長野駅前3人殺傷、1時間前から駅構内をうろつく男の姿…犯行の機会うかがっていた可能性
2025年1月24日(金)5時0分 読売新聞
長野市のJR長野駅前で3人が刃物で刺され、男性1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件で、現場から逃走した男に似た人物が事件の約1時間前、駅構内をうろついていたことが捜査関係者への取材でわかった。犯行の機会をうかがっていた可能性がある。長野県警は23日、長野中央署に捜査本部を設置。駅周辺の防犯カメラに映った男の画像を公開し、殺人や殺人未遂容疑で行方を追っている。
事件は22日午後8時頃に発生。発表によると、死亡したのは同市丹波島、会社員丸山浩由さん(49)で、左胸に複数の傷があった。丸山さんは最初に襲われたとみられる。また、同市の男性会社員(37)は背中を刺され重傷、同市の女性会社員(46)も軽傷を負った。3人は長野駅善光寺口のロータリーでバスを待つなどしていた。いずれも男との面識はないとみられる。
県警や目撃者によると、男は通行人らに刃物を向けるようなしぐさをしながら、西の方向へ徒歩で逃げた。刃物は細長い刺し身包丁のようなものだったという。
県警が公開した防犯カメラの画像には、20〜40歳代で身長が1メートル65〜1メートル75の男が映っていた。やせ形でめがねをかけ、頭には白いタオルのような布を巻いていた。駅構内の防犯カメラにも、似た布を巻いた男が映っていた。県警は23日夜、公開画像を貼ったプラカードを駅前で掲げるなどし、捜査への協力を求めた。
地域には不安が広がっている。長野市教育委員会はすべての市立小中学校に対し、保護者の付き添いや教職員による見守りを可能な範囲で実施するよう促した。また、警察庁は同日、関東近県の10都県警から警察官約100人、パトカー16台を長野県警に派遣すると発表。24時間態勢で警戒に当たり、パトロールを強化する。