三浦雄一郎さんが目指す南米最高峰 気象のプロが語る、待ち受ける試練とは

2019年1月9日(水)11時30分 ウェザーニュース


2019/01/11 09:27 ウェザーニュース

2019年1月、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんと息子である豪太さんが、アコンカグア登頂とスキー滑降を目指します。9日(水)はいよいよ本格的な登頂開始の予定です。
三浦雄一郎さんご自身は、世界7大陸最高峰スキー滑降挑戦最後の山として、33年前の1985年53歳の時に登頂、スキー滑降を成功させています。

アコンカグア山とは?

アコンカグア山

アコンカグア山は、南米大陸最高峰で標高は6962メートル。富士山の約2倍弱で、酸素濃度は平地の約40%です。
アジア(ヒマラヤ・カラコルム)以外で世界で一番高い山です。

場所は、南米大陸のチリとアルゼンチン国境付近(アルゼンチン国内)にあります。南緯32.7度 西経70度で、日本では九州の熊本とほぼ同じ緯度になります。
アコンカグア山の登頂成功確率は約30%(100人入山して登頂出来るのは30人程度)と登頂成功率の低い山とされています。
これは、気象が非常に大きく関係しています。

ビエント・ブランコと呼ばれる猛烈な暴風

ビエント・ブランコをもたらす寒冷前線の北上

季節は日本の真逆となっており、今はちょうど真夏。今回、三浦さんがチャレンジする1月は、1年間の中でも登山シーズンにあたります。しかし、中緯度の偏西風帯の高所では西風が強く吹くことが多く、風の弱まる時期の見極めが特に大事です。
中でも、ビエント・ブランコ(Vient Blanco)と呼ばれる、アンデス地方特有の悪天候が脅威とされています。
アルゼンチン南部から寒冷前線が北上する際は、一時的に吹雪となります。(日本がある北半球では寒気は北からやってきますが、アコンカグア山がある南半球では寒気は南からやってきます。)
前線通過後の強い気圧変化と下降気流によって、アンデス山脈の東側(風下)で、風速50m/sの暴風になることもあり、行動困難に陥ってしまう恐ろしい現象。登山をする際には、この暴風を絶対に回避しなければならず、見逃しが許されません。

遠征スケジュール

©ミウラ・ドルフィンズ

2019年1月
◆2日
日本出発
◆3日
アルゼンチン メンドーサ着
◆4日〜8日
ラス・クエバ(3170m) にて高度順応
◆9日
アコンカグア山ベースキャンプ プラサ・アルヘンティーナ 4200m 入り
◆10日〜15日
高度順応 & ルート偵察 4200m~5850m
◆16日
ベースキャンプ(ヘリ)→ アメギノ峠)
 
◆17日
アメギノ峠 → C2 5850m
◆18日
C2 → C3(ポーランド氷河) 6300m
◆19日
C3 → C4(ポーランド氷河)  6600m
◆20日
C4 ⇒ 山頂 ⇒ C4 6961m
◆21日
C4 → C2 5850m
◆22日
C2 → アメギノ峠(徒歩)
アメギノ(ヘリ)→BC ⇒ヘリ オルコネス → メンドーサ(車)
◆23日〜26日
登山活動 予備日
◆27日
フライト 予備日


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