に登場。

 アッパーのトゥ部分には特徴的なT字型の補強パーツを、サイドにはブランドの象徴たるスリーストライプスを配置。甲部分の低いロープロファイル設計と細めのラストがスマートに見えると、性別年齢問わず人気となっている。ソールはインドアコートで機敏な動きが出来るように、グリップに優れたガムラバー。履きやすさの面でも裏名作の名にふさわしい。

3. NIKE SPORTSWEAR「AIR FLIGHT HUARACHE NAS」


歴史を変えた革新的フィッティングをバッシュに初搭載

“革新性”を常に追求し続けてきたナイキが、1992年に発表した「エア フライト ハラチ」。前年にシュータンとアッパーを一体化させたブーティー構造を実現させた「エア ハラチ」の“ハラチフィットシステム”を初めて採用したバッシュにして、後の「エア ジョーダン7」へとバトンを渡す存在だ。

 最大の特徴は、水上スキーのスーツから着想を得たアッパーだろう。伸縮性のあるネオプレン素材で足全体を包み込み、動きに合わせてフィットすることで、これまでにない履き心地を生み出す。また、アンクル部分からヒールまでを取り囲むラバーストラップと、足首に届く長めのシュータンも優れたサポート力に寄与している。今選ぶならば、原典には存在しない新色を推したい。

4. PUMA「BASKET CLASSIC XXI」


通好みの審判用モデルを、汎用性の高いフルレザーで刷新

「スウェード」「クライド」という名作の名さえ知っていれば、事足りると思われがちなプーマ。では、逆にそれ以外のモデルを知っていれば、周囲に差を付けられるのでは? この「バスケット」は、まさにその適役に違いない。件の「クライド」を原型に1970年代に誕生した本モデル。

 出自こそバスケットボールだが、選手用ではなく審判用というのが、実に玄人好みだ。しかも此度の復刻にあたって、オリジン初登場時のシルエットを素材使いで現代的かつスマートに刷新。特徴的だったレザー×スエードのコンビネーションをフルレザーに置き換えて、前足部サイドの補強パーツを排することで、多様なボトムスに合う、汎用性という名の新たな武器を手に入れた。

5. Reebok「ZIG KINETICA 2.5 EDGE」


3層構造ツーリング“ジグ”テクノロジーを正統継承

 ラストは、一気に時計の針を進めて2021年まで飛ぶ。ソールに搭載された独自の3層構造ツーリング“ジグ エナジー システム”により高い反発力と推進性で話題を呼んだ「ジグ キネティカ」。その第2世代では高いグリップ力を発揮するビブラムアウトソールを搭載し、活躍のフィールドをさらに拡大化させることに成功。ここで取り上げるのは、アッパーに防水透湿素材イーベントを搭載した高位のトレイルインスパイアバージョンだ。

 新たにビブラム メガグリップ アウトソールを採用し、最高レベルのグリップ性能を獲得。さらにスピードループシューレーシングシステムで着脱のストレスを軽減する。今後、確実に“表”名作認定されること請け合いのモデルだけに、先物買いをお薦めする。

筆者:TOMMY

JBpress

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