もし、こんな職業(?)のための腕時計があったら……「専用すぎる腕時計展2」
2024年12月25日(水)21時51分 マイナビニュース
セイコーウォッチが提案する、腕時計デザインの新たな可能性を探る実験的な試み「power design project 2025」。その第2弾となる「専用すぎる腕時計展2」が、東京・原宿のSeiko Seedにて期間限定開催中だ。会期は2024年2月16日(日)まで。入場料無料。
触って、着けて、使ってみたくなるユニークな時計が目白押し!
「もし、あらゆる人々が、それぞれのライフスタイルや嗜好に完全に特化した腕時計を持つことができたら、どんな時計ができるだろう?」
そんな空想への、セイコーウォッチのデザインチームからのユニークなアンサー。「専用すぎる腕時計展2」は、単に時刻を知るための道具としてだけではなく、個性の表現や生活を豊かにする存在として、腕時計のポテンシャルを追求する試みだ。
展示はまさに「専用すぎる」という言葉がぴったり。特定の人物像やシチュエーションに対して徹底的に寄り添った腕時計たちが並ぶ。展示されている腕時計は、以下の6モデルだ。
■忍者専用腕時計
暗闇で光らせたり音を立てたりすることなく、時刻を確認できる触覚式のダイヤルを採用。これにより、敵に気づかれずに、任務中でも静かに時間を確認できる。普段はダイヤルがカバーで覆われていることで、不用意に針が動いてしまうことを防ぎ、隠密行動をサポートする。
革製のストラップは、弓を引く際に指を保護する武具「弓掛(ゆがけ)」からの着想。忍者の装束にも自然となじむ。
開発にあたっては、忍者の文化を研究し、現代に受け継ぐ忍道家、習志野青龍窟氏の協力を得ている。
■クラブDJ専用腕時計
クラブのDJブースで使われるブラックライトに映える特殊なカラーリングと、ダイヤル内の合わせ鏡による幻想的な時刻表示が特徴。インデックスはクラブDJが活躍する時間帯(18時から翌朝5時まで)の表記になっていることからも、彼らのライフスタイルに合わせた専用設計とわかる。
派手な見た目とは裏腹に、駆動はソーラーや電池を一切使わない機械式。クラブDJのスクラッチやYO-YOなどのアクションによって、ゼンマイが巻かれることを計算しての設計なのだ。
■ヴァンパイア専用腕時計
中世ヨーロッパの世界観を表現した、気品と妖しさを兼ね備えたビジュアルに加え、時針に24時間運針を採用。インデックスも、12時位置が24時、6時位置が12時を示す。これは、例えば「午前12時」と「午後12時」を間違えると太陽の光を浴びてしまいかねず、ヴァンパイアには命に関わるため。
回転ベゼルは赤から白へのグラデーションで吸血の目安を表示。ベゼルを回して血を吸った時刻に起点を合わせておくと、血の枯渇状況が一目でわかる仕組み。ただ、もしベゼルが逆に回ってしまうとこれまた命に係わるので、もちろん逆回転防止機構付きだ。
■ゆで卵好き専用腕時計
完璧なゆで卵を作るのは意外と難しい。黄身を半熟にするはずが固ゆでになったり、殻がうまく剥けなかったりといった経験は誰しもあるだろう。そこでこの時計は、そんなゆで卵を好み通りに作り分ける機能を搭載。ゆで卵好きの人々のために開発された腕時計なのだ。
エッグモードに切り替えると、12分で白い針が一周するタイマーに変化。30秒単位で好みの固さを設定できる。
開発にあたっては、日本の卵業界で権威のある「日本卵業協会」が認定する卵のソムリエ資格「タマリエ」の中でも、特に希少な五つ星タマリエの児玉大介氏(キユーピー株式会社)からアドバイスを受けており、ゆで卵の科学に基づいた設計がなされている。
ケースはゆで卵を横にカットしたような形状。しかも、卵の殻を10%含むバイオマスプラスチックで作られている。ダイヤルは卵の黄身をイメージしたグラデーションカラーで彩られ、ケースの中心からわずかにオフセットして配置。わずかに黄身が寄ってしまったゆで卵のような外観をリアルに再現した。なお、ストラップも卵の殻を原料の一部に使用しており、サステナブルなデザインとなっている。
■サンタクロース専用腕時計
サンタクロースの業務特性から、夜間でも時刻が確認できるよう、夜光塗料を使用したダイヤルを採用。デザイン面もサンタクロースやクリスマスのイメージを考慮した工夫が凝らされている。
赤と白を基調としたカラーリングは、サンタクロースの衣装を想起させ、ダイヤルには雪の結晶をモチーフとしたデザインでインデックスが記されている。
また、GMT機能を搭載。世界中を飛び回るサンタクロースのタイムスケジュールを管理できる。ケースには軽量で肌触りの良い素材を使用しており、長時間でも快適に着用できる。
■恋する乙女専用腕時計
「愛してる…愛してない…愛している…愛してな……(略)」でおなじみの「花占い」機能を搭載。ルーレットが回って「LOVE me」または「LOVE me NOT」を表示。(「LOVE me」が出れば)告白の背中を押してくれる。ぷっくりと盛り上がったドーム状のガラス越しに見える花びらが幻想的な雰囲気を醸し出す。
開発には、(セイコーウオッチいわく)「恋愛のプロフェッショナル」として、品川女子学院高等部の生徒のみなさんも協力。彼女たちからも「とにかくかわいい!」と評判の仕上がりだ。
このように「専用すぎる腕時計展2」は、腕時計の可能性を拡張する実験のような展示会だ。会期のうち、各モデルの解説つきギャラリーツアーが1月13日(月)と2月9日(日)の午前/午後に各1回ずつ、そしてワークショップも1月25日(土)に開催される予定。あなたもこの冬は、Seiko Seedに足を運んでみてはいかが?