去勢後麻酔が残っている状態で施設を脱走、6日後4km先の自宅に自力で帰ってきた猫

2025年5月21日(水)12時0分 カラパイア


Florida cat escapes vet, races 3 miles home/Youtube


  アメリカ・フロリダ州で、まるで映画のような大脱走を果たした猫が6日後に自力で自宅に戻ってきた。


 ジョージという名のオス猫は、動物保護施設での去勢手術の直後、まだ麻酔が残っている状態で、鉄製のケージから抜け出し、高さ約2.4mのフェンスを乗り越えて森へと消えた。


 ジョージはそれから6日後、約4.3km離れた自宅の敷地内に戻ってきたのだ。


 一時は絶望視されたジョージだったが、奇跡の帰還は施設スタッフや地域住民に大きな感動をもたらした。ジョージは元々地域の人々にかわいがられていた野良猫だったのだ。


去勢手術を受けた直後の大脱走劇


 アメリカ・フロリダ州レイクランドにある「SPCAフロリダ」という動物保護施設に、ジョージという名のオスの猫が、去勢手術のため一時的に預けられた。


 ところがジョージは手術後、麻酔が切れていない状態で、ケージを自力で開けて逃走。高さ約2.4mのフェンスをよじ登り、森の中へと姿を消したのだ。



ジョージがよじ登った鉄製のフェンス Florida cat escapes vet, races 3 miles home/Youtube


 施設の広報担当であるランダ・リヒターさんによると、「彼は自力でケースをこじ開け瞬間、一瞬で姿を消しました」と語っている。


 ジョージの世話をしていたボブ・ビーソックさんも、「目にもとまらぬ速さだった。麻酔が残っていたはずなのに信じられない」と驚きを隠せなかった。


地元で愛されたジョージ、心配の声が広がる


 ジョージはもともとレイクランド内のロマ・ベルデ」という地域で地域住民たちにかわいがられていた野良猫(地域猫)だった。


 特にジョージをかわいがっていた住民の1人、ボブ・ビソックさんは、ジョージを自宅に迎えることに決め、去勢手術のために動物保護施設へ連れて行った。


 ジョージの脱走を知って地域住民たちに衝撃が走った。


 その後、施設のスタッフと地域住民による懸命の捜索が続いたが、姿は見つからなかった。



ジョージが脱走した動物保護施設、SPCAフロリダ Florida cat escapes vet, races 3 miles home/Youtube


6日後、ジョージは自力で自宅に戻ってきた!


 ところがその6日後、ジョージはビソックさんの家の敷地内に姿を現したのだ!


 行方不明になったSPCAフロリダの施設からは、直線距離で約4.3km離れていた。


 「そこには、まるで大冒険を終えて帰ってきたかのように、椅子の上でくつろぐジョージの姿があった」と、ビソックさんは語る。


 ジョージは少し痩せており、空腹の様子だったが、けがなどの異常は見られなかったという。


 その後ジョージは、長い旅の疲れを癒やすかのようにぐっすりと眠りについた。



自力で大冒険から戻ってきたジョージ Florida cat escapes vet, races 3 miles home/Youtube


 ジョージがたどった道のりは、猫にとっては決して容易なものではなかった。


 途中には複数の交通量の多い道路があり、吠えかかる犬のいるエリアや、ビクトリア湖の広大な岸辺も通過する必要があった。しかも、彼は手術直後というハンデも背負っていた。


 施設のリヒターさんは、「ジョージが4km以上の距離を自力で移動し、無事に戻ってきたという知らせを聞いて、本当に嬉しかった」と喜びを語っている。


 ビソックさんは「もし自分だったらウーバーを呼んで帰るところだが、ジョージにはその手段がなかったからなー」と冗談まじりに語っているが、ジョージの帰宅を誰よりも喜んでいるのは言うまでもない。



飼い主のビソックさんにブラッシングされながらご飯を食べるジョージ Florida cat escapes vet, races 3 miles home/Youtube


 この一件に関して、猫行動学の専門家は「猫は進化の過程で、自力で帰る能力を獲得してきた」と説明している。


 帰巣本能の鍵は、視覚的な目印(ランドマーク)、嗅覚によるにおいの記憶、そして地磁気(地球の磁場)といった複数の要素が組み合わさっていると考えられている。


 また、「猫は人間に強い愛着を持つ動物である」という。クールな印象を持たれがちだが、実際には大切な人のもとに戻ろうとする情熱を秘めているのだ。


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